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FOMCに向けて投資戦略を整理する

サブプライムローンの破綻問題から米国市場の混乱が続く中、FOMCの開催が近づいてきました。ここ暫くは日銀の金融政策にばかり注目が集まっていましたが、これからはFOMCの動向から目が離せなくなっています。

先日の消費者物価指数が高めに出たことからも、これまでの委員達の発言を踏襲するならば、インフレ退治に全力を注ぐことが考えられます。..となると利上げを警戒するのがノーマルな投資姿勢な訳ですが、今回はそれは無いだろうと思ってます。

と言うのも、サブプライムローンの破綻問題がどの程度深刻と考えているのか傍目には判らないこと。これまで、委員たちは強気の発言を繰り返して居るわけですが、逆に考えれば不安発言などしたくても出来ない訳であり、彼らの強気発言を何処まで信じてよいか、甚だ疑問です。

寧ろ、「これ以上の利上げをする気ならとっくにしている」と考えるのも一つの考え方です。今利上げするのはあまりにもタイミングが悪い。下手すれば金融システムの破綻を加速することになりかねません。

..なので、考えるべきは「利下げがあるのか無いのか」に絞られます。確率的には利下げありに20%・金利据え置きに80%の予想で行きたいと思います。(利上げの確立は0%)

次に、それぞれのケースで同様な対処をするかですが、現在マーケットが利下げを織り込んでいることは考えられません。従って、仮に金利据え置きとなっても、株式市場に対するマイナスインパクトはありません。逆に万一利下げがあれば、株式市場に対してはポジティブサプライズです。

即ち、現在の状況はどっちに転んでも株式市場にネガティブはことは発生しないことになり、強気で臨む方が美味しい様に思われます。(特に短期的には。)

只、今後米国が利下げ基調になる場合、その時の投資環境をイメージしておく必要はあります。

先ず株式ですが、利下げすれば米国株も短期的にリバウンドすると思いますが、そもそも問題を抱えているからこその利下げである以上、上昇に転じることは期待できません。利下げを続ける限り米国株は下落基調と考えるほうが普通です。その意味で、米国株に対するポジションは、長期的にはベアとします。

一方、米国株がソフトランディングする状況になれば、利下げで生じる流動性は新興国を中心に欧州&日本を含むアジアに向かうと考えられます。未だに割高感の有る中国株をどこまで買えるかは微妙ですが、欧州・東南アジア辺りの株式市場は狙い目の気がします。(とはいえ、現在0の中国株のポジションも、そろそろ少し取りたいと思います。)

次に債券については、常識的に見てポジティブと考えたいと思います。利上げを無いと断定する以上、債券のポジションは増したい所です。(でも、資金が..。)

問題は為替で、これが良く判りません。短期的にドル安に振れることは堅いと思いますが、これが進行するか否かは判りません。思い返して、デフレ化の日本では、利下げを繰り返しても円高に推移しましたし..。

そして、為替次第でコモディティの価格も影響を受けると考えます。短期的にはドル安&インフレでコモディティ市場の上昇と言ったストーリーを考えますが、米国経済自体が失速すれば賃金が下がり、インフレも抑制されるかもしれません。

私の現状のポートフォリオでは、東南アジア株は厚いですが、他のエマージング諸国の割合は低くなっており、その分、ゴールド関連の割合が高くなっています。米国株はベアポジション。欧州株は比較的厚めです。キャッシュもまだ残っている状況。

以上を踏まえて、FOMCへ向けての短期的姿勢としては、米国株のベアポジションは一旦外します。そして手持ちのキャッシュ全てを、中国・インドに振り当て、定期預金で動かせない分を除いて、ドルのキャッシュポジションは0にします。南米はもう少し様子見。

ゴールドを中心としたコモディティは当面ホールドします。只、原油に関しては悩ましい所。もしこのタイミングで原油が大きく上昇しようものなら、米国経済的には凶悪な打撃になるはずです。スタフグレーションの可能性も無視できません。米国政府は意地でも原油価格を下へ押さえようとする気がします。ならば、原油のポジションは半分に減らす手も考えます。

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2007年03月20日 02:36に投稿されたエントリーのページです。

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