先週末のマーケットを見ると、「そろそろサブプライムローン問題も底が見えてきたのではないか?」と思わせる雰囲気も無いではありません。それならそうで、また次の一手を考える必要が出てきます。そして今、ちょっと注目しているのが、CEF(Closed-End-Fund)のディスカウントレートと分配利回り。先の急落局面から必要以上に売り叩かれてしまい、ディスカウントレートが上昇し、かつ、配当利回りも上昇しているファンドが多数見られます。基本的にETF派の私ですが、CEFが割安に放置されるなら、それに乗らない手は無いのではないかと...。
さて、CEFのディスカウントと利回りを調べようと思ったら、ETFConnectのサイトを使用する方法が手っ取り早い。Premian/DiscountとYeldのそれぞれでソートできるので、割安に売り込まれているファンドを容易にスクリーニングすることが出来ます。
..でもって、割安なファンドを探してみたワケですが、なかなか強烈に売り込まれているファンドが多数見つかります。しかし、そこはダテに売り込まれている訳でもなくて、結構胡散臭いものも混じってたりします。特にCDO等のサブプライムローン問題に関わってそうな資産を含むファンドは、さすがに怖い。いくらディスカウントレートが高くても、そもそもプライシングそのものが怪しいのでは、割安なのか割高なのか判りません。正に玉石混合。逆に言えば、「サブプライムローン問題とは無縁そうなファンドで、割安な水準まで売り込まれているファンドを探せば良いのでは?」と言う話でもあります。
以下、私が惹かれた割安と思われるCEFをピックアップするとこんな感じ。
(1) Morgan Stanley China A Share Fund (CAF)
筆頭はコレ。所謂、中国A株のCEFです。サブプライムローン問題とは別に、中国市場の急落を背景にして売り込まれてます。A株自身がバブル気味でしたので、下落も止む無い状況ですが、現在のディスカウントレートは-28.26%で、相当な割安水準と見ることが出来ます。(ちなみに、週末の急騰前の時点では、ディスカウントレートが-30%を越えていました。)中国市場の調整もそろそろ終わりと見るなら、FXIを仕込むよりもこちらのCAFの方が投資妙味がありそう。
(2) Morgan Stanley Emerging Markets Domestic Debt Fund (EDD)
所謂、エマソブを投資対象とするファンドです。現地通貨建てなのがポイント。これは、私が従来から保有していて、含み損を抱えてしまっている銘柄ですが、現時点でのディスカウントレートは-12.73%に達しており、一方で配当利回りは12.11%もあります。サブプライム問題から債券への投資は二の足を踏む状況ですが、本ファンドの保有銘柄の殆どはソブリン債なので、サブプライムローンによる汚染はほぼ無いものと思われます。
(3) Morgan Stanley Global Opportunity Bond Fund (MGB)
これも、モル・スタが組成する債券ファンド。ディスカウントレートは-14.04%に対し、配当利回りが13.53%と、EDDよりも更に割安です。投資先は新興国を含むグローバル市場で、投資対象もソブリン債を中心に社債などにも投資されます。投資範囲が広い分だけ、変な資産が含まれていないか不安がありますので、その分EDDよりも割安なのかも?只、EDDに比べて運用実績が長い点は評価できます。
(4) Evergreen Global Dividend Opportunity Fund (EOD)
エバーグリーンが組成する、グローバル好配当株ファンド。投資対象は欧米を中心とした、公益・エネルギー・通信セクターの株式です。現在のディスカウントレートは-14.54%、配当利回りは12.2%と相当な割安。保有資産を見ても特にサブプライムローンとの関連は見当たらず、なぜココまで売り込まれているのか、ちょっと理由が判りません。流動性もそこそこあり、特に問題は無い様です。なにか見落としているポイントがあるのか、それとも単なる売られ過ぎなのか、気になります。仕込んでみたい気はしますが、ちょっと悩ましい感じ。