順調に戻り基調を示してきた世界の株式相場でしたが、先週からはまた雲行きが怪しくなってしまいました。発端は米国で始まった決算発表だったと思います。アルコアの決算が不信だったことを受けて、景気の後退がいよいよ現実のものと意識されて来ています。
尤も、米国の景気がリセッションに入っていると言う話は、それほど新鮮なものでも無いと思います。それもあってか、アジアを中心に先週の株価は比較的堅調な値動きで、「今更ながらのデカップリングですか?」と言った感じです。また、「週末のG7で何か発表されるのでは?」と言う期待感も相場を支えたかもしれません。
一方で、想定外だったのがGEの決算。このGEショックを受けて、週末のNYは大幅な下げとなってしまいました。CMEの日経先物の終値は13055円となり、週明けの東京市場は再びGDのスタートとなることが確実な情勢です。
しかし、今週の動きは全くの予想不能です。
・市場はGEの決算を深刻な景気後退と捉えるのか?
それともGE1社の金融政策のトラブルと捉えるのか?
・G7を受けてドル高是正の介入が行われるのか?
・本気で米国は強いドルを望んでいるのか?
・17日のメリル、18日のシティの決算発表の内容は?
更なる不安を呼ぶのか、悪材料で尽くしとなるのか?
なんか、上にも下にも、どっちに大きく触れてもおかしくない情勢です。東京市場としては、為替相場が重要なのは間違いなくて、介入によるドルの買い支えの気配が出たら、日経も再び上を目指すものと予想しています。逆に、再び100円を割り込むようであれば、日経12500円割れの水準は覚悟する必要がありそうです。
さて、そんな中での先週のトレードの状況です。まず、日本株ブル2.5倍日本株ポートフォリオ」のキャッシュファンドへのスイッチングを更に進めました。月曜日と金曜日に高いところがあったので、比較的逃げ易い状況だったと思います。
もう1つ逃げたのが、「1Q好決算銘柄バスケット」。元々、運用開始時点から本決算が始まる4月中旬までに精算する計画でしたので、ここで生産するのはあるいみ予定通り。結果的にはTOPIXを下回る成績となり失敗に終わりました。想定外だったのは、相場全体が悪くなり、追加の上方修正が出ても利益確定の材料になってしまったこと。また、構成銘柄の多くが外人投資家の比率が多い銘柄だったことで、サブプライムの余波を受け易かったことでした。
尚、本バスケット運用を一旦精算することとしましたが、実際は「島精機製作所・JUKI・生化学工業・日野自動車・コニカミノルタ」の5社を処分し、「ダイキン工業・グローリー・スタンレー電気・富士フィルム・アイシン精機」の5社は継続ホールドとしました。残した5社は、何れも長期保有に耐えられる銘柄と判断したもので、今後はあと数社増やしてグロース銘柄のバスケットとして運用をすることを考えてます。
次に海外の方ですが、最も大きな変更として、長期保有してきた「Franklin Mutual European Fund」をスイッチングして、「Franklin U.S. Opportunities Fund」に乗り換えました。考え方としては、「そろそろ欧州(と言うかユーロ高)に限界を感じて、ユーロ資産から逃げておこうと考え、乗り換え先としては、先に下げている米国を選択した」と言うものです。
Fundの乗換えを考える場合、ETFと違って手数料が痛いので頻繁な変更は出来ません。なので、変更するにしてもあるていど長期的な視点で考える必要があります。その意味で、米国株の選択がファーストチョイスだったのですが、今の不穏な状況で米国株のポジションを増やすのもちょっと怖い。..と言うワケで、これをヘッジする意味で、QIDを併せて少し買っておきました。(要するに両建てって奴です。)
あとは、DGSがイマイチ下げず買場が見つからなかったので、代わりにEWTの買い増しを実行しています。
そして、今週の予定ですが、嵐を予感させる1週間なので、基本的には身をかがめて嵐をやり過ごしたいと思います。只、日経が12500円を割って一服感が出たら、キャッシュファンドに逃がしておいた資金を再びブルファンドへスイッチングします。
同じく、海外の方も様子見の予定ですが、流れによっては台湾関連の株式を買い増すことは考えてます。具体的にはEWT・DGSの買い増しか、CHNの新規購入を候補にしたいと思います。