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2007年01月12日

マルカキカイ

東証1部への昇格にも関わらず、割安に放置され続けているマルカキカイですが、どうしたことか本日突然の急騰。原因は株式新聞の提灯記事と、本日引け後に予定される決算への期待によるものでした。

その決算発表結果ですが悪くありません。と言うか、大きなサプライズは無いですが普通にイイです。

今日の引値1665円で評価して、06年度のPERが10.69倍。07年度の予想で10.38倍です。今期予想は控えめですが、同時に発表された中計では08年度のPERが9.19倍になります。

ついでにPBRも現時点で1.46倍とこれもまぁ割安と言って良いレベル。PER*PBRを計算すると、15.15で、これも割安投資基準の22.5を大きく下回ります。(株主資本比率がちょいと低めですが、商社としてみれば、こんなもんでしょう。)

天下の東1上場企業の株価が、何故にここまで割安に放置されているのは全くの謎で、継続的な収益予想からしてPER=15倍はあっても普通におかしくありません。ちなみに来期PER=15倍で株価は2400円でPBRは2.1倍。これくらいは射程距離と考えてよいでしょう。

問題は何故ここまで放置されてきたのか?単純に安定的な業績確保への疑問であれば、今回のIRでもかなり改善される筈ですが、単純に地味で目立たないことが問題だとすると、今回の反発も短期収束してしまうかもしれません。(そういや、杉本商事も放置され続けてるしなぁ..。)

■株価1665円に対する今期指標値

 PER: 10.39倍
 PBR: 1.46倍
 PCFR: 4.73
 PFCFR: 11.11
 経常益利回りの逆数: 9.22
 ROD: 13.64%
 ROA: 4.85%
 売上高経常利益率: 5.74%

2007年01月15日

昭文社

ゼンリンと並ぶ地図を扱う専業企業。1月11日に打診買いしたので、その買い付けメモ。

典型的な低PBR(0.68)かつ高財務のバリュー株。1400円前後で長期間の調整を経た後、13週移動平均線が上向きに転換。トレンド変更の気配があるため、打診買いを実施。

株価がPBR=1倍の2139円を目指せば、その時点の予想PERは約40倍。収益性からは割高だが、ゼンリン並に買われるならPER=40倍も許容範囲。問題は、ゼンリンがカーナビゲーションの主要シェアを握っているのに対し、昭文社はカーナビの分野に完全に出遅れたこと。この差が両社の全て。

今後、昭文社もカーナビ分野への進出を始め、ソフトウェア化に適応して行ければ、ゼンリンとの差は縮めて行ける可能性もある。

技術的には他社の参入障壁の高い業種であり、売上高経常利益比率も悪くない。決して斜陽産業ではなく、GPS技術と連携した利用を考えれば成長産業と成る可能性もある。以上より、現在のPBR=0.68倍は安すぎると判断する。

2007年02月05日

UEX(ウェックス)

■3Q決算にて上方修正を発表に付き覚書

非鉄金属商社。特にステンレスの扱い量で日本一。チタン扱いのシェアも一応多いが、業績上の寄与は然して多くない。

割安株の代表的な銘柄で、2006年初はPERが10倍以下でPBRも1倍以下と、考えられない割安状態に放置されていた。この原因は多分に市況に影響を受け易い企業体質が嫌気されたものと思われる。株主資本比率が低く、財務的な弱さは感じられるが、商社としてみると特別違和感がある値でもない。

銅を筆頭とする非鉄金属市況全般の高騰も、その後、銅の暴騰は小休止したが、遅れて高騰を開始したニッケル市況は2007年現在もタイトな需給が続いており、価格が落ち着く気配は見えていない。

ステンレスの主原料の1つであるニッケル高騰を受け、原料費の増加はUEXにとってはマイナス要因となり得たが、市場の設備投資意欲を受けてステンレスの需要が増加したことで、材料費アップをコストへ転嫁することに成功。売り手市場による、大幅な営業益のアップを達成。

2007年3月期としては、ここまで2回の上方修正を実施。都度、倍々で利益予想を修正し、年初予定に対して4倍の利益予想値にまで上昇。上方修正の度に株価は急騰しているが、PERは未だに10倍以下の水準となっている。(現時点でPER=約6倍)

配当政策も株主への配慮が見られる。今期から中間配当を実施すると同時に、年間配当を20円から60円に大幅アップさせている。(現時点の配当利回り=約2.5%)

