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日本株の作戦を練る -07/02/25見直し-

朝令暮改も甚だしい訳ですが、為替相場の見通しを誤った様なので、先にアップした日本株に対するスタンスを一部修正したいと思います。

大きな転換点は、「日銀の継続利上げはあるが、1%程度までの利上げでは、それが要因となる円高基調にはならない」と言う点です。円高基調に変化するとすれば、米国が利下げを実施するかその雰囲気が強くなるケースと考えられます。

噂のレベルで円高基調に変化する分には良いですが、もし実際に米国の利下げが実施される様な事態になれば、その時点で米国市場に何らかの負の転換が生じていると考えるのが自然ですので、その時は改めて、作戦を練りなおす必要がるでしょう。実際、米国が利下げにおよぶ事態となれば、投資戦略を大幅転換する必要が生じると考えています。

また市況関連では、ベースメタルは下降ではなく既に下げ止まったと判断を転換します。

■マクロ環境

・為替:ドル円は円安が130円程度まで進行する可能性がある。
    円安は110円程度まで見込む。それ以上進むなら、緊急事態。
    基本的には円安を維持も、ドルの利下げがあれば要注意。
    個人の円売りが115円付近から加速するので、円高は膠着する可能性も高い。

・金利:年内に2~3回の利上げの可能性を考慮する。最大1.0%も視野に。

・市況:原油価格は$50を底にして反発したまま、$60付近で高止まって推移。
    年後半はもう少し騰がるかも。
    穀物価格は上昇基調を維持。
    ベースメタルは昨年の高騰からの反動安はここらで一服。
    レアメタルは高止まり。再度の上昇も。

・物価:不動産等の資産インフレの傾向が続くが、日常品の物価は然して上がらない。

・米国:基本は安定成長。但し、クレジットリスクが顕在化して利下げが行われる様
    ならば要注意。インフレ傾向で利上げがチラ付かされる程度なら理想的。

・欧州:安定成長。もう少し利上げが続く。ユーロ高続く。

・新興:中国は微妙に調整するも上昇基調。但し、信用リスクに要注意。
    ロシアは原油が高止まるが伸びシロは大きくない。
    ブラジルは食料関連で分だけ、ロシアよりも伸びシロあり。
    インドは欧米の安定成長の恩恵を得る。米国の景気動向に注意。


■日本株市場

・東証:小さな調整は入れつつも、上昇傾向を続ける。目先の警戒ポイントは4月中旬
    と、GW明け。採り合えず4月初は上昇しても警戒を緩めないこと。

・新興:昨年打った底は固く、緩やかな上昇基調を取る。但し、銘柄に選別色が出そう。
    高すぎるPERは許容されない。不当に売り崩された銘柄にチャンス。

・基本的に内需産業が全体を牽引する展開に。円安のこれ以上の進行はないと予想して
 輸出産業はメインセクタから外す。


■イベント関連

・参議院選挙 → 投票用機器・PR関連のコンサルタント企業にスポットライト。
・三角合併の解禁 → むしろ、国内企業によるM&Aも加速。キャッシュリッチに注目。
・利上げの継続 → 金利益の得られるキャッシュリッチ企業、銀行に優位。
・郵便局の投信販売の拡大 → ブルーチップが今年も強い?
・2008年問題が視野 → 人材派遣企業。投信販売の続伸。高級品・嗜好品が売れる?


■セクタの見通し

(1) 電機
  円高基調が基本的にマイナスになる。
  記憶装置のフラッシュメモリ化が進む。逆にHDDの先行きは暗い。
  DRAMの需要は横ばい。
  ビスタがコケて、PC売れない。DRAM・CPUの需要も増加せず。
  プロセッサのFPGA化が進み、マイクロプロセッサは苦しい。
  ランプの需要が減って、高輝度LED化が進む。

(2) ソフトウェア
  ビスタがコケるので、PCのアプリケーションは伸びない。
  MSの支配が緩み、MSオフィスの時代が終焉を迎える。ドキュメントの標準化へ。
  日本では遅れているXMLに、一層の注目を集める。
  組み込み型アプリの開発需要が伸びる。小型機器用のOSの進化が続く。
  ゲーム関連は新型ハードの投入が一巡したことで好調に推移。
  DSはもとより、Wiiのソフト開発負担はPS2・3よりも軽く、ソフトハウスには優位に。
  
