帰国して最初の休日を迎えてやっと一心地。出張前に宣伝を見て見たいと思ってた映画「バブルへGO!!」を見てきました。この映画、あのホイチョイプロの製作なので、見逃す訳には行きません。(先日、本屋には「気まぐれコンセプト」の完全版が売られていました。大学時代が懐かしくてコレも買っちゃいました。)
私の場合、映画は好きな方なので、日本人の平均視聴回数よりは映画館に足を運ぶとは思いますが、かといってマニアではありません。そんな私の見終えての感想としては、まぁ面白い映画でした。ホイチョイの製作なので笑いのツボは外れてませんし。
只、この映画を楽しめるのは、やはりあのバブルの時代に何らかの思い入れのある人に限られる様に思います。観客の中には小学生位の子供連れの姿が多数見られたのが意外でしたが、これは親御さんが見たかった為でしょう。今、小学生の子供が居る世代をターゲットにした映画なんだと思います。
私の場合、大学時代にバブル期を迎え、バブルの絶頂の中で就職をしました。あの時代、就職活動なんてものは存在せず、好きな会社なら何処にでも就職できる勢いでした。私は技術系でしたので、それこそ企業からの就職は引く手あまたで、本来ならよりどりみどりだった訳ですが、我が大学の場合、「卒業生を多種の企業に分散させて就職させることで社会貢献を図ると言う」、学生には理解しがたい事由によって、就職先企業を大学側が制限していました。
学生の好きにさせると、偏った企業に大量就職してしまうのを、大学側は防ぎたかったのです。大手企業は来てくれるなら学部全員だって採用したかもしれません。そこで、内部では何が行われたかというと、学生同士が志望企業を入札して、希望数が予定数を超えた企業はその中で人数を調整する訳です。
しかし、就職というと学生にとっても一生事なので、話し合いなどで簡単にケリが付くものではありません。最悪、何かの規準をもって、当選と落選を決める必要があります。この決め方が、毎年の就職担当教授の趣味で決定すると言う有様。成績で決める年もあれば、アミダくじで決める年もありました。(マジですぜコレ。私の友人は未だにアミダくじを怨んでます。更にそんないい加減な当時の就職担当教授は今や学長です。笑)
これって、プロ野球のドラフト制度と大差ありません。就職前まで、私はドラフト賛成論でしたが、自分がその身になって、江川の気持ちが良く分かりました。(笑)
そんな理不尽なら、「大学なんて無視して個人の責任で就職活動すれば良いじゃん」と思われるかもしれませんが、企業としては大学の推薦だけは持ってきてもらう必要があるのです。何故ならば、大学に逆らった採用をすると、企業はペナルティを喰らい、「翌年から一切学生を回さない宣言」を大学から通達されます。逆に、大学が企業の希望枠内で推薦した人材を余程の理由なく不採用にすると、やはり翌年からの採用が不能になります。(コレ、桑田事件で、PL学園から早稲田への進学が出来なくなったのと同じ理論ですね。)
まぁ今にして思えば、第1希望が駄目でも第2希望には就職できる様な状況でしたから、バブル崩壊後の辛酸を舐めた世代の学生さんからみれば、天国のような状況だったことは間違いないと思います。
さて、本題の映画ですが。全編を通してバブル期が懐かしくなります。当時はまだ学生でしたから、溢れるお金を持っていた訳ではありませんが、それでもバイトでは稼げたし、なにより世間が浮かれてて楽しいムードに満ちた時代でした。「あの頃に戻りて~」って思わずには居られない訳です。17年程度のタイムスリップなら生活は不便になりませんし。まぁ、インターネットが無くて、パソコン通信に戻る位でしょう。
ところで、映画ではバブルの崩壊の原因を「土地取引に関わる融資の総量規制」にあるとしています。当時投資の世界に入っていなかった私には、これがバブル崩壊の全原因とは思えませんが、伊武雅人演じる大蔵役人が、話に聞く日銀・速水総裁にダブって仕方ありませんでした。映画では伊武雅人は確信犯的にバブル崩壊を図りますが、速水さんも金融政策の結果どうなるか本当は分かってたんじゃないですかね?昨今の福井さんの発言を見ても確信犯的な所が多々見られるので、そうも疑いたくなってきます。orz
映画のラストはもう少しやりようがあった気もしますが、まぁあんなもんでしょうか。なによりバブルの再来が待ち遠しくなる映画でした。バブルになる位、株価には上昇してもらいたいもんです。世界恐慌は困りますが、日本だけのバブルが弾ける程度で済むのならば、即退場はしない程度に国際分散投資しますので、日経平均3万円を目指して欲しいと願ってしまう映画でした。
「バブルって最高~」
PS.
薬師丸ひろ子がお歳を召していたのが、我々世代的にはちょっと悲しいですね。それだけ、自分が老けたってことなんですが..。orz