ちなみに、株価の低迷が続いていた今期初旬、株主に対して株価上昇に向けての施策として、会社として何をすべきかアンケートが実施されている。(回答すると500円のクオカードが貰えました。)
アンケートの結果は公表されていないが、増配・中間配当などの要望があったことは想像に難くない。これが、現在の配当政策に与えた影響が何処まであるのかは不明だが、経営者が株主を軽視していないことは充分に推察された。(私の場合、このアンケートが来たことで経営者を見直し、当時既に処分していた株式を買い戻しました。但し、期初にはM&Aの案件があったので、買収防衛の意味があったのかもしれない。)

今期予想EPS=400円、年配当=60円であることから、従来レベルの割安度としても、株価3200円は充分に達成可能と予想する。ニッケル市況が高値を維持すれば4000円台の可能性も。

2007年04月19日

シンワアートオークション

この銘柄、今週に入り急落しています。急落のトリガは先週末に開催されたオークションの売り上げが昨年比でマイナスだったこと。この結果を見て、会社の通期予想の甘さが改めてクローズアップされ、買い手不在の相場に陥っています。

実はこの銘柄、私は投資先として検討していました。私が考えたのは..

 ・今後、日本は資産インフレの方向へシフトすると予想していること。
 ・海外では美術品への投資が盛んに行われていること。
 ・中国を始めとしたアジアの作家の価値が急騰していること。
 ・在庫を持たない身軽な運営が可能なスキームであること。
 
基本的に有利な条件が揃っており、後は美術品オークションの市場が広がることで、会社業績の上昇が期待出来ると考えていました。


そこで、投資の是非を判断するためと、好きな現代アートの見物をかねて、先週末のコンテンポラリーアートオークションを見てきました。(落札する気は始めからなかったので、参加してきたとは言えませんが..。)

..で、その成果ですが、「この会社は投資対象としては不適格である」と言う結論が得られました。オークション自身はそれなりに盛り上がっていた様に思います。終盤は1000万円を超える落札が続き、庶民の金銭感覚を完全に破壊してくれました。(笑)

まぁ、それはそれで良いことなのですが、問題はオークションの運営。信じられないくらいダメダメです。顧客第一主義と言う考え方は、この会社には存在しない様です。一部の大口の画廊だけを相手にしていれば良いと考えているなら、継続的な業績の向上は期待できません。マーケットを広げる努力をしないならば、現在の割高な株価を正当化することは出来ません。

以下、目に付いたダメダメな運営。

 ・Webサイトでは混雑するので早めに来る様に促していながら、受付開始は開始の
  30分前。お客さんは外で待たされてました。受付は30分では終わらず、結局
  開始が遅れることに。
  
 ・会場の席の数が全く足りません。半数の人は2時間ほど立ちっぱなし。事前に
  チケットを事前配布している以上、参加者の数は予想できるはず。あまりにも椅
  子の数が少なすぎます。(もし私が立たされてたら、即座に帰りました。)
 
 ・ついでに、椅子がしょぼい。パイプ椅子に2時間も座ったら腰がたまりません。
  お年寄りには更に堪えたことでしょう。(それなりに参加者には資産家の方も
  居るでしょうに、庶民でも呆れちゃう設備です。)
  
 ・社員があまりに使えない。沢山いるのに、誰一人案内もなにもしない。突っ立っ
  てるだけ。挨拶も会釈も出来ない。(時代遅れの画廊的感覚?)
 
 ・一部の大口を明らかに偏重している。それ自体は理解出来ますが、参加者を増や
  すことを考えるならば、それなりにさりげなくやる気配りは必要でしょう。逆に
  言えば、大口さえ大事にすれば、後は如何でも良いと言う雰囲気がミエミエです。
  
細かい点を入れれば、この何倍も改善点を挙げることが出来ます。私がフロアマネージャーなら、多数の社員を説教することになったでしょう。一般人にとって、次も積極的に参加したいと思わせる運営ではありませんでした。商売で参加する人や、コアな美術品コレクターは参加すると思いますが、これではマーケットの拡大は期待できません。

でも、きっとこの会社には永遠にそれが解らないと思います。そういう会社であることが良く判っただけでも、直接見てきた価値がありました。こういう姿勢は、株主に対しても変わらないと思います。恐らく、大株主だけは大事にして、個人株主数を拡大する努力などは思いもしないことでしょう。

現在の株価の崩落も当然の成り行きに思えています。

2007年05月18日

割安な監視銘柄

あまりに酷いファンダ無視の相場に、拠り所を失ってしまいそうなので、意志を固めるためにも、定性分析を書き記しておきます。

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東京カソード研究所 (JQ)

