最近、思うところあって、国内に保有しているファンドの再配分を検討しています。現在国内で保有するファンドの中には、ロクに検討しないまま購入してしまったものや、当時は存在した購入理由が現在は無くなってしまったものがあったりします。まぁ、ぶちゃけた話、海外で買った方が効率的なファンドは海外で保有して、日本で保有するものは日本ならではのファンドを保有したいと言うこと。
..で、特に非効率に見えるのがエマージング株式ファンドや、BRICsファンドの類。国内で販売されるこれらのファンドは、初期費も信託報酬もかなり高めに設定されており、更には成功報酬を取るものすら散見されます。
そこで今回はお安くBRICsに投資できる、所謂、BRICsファンドのETF版は無いかと言う話。1年ほど前までは、BRICと言っても、中国・ブラジルについてはETFが設定されていましたが、インド・ロシアに関しては適当なETFが無く、CEFで代用せざるを得ませんでした。
そこで、今回の「Claymore/BNY BRIC ETF (EEB)」の登場です。昨年9月に設定されたこのETFは、BRIC4ヶ国にまとめて投資できるお手軽な代物です。
EEBが追従するインデックスは「BNY BRIC Index」で、これはADR又はGDRに存在するBRIC4ヶ国の企業から構成されるものです。構成比率の決定論理は良く判らないのですが、時価総額基準をベースに調整が施されている模様です。またインデックスの構成は四半期毎に見直されます。
最新の国別の構成比を見ると、
Brazil 45.88 %、
China 35.79 %
India 13.56 %
Russia 4.77 %
となっており、ロシアの比率が極端に低く抑えられている点に特徴が現れています。
信託報酬は0.6%と、新興国のETFとしては標準的な比率であり、国内のBRICsファンド群と比べれれば、1%以上も低コストになります。またインデックスのバックテスト結果では、5年間のリターンが年利換算33.3%。シャープレシオは1.20で、エマージング株ETFの標準的な成績です。
取り合えず、BRIC4ヵ国のETFを個別に買い込んでポートフォリオを構成するのが面倒な人には、有用なETFと言うことが出来ると思います。(ロシアの比率が少ない辺り、個人的にも好評価です。)
更に、EEBの設定来のリターンを国内で販売される主要BRICファンドと比較した結果を次に示します。(注:EEBは円建てに換算し直して比較しています。)
これを見ても、ボラティリティは高めですが、リターン面では好成績を残しています。HSBCやシュローダーには完全に勝ったと言って良いでしょう。
日興BRICsとの比較ではほぼ互角ですが、ボラティリティを重視すれば日興BRICsの方に軍配が上がりそうです。日興の方の国別構成はブラジルが突出して高く、次がロシアになります。中国はかなり少なめの構成比ですが、A株が含まれている辺りは特徴的です。
改めて日興BRICsファンドを調べてみると、信託報酬が1.76%と、他のBRICファンドよりは若干抑え目に設定されています。また、成功報酬と言ったふざけた追加コストも無く、分配金を殆ど出さない等、結構好感の持てる商品になっています。
長期運用する場合を考えれば、信託報酬の差がリターンに効いて来て、最終的にEEBの勝ちとなる可能性も高そうです。但し、日本で購入しなければならない事情があるなら、日興BRICsファンドはファーストチョイスと言えるかもしれません。