(3) 機械
  中国の需要が一服して伸び止る。輸出も為替差益は期待できない。
  建機よりも農業機械が良さそう。あと、水関連も良し。

(4) 精密
  デジカメは一服。輸出も為替差益は期待できない。
  HDDは減速。プリンタも然して伸びない。

(5) 自動車
  自動車販売自体は昨年並みの伸びシロ無し。輸出も為替差益は期待できない。
  環境保護技術に妙味。ハイブリッド技術とディーゼル技術。特にディーゼル。

(6) 重工業
  足の長い産業なので、昨年来の好調を維持。
  航空機・造船・プラント等、堅調。

(7) 海運
  燃料費アップ。中国が一服すると需要も減退。
  LNG船は引き続き堅調?バラ積み船は?

(8) 空運
  燃料費アップ。
  JALの再建策に注目。血税投入されれば一発逆転も?

(9) 陸運
  本業は横ばいも、資産インフレの恩恵を得る。
  不動産との兼業に注目。
  電子マネー分野も伸びる。スイカとパスモの共有化に期待。
  負債過多企業の負担には利上げが逆風に。

(10) 農林水産
  有望。今年のテーマ産業。
  エネルギーセクタとの関連も注目。
  
(11)食品
  M&Aのターゲットセクタ。
  外資の保有比率の高い企業がポイントだが、総じて割高なので投資はし難い。
  ブルドッグ、キッコーマン等の安定的に利益を出せる企業に注目。

(12)製薬
  引き続き、業界再編が続く。
  田辺に続く銘柄は何処か?

(13)銀行
  継続的な利上げで、銀行が恩恵を得る。
  三菱UFJの投資単位引き下げに注目。他も追随するか?
  主力の三行は良いが、地銀には苦しいところが多い?
  りそな銀行の特定株式の処理に注目。
  
(14)その他金融
  グレー金利問題でボロボロのセクタだが、期末決算が出て以降に投資妙味が出そう。
  決算前の勝負は微妙。上手く売り逃げれば稼げるかも。当面は下方修正が怖い。
  信販、サラ金共に、業界再編の可能性大。大手三行の動きがポイント。
  継続利上げで資金調達コストが上昇。これも逆風。

(15)証券
  株価が上昇基調を取るとみて好調。割安な銘柄に妙味。
  特徴無きネット証券は過当競争で苦しい。ここにも合併があるかも。
  継続利上げで、信用取引の扱い益が上昇。
  大手証券はM&A対策でのビジネスチャンスが拡大。

(16)保険
  資産インフレの恩恵を得る。本業は横ばい。
  保険金未払い問題の解決が課題。

(17)エネルギー
  原油関連は横ばい。
  自然エネルギーに妙味。風力・太陽光発電。
  バイオ関連については、収益面で数年先。

(18)不動産
  利上げタイミングとの駆け引きになるが、資産インフレ傾向続き、基本的に好調。
  都市部不動産が引き続き堅調。地方はいまいちかも。大手3社に注目。
  REITは堅調を維持するも、新興不動産の影の部分が見えてくるか?
  利上げによる長期金利の上昇が、REIT利回りの優位性を失わせる。

(19)建設
  建設需要はあれども、談合問題が常にあり、怖くて投資できない。
  談合等で売り崩された銘柄には投機チャンスあり。
  利上げが負債の多い企業の負担に。
  
(20)小売
  内需牽引の予想の元に堅調なセクタになる。
  格差拡大の傾向続く。高級品が売れる。
  資産インフレから含み資産の多い銘柄に注目。
  ドラッグストア・電気量販店・デパートなど、業界再編の動き。

(21)鉄鋼
  引き続きM&Aの戦場に。海外メーカーとの争い続く。
  本業は横ばい?鉄鉱石の価格上昇。価格へ転嫁出来るかが問題。

(22)製紙
  円高に転べば恩恵を得るが、その可能は低そう。原材料の高騰も続いている。
  業界再編の動きが再燃。王子製紙のリベンジなるか?

(23)ゴム
  原油が高止まれば、再び利益率が低下する。
  しばらく上がりつづけたので調整モード入りか?

(24)化学
  原油の高止まりはマイナス要素。
  但し、株価的に調整が進んだ銘柄には投資妙味もありそう。

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2007年02月26日 01:41に投稿されたエントリーのページです。

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