先週より、Claymoreにて新たに組成されたETFです。
本ETFのポイントはタイトルの通り「Country Rotation」。ローテーションと言うと、一般にはセクタ・ローテーションを想像しますが、このCROでは、エクスポージャーする国を定期的にローテーションし、構成比率を見直すことで、高リターンを目指そうと言うワケです。(ちなみに、セクタ・ローテーションをテーマにするETFとしては、以前のエントリーで紹介した「Claymore/Zacks Sector Rotation ETF」があります。)
要は、一種のグローバルETFであり、より好調なマーケットに比重を高めて投資をしようと言う代物です。ここで、もう少し具体的にトラックするインデックスの構成方法を見てみると次の通り。
・投資対象国はギリシャを除くEAFEの構成国にカナダを加えたもの。
・具体的には、オーストラリア・オーストリア・ベルギー・カナダ・デンマーク・フィンランド
フランス・ドイツ・香港・アイルランド・イタリア・日本・オランダ・ニュージーランド
ノルウェー・ポルトガル・シンガポール・スペイン・スェーデン・スイス・英国。
・各国への投資比率は、各国のマクロ経済の指標に応じて数値化し決定する。
(詳細不明)
・インデックス全体に占める各国の投資比率は0%~45%とする。
・各国の投資比率が決定したら、更にその国に属する投資先企業を決定する。この時、
投資先/比率の決定には成長性・流動性などを数値化して決定する。(詳細不明)
・各国への投資比率は半年毎に見直しを実施する。
そこで、現在の具体的な構成比率をみると次の通りとなっています。(TOP5のみ記述)
【Claymore Zacks Country Rotation ETF (CRO)】(2007/07/03)
(1) 英国:25.00%
(2) オーストラリア:12.83%
(3) 香港:10.68%
(4) スイス:9.00%
(5) スェーデン:8.33%
ETFのファクトシートを見ても、インデックスのバックテストデータは掲載されておらず、現時点でファンドの成績を推測することは困難です。唯一できることは、ファンドの構成比率を見てトータルリターンを想像すること位でしょう。
そこで、他のグローバルETFの国別構成状況と比べてみました。
【MSCI EAFE Value Index Fund (EFV)】(2007/03/31)
(1) 日本:23.39%
(2) 英国:21.99%
(3) フランス:9.10%
(4) ドイツ:7.68%
(5) スイス:7.03%
【Vanguard FTSE All-World ex-US ETF (VEU)】(2007/05/31)
(1) 英国:16.90%
(2) 日本:15.60%
(3) フランス:8.50%
(4) ドイツ:6.04%
(5) カナダ:5.02%
【WisdomTree DEFA High-Yielding Equity Fund (DTH)】(2007/07/13)
(1) 英国:27.37%
(2) フランス:15.33%
(3) オーストラリア:12.46%
(4) イタリア:9.95%
(5) ドイツ:6.62%
上記ETFはそれぞれユニバースが微妙に異なるので、単純比較するわけにも行かないのですが、それでも、CROが他の時価総額ベースや配当金ベースのETFとはまた異なるエクスポージャーを持っていることが判ります。
後は、どの様な成績を収めるものか、1年後の成績発表を待つよりはありません。..とは言え、キワ物好きの私としては、ちょっと仕込んでみたいと思わせるファンドだったりします。因みに、信託報酬は0.65%と、WisdomTreeと比べてもちょっとお高め。それに見合うだけのアルファを出せるか否かがポイントです。