政治のゴタゴタも福田さんの総裁選出馬で闘わずして趨勢はすでに決した模様。こうなると、ゴミ投資家として気になるのは証券税制の行方。福田さんはどちらかと言うと財政再建論者だと思うので、証券税制の税率軽減の延長or恒久化の期待はかなり薄くなりそうです。(渡辺金融大臣の留任も無いでしょうし..。)
そこで、税率軽減が無くなることを考えると、今後は可能な限り利益確定をしない長期投資が望ましいことになります。そして、この場合の選択肢として浮上するのがバランスファンドです。ポートフォリォのバランス調整をファンド側で行ってくれれば、自力でアセットアロケーションを調整する必要が無く、無用な利益確定とそれに伴う税金の支払いが回避できます。
ならば、どのようなバランスファンドが望ましいかと考えれば、次の様な項目がポイントになって来ます。
・グローバルな資産分布をトラッキングすること
・信託報酬が安いこと
・毎月分配の様な、税法上長期投資にマイナスとなる分配を行わないこと
..でもって、これらの条件から現状で著名ファンドをピックアップしてみると、概ね次のファンド等が候補として浮上してきます。
(1) セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド
(2) マネックス・資産設計ファンド<育成型>
(3) ブラックロック・グローバル・フレキシブル・バランスファンド
(4) 野村・マイストーリー・株50
まぁ、他にも色々あるにはあるんですが、これらと大きく異なる商品は然して無いかと思います。(補足:マネックスやマイストーリーの様に、同じシリーズで複数のアセットアロケーションパターンが有る場合は、株式の比率が50%に近いものを選んでます。)
まず、コスト面について考えると、セゾン・バンガードが信託報酬の安さで、頭一つ抜け出ています。只、このファンドの中身はバンガードのETFを用いたFOFなので、「直接海外口座で同じETFを買えばその方が安上がり」って言う話にはなるのですが、本エントリーの主題は飽く迄も国内で投資する場合が前提なので、この作戦は取り合えず無しとします。
一方、この手のバランスファンドは、アセットアロケーションの組み方自体が商品のセールスポイントの1つなので、どのアセットアロケーションが優れているか断じるよりは、自分の好みに合ったファンドを選ぶことが肝要になってきます。
..とは言え何かしらパフォーマンスを比べて見たくなるところ。そこで、本エントリーは上記4つのバランスファンドについて、8月以降の急落局面でのリターンの状況を比較してみることにしました。
本チャートは8月1日をスタートにして、基準価格の推移をプロットしたものです。8月後半の急落局面では下がり方に差がみられたものの、現時点ではその差はかなり縮まって来ています。このリターンの差は正にアセット・アロケーションの違いに拠るものなワケですが、この短期間のパフォーマンスだけを見て、ポートフォリオの優劣を断じるには無理があります。
寧ろ、興味深いと思ったのは円建てに換算したS&P500(茶色の線)との比較。本来、バランスファンドは資産の分散によりボラティリティが低く抑えられることが期待されるのですが、今回の信用収縮局面では、株式(S&P500)の価格変動以上に各ファンドのリターンはバラツイています。
この原因を察するに、今回の暴落は債券市場の異常が発端であり、特にハイイールド債の暴落を伴っています。その為、本来ならば緩衝作用を齎すはずの債券部分のリターンが株式以上に悪化してしまい、トータルのボラティリティを高めたものと思われます。
何やら、取りとめの無い話になってしまいましたが、アセットアロケーションの優劣が軽々には判断することが出来ない以上、コストの安い「セゾン・バンガード」を選択しておくのが、現状のファーストチョイスだと思います。
逆に、アクティブ運用の可能性について否定しない派の人ならば、運用方法の自由度が高い「ブラックロック・グローバル・フレキシブル」は面白い選択かもしれません。(信託報酬は高めですが..。)