2月も後半に来て、今更ながら今年の作戦を練るも無かったりする訳ですが、出張のフライト時間があまりに暇だったので、今年の日本株への投資方針をツラツラと考えてみた訳です。(多分に根拠無き直感が含まれているので注意。)
■マクロ環境
・為替:ドル円は円安が125円程度で止まり、110円程度まで円高が進む可能性あり。
但し、個人の円売りが115円付近から加速するので、膠着する可能性も大きい。
基本的には円高基調に変化すると考えておく。
・金利:年内に2~3回の利上げの可能性を考慮する。最大1.0%も視野に。
・市況:原油価格は$50を底にして反発したまま、$60付近で高止まって推移。
年後半はもう少し騰がるかも。
穀物価格は上昇基調を維持。
ベースメタルは昨年の反動で下降。
レアメタルは高止まり。
・物価:不動産等の資産インフレの傾向が続くが、日常品の物価は然して上がらない。
・米国:安定成長。インフレは抑制され、利下げが視野に。
・欧州:安定成長。もう少し利上げが続く。ユーロ高続く。
・新興:中国は微妙に調整するも上昇基調。
ロシアは原油が高止まるが伸びも無し。
ブラジルは食料関連で伸びシロあり。
インドは欧米の安定成長の恩恵を得る。
■日本株市場
・東証:一旦調整を入れた後、3月末頃から再び上昇基調へ。日経20000円を目指す。
・新興:昨年打った底は固く、緩やかな上昇基調を取る。但し、銘柄に選別色が出そう。
高すぎるPERは許容されない。不当に売り崩された銘柄にチャンス。
・基本的に内需産業が全体を牽引する展開に。円高基調と予想して輸出産業はメイン
セクタから外す。
■イベント関連
・参議院選挙 → 投票用機器・PR関連のコンサルタント企業にスポットライト。
・三角合併の解禁 → むしろ、国内企業によるM&Aも加速。キャッシュリッチに注目。
・郵便局の投信販売の拡大 → ブルーチップが今年も強い?
・2008年問題が視野 → 人材派遣企業。投信販売の続伸。高級品・嗜好品が売れる?
■セクタの見通し
(1) 電機
円高基調が基本的にマイナスになる。
記憶装置のフラッシュメモリ化が進む。逆にHDDの先行きは暗い。
DRAMの需要は横ばい。
ビスタがコケて、PC売れない。DRAM・CPUの需要も増加せず。
プロセッサのFPGA化が進み、マイクロプロセッサは苦しい。
ランプの需要が減って、高輝度LED化が進む。
(2) ソフトウェア
ビスタがコケるので、PCのアプリケーションは伸びない。
MSの支配が緩み、MSオフィスの時代が終焉を迎える。ドキュメントの標準化へ。
日本では遅れているXMLに、一層の注目を集める。
組み込み型アプリの開発需要が伸びる。小型機器用のOSの進化が続く。
ゲーム関連は新型ハードの投入が一巡したことで好調に推移。
DSはもとより、Wiiのソフト開発負担はPS2・3よりも軽く、ソフトハウスには優位に。
(3) 機械
中国の需要が一服して伸び止る。為替も逆風に。
建機よりも農業機械が良さそう。あと、水関連も良し。
(4) 精密
デジカメは一服。輸出も為替が逆風に。
HDDは減速。プリンタも然して伸びない。
(5) 自動車
自動車販売自体は昨年並みの伸びシロ無し。為替も逆風に。
環境保護技術に妙味。ハイブリッド技術とディーゼル技術。特にディーゼル。
(6) 重工業
足の長い産業なので、昨年来の好調を維持。
航空機・造船・プラント等、堅調。
(7) 海運
燃料費アップ。中国が一服すると需要も減退。
LNG船は引き続き堅調?バラ積み船は?
(8) 空運
燃料費アップ。
JALの再建策に注目。血税投入も?
(9) 陸運
本業は横ばいも、資産インフレの恩恵を得る。
不動産との兼業に注目。
電子マネー分野も伸びる。スイカとパスモの共有化は大きい。
利上げが、負債過多企業の負担に。
(10) 農林水産
有望。今年のテーマ産業。
エネルギーセクタとの関連も注目。
(11)食品
M&Aのターゲットセクタ。
外資の保有比率の高い企業がポイントだが、総じて割高なので投資はし難い。
ブルドッグ、キッコーマン等の安定的に利益を出せる企業に注目。
(12)製薬
引き続き、業界再編が続く。
田辺に続く銘柄は何処か?
(13)銀行
利上げありと予想し、銀行が恩恵を得る。
三菱UFJの投資単位引き下げに注目。他も追随するか?
主力の三行は良いが、地銀には苦しいところが多い?
りそな銀行の特定株式の処理にも注目。
(14)その他金融
グレー金利問題でボロボロのセクタだが、期末決算が出て以降に投資妙味が出そう。
決算前の勝負は微妙。上手く売り逃げれば稼げるかも。当面は下方修正が怖い。
信販、サラ金共に、業界再編の可能性大。大手三行の動きがポイント。
(15)証券
株価が上昇基調を取るとみて好調。割安な銘柄に妙味。
特徴無きネット証券は過当競争で苦しい。ここにも合併があるかも。
(16)保険
資産インフレの恩恵を得る。本業は横ばい。
保険金未払い問題の闇深し。
(17)エネルギー
原油関連は横ばい。
自然エネルギーに妙味。風力・太陽光発電。
バイオ関連はまだ先か。
(18)不動産
利上げタイミングとの駆け引きになるが、資産インフレ傾向続き、基本的に好調。
都市部不動産が引き続き堅調。地方はいまいちかも。大手3社に注目。
REITは堅調を維持するも、新興不動産の影の部分が見えてくるか?
利上げによる長期金利の上昇が、REIT利回りの優位性を失わせる。
(19)建設
建設需要はあれども、談合問題が常にあり、怖くて投資できない。
談合等で売り崩された銘柄には投機チャンスあり。
利上げが負債の多い企業の負担に。
(20)小売
内需牽引の予想の元に堅調なセクタになる。
格差拡大の傾向続く。高級品が売れる。
資産インフレから含み資産の多い銘柄に注目。
ドラッグストア・電気量販店・デパートなど、業界再編の動き。
(21)鉄鋼
引き続きM&Aの戦場に。海外メーカーとの争い続く。
本業は横ばい?鉄鉱石の価格上昇。価格へ転嫁出来るかが問題。
(22)製紙
円高が進めば恩恵を得るが、原材料の高騰も続いている。
業界再編の動きが再燃。王子製紙のリベンジなるか?
(23)ゴム
原油が高止まれば、再び利益率が低下する。
しばらく上がりつづけたので調整モード入りか?
(24)化学
原油の高止まりはマイナス要素。
但し、株価的に調整が進んだ銘柄には投資妙味もありそう。