..と言う訳で、日本株のアクティブ投信の購入を真剣に考えるに至った訳ですが、やはり商品の細部を検討してしまうと、どうしても気に入らない所が目に付いてしまいます。
不満の筆頭は信託報酬。1.575%はETFと比べてしまうとやはり高い。これにクレームしたら始まらないのは判っていながら、やはり高いものは高い。今回は特に長期投資を前提にしているので、僅かでも日々のマネージメントフィーは安く抑えたい。
更に気に入らないのが、分配方式。毎月分配と年1回分配の何れかをを選べるなら、もちろん年1回の方が良いのですが、それ以上に分配金を出さずに内部留保してくれるのが理想。しかし、日本の投信ではお国の指導もあって、分配金を極力出す方向にシフトしてしまっています。もしこの「日本株インカム・ファンド」が今後も年利17%で回ったとして、キャピタルゲイン分をすべて配当に回してしまうと、税金分で年間で1.7%のロスとなり、それだけ福利効果が低下します。更に、来年以降に減税措置が撤廃されると、3.4%のロス。
この分配金を出さないケースの年利17%と、3.4%をロスして年利13.6%で回した場合、10年後の騰落率はそれぞれ380%と258%となり、かなり無視できない差として跳ね返えることになります。
こうなると、もう一つ工夫の余地は無いものかと考えてもみたくなる訳です。..で、浮上したのがミニ株を用いたバスケット投資。インデックスに連動させるマイバスケットと言う投資方法については、以前から手段としては存在したわけですが、然してメジャーな手法にはなりませんでした。この理由は幾つかあって、
・売買コストが掛かり過ぎたこと。
・投資単位1/10のミニ株を使っても、かなりの資金を用意しないと、インデックスに正確に
追従することが出来なかったこと。
等がその原因に上げられます。
只、ネット證券のシステムと手数料は日々競争し進歩していますので、この分野でも改善がされている可能性があります。
そして色々と、證券各社のシステムを調べてみた訳ですが、最終的にベストと思われる方法が発見できました。これが、E-Trade證券のS株です。ポイントは以下の通り。
・1株から取引出来るので、限られた資産でもインデックスへの追従が容易に可能。
・以前に比べて、手数料が大きく割引されていた。1取引当たり、税込みで0.63%で、
最低手数料の設定なし。
単に売買手数料だけを見れば、日興や大和などの方が安くなる可能性があるのですが、以後のポートフォリオのメンテナンスを考えたとき、少数株数の取引が可能なことは、柔軟な運用が可能となり、メンテナンスコストも安く上がることになります。
このS株を用いたマイバスケットシステムを投資信託風に整理すると次のように対比することが可能です。尚ここでは、ポートフォリオをインデックスに追従する為に、1年間で資産の1/3を売買する必要があると仮定します。
・最低申込金額:不定(組み入れる株式の単価次第)
・購入時手数料率(税込):0.63 %
・信託報酬及び監査報酬(税込):0.21 %
・解約時手数料率(税込):0.63 %
・決算日:なし
・配当金:なし
解約時の手数料が高めになるのが難点ですが、それ以外は投信としてみればかなり優れた長期投資向きの商品と見ることが出来ると思うのですが、如何でしょう?
(注:ポートフォリォを調整する段階で利益確定が発生する可能性があり、その分は税負担が発生してしまいます。出来れば、定期的な積立を行い、インデックスへのトラッキングはその追加分の資金で賄えば、無駄な利益確定を避けることが出来そうです。)