今週の相場状況は振り返ってみるとジェットコースター状態。先週末より米国を皮切りにして、世界的な長期金利の上昇傾向が強まり、結果的に債券相場と株式相場の両方が大幅な下落となりました。特に米国10年債の金利上昇が急峻で、チャート上の上値抵抗線をブレイクし掛かり、長期的に下落傾向にあったトレンドが、上昇トレンドにハッキリと転換して来ていることを感じさせるものでした。
これを受けて、NYの値崩れ状態は長期的な調整入りすら感じさせる危険な状態でした。しかし、辛うじて金利上昇にストップが掛かり、週末の物価指数も市場予測通りでインフレ懸念も後退、一旦は金利も下落傾向に入ったことから、株式相場も反発をしてくれました。
東京市場もこれを受けてかなりセンチメントが悪化し、不動産セクタや公益セクタなどの、金利上昇に弱いセクタが大きく売り崩されました。しかし、下値抵抗線が機能したこともあり、外国株に比べて下落幅は限定的だったと思います。結果的に米国長期金利が一服したのに呼応して、日本国債の利回り上昇もストップが掛かり、週末2日続けてのGUとなっています。
更に、金曜日の引け後に日銀の政策決定会合を受けて福井総裁の会見があり。今回、利上げが無かったことは当然として、7月の利上げに関しても毎度恒例の「予断を持たずに臨む」としたことから、今回は何時もとは逆に7月の利上げには消極的と判断され、これも金曜夜のNYの上昇に一役買った様に思います。
思うに、今回福井さんがいつもとは逆にタカ派発言をしなかったことについては、急激な長期金利の上昇が経済面で危険であることを、真剣に憂慮したのではないでしょうか。米国市場の先行きにも若干の懸念を示していますし..。
市場的には8月利上げを織り込んで来ていることから、ここで無用な波風を立てて金利上昇を煽るよりは、落ち着かせる発言をして、日銀としては粛々と8月に利上げを敢行する作戦ではないかと思ったりしております。
さて、これを受けての来週の作戦ですが、先ず月曜日がGUスタートすることは確実です。CMEの終値が18180円なので、これに鞘寄して始まるのは確実です。しかし、こうなると三空叩き込みが出来てしまうので、チャート的には売りを誘うかもしれません。理想的には18008円の窓を埋めてから上昇して欲しいのですが、逆に18180円を越えてスタートする様だと、寄天の可能性もありそうです。但し、世界的には同時株高の様相も呈し始めて来ているので、大きく売り崩ずされることもないと楽観もしています。
寄付きの日経平均が18180円を付けてしまうとすれば、次の上値抵抗線は日足で見たときの18240円近辺ですが、これはあっさりと破れそうな気がします。更に、次の抵抗線は週足で見た時の18580円ですので、当面はこれを目指す展開を期待したいと思います。
..と言う訳で、東京市場についてはブル継続です。一方、NY市場に関しては悩ましいところですが、こちらは中立から強気ポジションへと転換中です。QIDを損切りして、ポジションを半分に落とす一方で、資金退避させていたDBVを利益確定して、新興国系のETFとグローバル系のETFのポジションを回復させています。新興国に関しては中国・南米辺りの戻りが強く、シンガポール・マレーシアの戻りは重いことから、今回はEEBを買ってみました。
あと、新規に組成されたPIOも試し買いしています。水関連については世界的な投資テーマですし、同種のPHOの値動きが良いことから、グローバルなPIOは更に期待できる気がします。