今回もまたマニアックなETFのネタ。
「Claymore/Clear Spin Off ETF (CSD)」はClaymoreより組成された米国株を対象としたETFです。組成されたのは2006年12月15日で、約半年前。..で、今日までの騰落率は年利換算すると44.99%。米国株を対象としたセクター別ファンドでは無いETFとしては、ちょっと抜けた成績を収めてます。
さて、このETFのキモは何かと言うと、タイトルにある「Spin Off」。即ち、本ファンドでは大手企業からスピンオフした企業(切り離されて別会社となった企業)が、追従するインデックスの構成要素になります。
もう少し具体的にインデックスの組成方法を記すと次のような感じ。
(1) 過去2年間の間にスピンオフされた米国企業の株式をピックアップ。
(2) ピックアップされたリストから、定性的な数値化を実行して、上位40社を選択。
(3) 数値化は次のようなデータを基礎にして実施される。
・PER
・成長率と収益の比率
・ROE
・収益の安定性
・フリーキャッシュフロー
・成長性
・流動性
(4) 1銘柄の最大構成比率は5%迄とする。
(5) 半期毎にリバランスを実行。
要するに、この数年間にスピンオフされた企業の中から成長性の高い企業をピックアップしようと言うこと。
設定来の成績がかなり良い訳ですが、インデックスのバックテスト(2000年以来)を見ると、ボラティリティが高く、2000年~2002年のITバブル崩壊時期には相当な打撃を受けてます。
2000年12月31日~2006年12月31日までの6年間の平均年利回りは12.37%で、シャープレオは0.38と微妙な成績となっています。(恐らく、2002年以降で計算すれば平均利回りは30%を越える筈です。)
正直、ちょっと値動きの荒っぽいETFなので、相場の行き先が不透明な段階では手掛け難いETFだと思います。逆に、地合の良い時には高リターンを叩き出す可能性を秘めてはいます。
もう1つ、バックテストのチャートを見ていて思いつくのがペアトレード。Midcap-GrothクラスのETFをショートする一方で本CSDをロングすれば、上手く差益が取れるかも。例えば、Midcap-GrothのベアETFであるMYYとCSDを併せて仕込むなんてのは如何でしょう?出来れば、もう少し長期の実運用成績を見てみたい所です。