大方の予想を裏切って、東証は日興コーディアル証券の上場維持を決定しました。多分に政治的な横槍が入ったことは想像に難くありません。確かに、シティグループがTOBを掛けている状況で上場廃止を決定すれば、個人投資家はTOBに応じるより道は無く、二束三文で日本3番手の証券会社を外資に売り渡すことになります。今回、上場を維持したことで、シティはTOB価格を上げ無い限りTOBの成功は在り得ませんし、今後上場廃止される危惧も消えましたから、これまで売られた分の日興の株価は戻してゆくことになるのでしょう。
しかし、やはり今回の東証の決定には納得が行きません。(日興の価値を維持することが目的なら、大証だけでも上場維持させておいて、東証には毅然とした態度を示して欲しかった。)
当ブログのタイトルは「マネーゲーム&ボードゲーム」ですが、これには「マネーゲームの何処が悪い?そもそもゲームを悪者扱いしないでよ」と言う隠れた意味があったりします。ゲームと言う言葉には、私の好きなボードゲームもあれば、スポーツの試合もまたゲームです。単なる娯楽でもあれば、時には真剣勝負にもなり得ます。そして、これらゲームに関する普遍的なことは、プレイヤーが予め定められたルールに則って、勝利を目指して最善と思われる手を尽くすことです。そう言う枠組みで考えるならば、マネーゲームだって極めて健全な勝負です。
しかし、今回の東証の決定は、ゲームのプレイ中にゲームのルールを都合よく変更してしまったことに他なりません。これではゲームは成立しませんし、参加していたプレイヤーは堪った物ではないでしょう。
今回の東証の選択は、自らの市場を鉄火場以下に貶めたことに他なりません。
(東証はさっさとNYと統合して、海外基準に準拠して欲しいです。クルクル変わる日本ローカルのルールなんぞ要りません。)