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更に悪夢の1週間

もはや、「悲惨」とか「酷い」とか言う形容詞では表現できないほどの惨状。本業の忙しさがピークなこともあって、場中の様子を見ることが出来ていないのですが、これだけメチャメチャな状況だと、寧ろ見られなかったことが、精神的には良かったかも。

漸く重い腰を上げて、ポートフォリオのリターン状況の精査が終わりました。先週一週間のポートフォリオ全体の傷みが-5%。直近のピークから数えてのドローダウンは-9.5%に及んでいます。結局、年初来の利益は全て吹き飛ばし、12月初の状況まで巻き戻りました。orz

まぁ、現物オンリーなので、マーケットから退場させられることもありません。気を取り直して、ここからもう一度出直すことにしましょう。

先週は月曜日に銀行業ETFを処分しています(これはこれで成功でした)。計画ではこの資金を新興国ファンドへ振り向ける予定でいましたが、暴落の嵐に動くに動けず..。結局、木曜日の暴落1波目を見たところで、金曜日に「1Q上方修正バスケット」を資金の1/3だけ買い益しました。残る2/3は今週、火曜日と水曜日の2日に分けて買い増したいと思います。(火曜日と水曜日あたりで、先週末の暴落による追証の強制決済が出ると思われ..。)


さて、焦点はこの暴落がどこで落ち着いてくれるかと言うこと。金曜の晩に米国が公定歩合の0.5%引き下げを発表したことで、NY市場は取り合えず反発して終わりました。CMEの日経先物も16000円を回復した後に少し下げて終了。これを見る限り、月曜日の東京市場の寄付きが大幅高となることは確実です。

気がかりなのははこの魔法の効果がどこまで持続するか判らない点。公定歩合の引き下げは、弱った体にニンニク注射する効果はあったものの、体を衰弱させた本当の真因にメスを入れるものではないですから..。「流動性の回復」・「金融システムの維持」については断固たる対応を取ると言う、FEDの意思は示されましたが、ヘッジファンドの破綻は出尽くしていないと思います。一気にマーケットの雰囲気を悪化させるニュースが何時吹き出さないとも限りません..。

今回の公定歩合の引き下げに関しては評価が2分している様に感じます。私のようなシロート投資家には、これらの評価は出来ませんから、ネット上の情報を頼ってその効果を把握するよりありません。議論のポイントはFFレートでは無くて公定歩合を引き下げたと言う点。これを、「中途半端な対応策」と見る向きと「実はよくよく練られた作戦」と見る評価に分かれています。もちろん何れが正解なのか、私なんぞに判る由もないのですが、結果的に金曜日のNYが反発したことから、市場には一定のインパクトを与えたものと考えて良いと思います。伝家の宝刀を抜くことなく、戦果を上げた訳ですし、まぁ結果オーライと言えるのでは無いかと..。

ところで、もう1つの大きな問題は円高。一時は111円台まで進みましたが、公定歩合引き下げのニュースと前後して戻し、現在114円台。米国の公定歩合の引き下げが円高を止める方向に効く理由は良く判りませんが、行き過ぎた相場が揺れ戻す過程と理解しています。
非常に感覚的ですが、円相場の平衡点は115円付近なのではないかと思っています。現在、円-ドルの金利差が約5%ある状況ですから、キャリートレードを120円でスタートしたとして、為替で-5%下がると114円。ここで損切りが入ることで今回の如き急速な巻き戻しに繋がるんでしょうけど、資金の流れが安定化すれば、115円までは戻ってくると思います。115円近辺では日本企業のドル買いも入ると思いますし。

今回の円高で企業業績の下振れが懸念されてますが、キャノンやソニーの為替予測が円安に偏りすぎているのであって、大半の企業は115円かそれ以下の保守的な為替予測を立てています。115円水準で留まれば、下方修正に直結することはないでしょう。まぁ、上方修正への期待は剥げ落ちるんでしょうが、今の株価水準はそれ以上に遥かに売り込まれていると思います。

懸念されるのは、日銀の動向でしょうか。8月の利上げは吹き飛んだと思いますが、福井さん得意の「空気の読めない発言」だけは勘弁して欲しいところ。

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2007年08月19日 18:26に投稿されたエントリーのページです。

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