エマージングソブリン債への投資を考えた場合、ファーストチョイスは"PCY"で揺るがない所だと思うのですが、もう1つ気を惹かれるファンドがあったりします。それがこの、Morgan Stanley Emerging Markets Domestic Debt Fund (EDD)。
まず、このEDDですが、残念なことにETFでは無くてCEFです。では、何が魅力的かというと、現地通貨建てのソブリン債へ投資すると言う点。PCYは米ドル建てのソブリン債を投資対象にしていますが、こちらは現地通貨建て。即ち、債券の利回りに加えて為替の変動にも大きな影響を受ける訳で、もし将来的な米ドル安を予想するならば、PCYよりもEDDの方がリターンが大きくなってきます。(もちろん、逆もまた真なりですが..。)要は、バラツキがあっても、リターンを追求したい人にはEDDの方が面白い銘柄となるでしょう。
ここで、EDDの詳細を改めて見て行きます。まず、投資対象ですが、規約上はソブリン債に限定されている訳ではありません。社債への投資も可能です。尤も、現在のポートフォリオ構成を見る限り、ブラジル国債を筆頭にして7割方はソブリン債が占めています。
信託報酬は1.09%なので、ETFと比べると若干高めですが、日本国内で売られるエマソブ・ファンドに比べれば割安ですし、他のFixed Income系のCEFと比べても比較的安い方と言えると思います。
ここで、投資債券の平均利回りと平均デュレーションを知りたい所なんですが、モルスタのサイトを見ても、これら詳細情報は提示されていませんでした。(保有債券からあるていどの推測は出来ます。)
また、流動性は意外と高くて、Income系のCEFとしては寧ろ良い方とも言えるでしょう。少なくとも、約定に苦労する様な事態にはならないと思われます。
最近では、かのウォーレン・バフェット氏がブラジル・レアルをロングしていると言う噂も聞こえてきます。しかし、真似してブラジル国債に投資したいと思っても、なかなか良い方法がありません。ならば、このEDD辺りで我慢しておくのも一つのやり方ではないかと...。