「絵を描いてもらおうと思う」突拍子も無いことを言い出した旦那に驚く嫁さんを連れ立って、早々に画廊へと出かけました。(だって、画廊なんて生まれてこのかた入ったことが無いワケで、1人で行くのは流石にビビリますもんね。汗)そして、我々が向かった小さな画廊で待っていたのは、とても話好きなオーナーでした。
「絵画なんて今まで買ったことも無いし、画廊に来ることだって初めてですぅ。」
素直に白状した私達に、オーナーさんは色々なことを教えてくれました。それは、現代アートを取り巻く環境や、画廊と作家さんの関係、等々、多岐にわたるお話でした。
「世界的に現代アートにはブームの兆しがある。でも、日本は遅れている。」
「その原因の1つは日本の画廊システムにある。」
「画廊には2つの種類がある。それが貸し画廊と企画画廊。」
「貸し画廊は作家からお金を取って場所を提供する。要するに不動産屋。」
「企画画廊は出品料を取らずに個展を開催する。要するにプロモーター。」
「貸し画廊はリスクを取らない商売。それが画廊の大半を占めている。」
「日本には企画画廊が少な過ぎる。だから、新人が世に翔くことが出来ない。」
「現代アートは決して高くない(特に新人作家は)。大人のお小遣いで十分買える。」
「優良な企画画廊で、気に入った作品を探すのが、最も上手なアートの買い方。」
時間を忘れて話に聞き入りました。まぁ、多少のポジショントークは入っているとは思うのですが、その主張は概ね理解できるものであり、大変参考になるものでした。
そして、最終的に作品の作成を依頼しました。納期はおよそ1年待ち。ちょっと心配していたお値段も幸いにも許容の範囲。長手長さ1m程度のサイズ(初めてのくせにデカイ絵を頼んでるし..)をオーダーしましたが、お値段は単元100株のちょっとした銘柄1枚程度でした。この位のお値段であれば、必要なときに何かちょっと売れば資金は用意できそうです。
(⑤へつづく)