 今期予想PER: 9.91倍
 PBR: 0.68倍
 PCFR: 25.17
 PFCFR: -
 経常益利回りの逆数: 9.51
 ROD: 12.07%
 ROA: 3.40%
 売上高経常利益率: 6.88%
 自己資本比率: 48.9%
 配当利回り:1.92%

財務が若干弱目ですが、PERxPBR=6.75はメチャメチャ割安です。増配も発表して配当利回りも約2%まで上がりました。純利益で、前期比+30%の業績予想を出しています。製品セグメントでは、お荷物だった装置事業が大幅に赤字幅を縮小してきています。

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KIMOTO (東1)

 今期予想PER: 10.13倍
 PBR: 0.86倍
 PCFR: 5.78
 PFCFR: 12.35
 経常益利回りの逆数: 10.58
 ROD: 23.23%
 ROA: 5.31%
 売上高経常利益率: 9.23%
 自己資本比率: 62.3%
 配当利回り:2.02%

財務的にも問題ないにも関わらず、一方的に売られ続け、気付けば東1屈指のバリュー株になりました。今期の業績予想は前年並みで、成長性こそ感じられませんが、安定感は感じられます。今回発表した中計でも3年後の経常利益で+18%の計画を出しており、安定性を考えれば、現在の水準は評価不足と考えられます。

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ADM (JQ)

 今期予想PER: 14.56倍
 PBR: 0.78倍
 PCFR: -
 PFCFR: -
 経常益利回りの逆数: 13.91
 ROD: 9.47%
 ROA: 2.65%
 売上高経常利益率: 1.81%
 自己資本比率: 51.0%
 配当利回り:2.02%

10月決算銘柄です。売上高経常利益率がかなり低めですが、部品商社なので仕方ない所でしょう。PER的にはもう一声安くてもと思いますが、既に1/4Q決算で期初の中間期の目標利益を越えています。6月の中間決算の前には確実に上方修正を入れてくると予想しています。利益が上振れている主因はWiiのコントローラに採用されるアナデバ製加速度センサを納入している点にあると思われます。次の中間決算では、2~4月の業績が加算されますが、この間のWiiの売上げは1Q以上の筈ですので、更なる上振れも期待できます。ちなみに、Webサイトは大和證券から優秀IRサイトに選ばれています。

2007年05月21日

割安な監視銘柄②

保有/監視銘柄の割安性確認の続きです。

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セガミメディクス (JQ)

 今期予想PER: 12.37倍
 PBR: 0.75倍
 PCFR: 9.11
 PFCFR: 12.66
 経常益利回りの逆数: 9.40
 ROD: 19.87%
 ROA: 3.59%
 売上高経常利益率: 7.47%
 自己資本比率: 59.0%
 配当利回り:1.50%

前期決算も無難にこなし、来期予測も増収増益にも関わらず株価は下落中。「経常益利回りの逆数」が9.4倍に対して、PBR0.75は評価不足と考えます。最低でもPBR=1倍の株価であって、全く不思議はありません。今後はセイジョーとの合併が予定されており、これもセガミの株価にとってはプラスに寄与すると思われます。

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ユニバース (東2)

※会社発表の前4月期の予想EPSは270円ですが、これは税法上の優遇処置が含まれており、この効果は今期決算には剥げ落ちます。以下ではこの税法処置分をキャンセルし、前4月期の予想EPSを170円として計算を実施することにします。

 今期予想PER: 8.19倍
 PBR: 0.75倍
 PCFR: 7.66
 PFCFR: -
 経常益利回りの逆数: 13.96
 ROD: 13.08%
 ROA: 7.03%
 売上高経常利益率: 2.86%
 自己資本比率: 45.7%
 配当利回り:1.29%

IPOの抽選に当たって仕込んだ銘柄。公募価格は1700円でしたが、地合も悪く初値から公募割れ。その後、更に急落し、一度も公募価格を回復すること無く現在に至ってます。この銘柄を判り難くしているのが前4月期の予想EPSが税優遇処置の関係で高すぎること。この判り難さが株価を割高に見せている様に感じます。実態を見ると、公募価格の1700円は正に絶妙なレベルで、PBRは1倍を割ってますが、利益水準の低さを割り引いたとも見なすことができます。逆に言えば、公募価格から大きく売り込まれた現在の1392円は余りに割安と言えるでしょう。只、財務的にみて、流動資産に対して流動負債が多目である点は気になります。一方で、ROAが7%台である点は評価して良いと思います。最も危惧されるのは誰も見向きもしない銘柄に落ちぶれることでしょう。

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