今回の暴落を受けて、考えているのがポートフォリオにおける日本株の比率見直し。暴落前の状況で、日本株の比率は30%ありました。元々、年初に立てた計画では、日本株の比率を27%にすることになってたのですが、結果的にこれが遅れてしまっています。そして今回の暴落を経て、自分の中での日本株に対する強気度具合が更に剥げ落ちて来ています。
確かに、急速な円高が株価の下落を加速させたと言えますが、それにしても日本株だけが世界の株価に比して弱いのが目立ちます。毎度の如く、「騰げは遅くて、下げは早い」のではちょっとやってられません。一方で、金曜日の香港やインド市場の値動きは、強い市場の違いを感じさせるに足るものでした。
冷静に考えて、長期視点での日本株に対する弱気材料には事欠きません。
・自民党の体たらくによる改革の停滞。
・改善しない財政赤字。
(年金問題の処理によっては更に悪化)
・個人消費が回復しない状況と、それを無視する日銀。
(米国経済が失速すれば、日本がデフレ脱却に失敗する可能性も)
・世界的な常識と乖離する買収防衛策を合法とする司法。
・キャピタルゲインへの増税。
確かに、現在の日本株はファンダメンタル的にもテクニカル的にも買いの水準だと思います。東証1部の平均連結PERは16倍と、歴史的低水準ですし、騰落レシオ25も60%を切りました。「今買わないで、何時買うのか?」と言って差し支えないと思います。しかし、1年・2年先を見て買えるかと問われると、疑問符がついてしまいます。
そこで、ポートフォリオに占める日本株の割合を25%目標に引き下げることに決めました。その為には、何か銘柄を処分してゆく必要がある訳ですが、ここでの銘柄選別方針としては、「この先2年間保有しても良いと思える銘柄か?」を自問したいと思います。
そして、「この先2年間保有しても良いと思える銘柄」とは具体的にどんな銘柄かを考えると、次のような項目が挙がってきます。
・配当利回りが高い
・PBRが低い
・市場を制する独自の強さを有する
更に、これに準ずる基準として、
・予想PERが低い
・好感度が持てる企業であること
も考慮します。流石に、全てを満足する銘柄はそうそう無かったりしますが、この基準に照らして保有銘柄を精査し、ふるい落とすことにします。
さて、バスケット運用は元々が長期運用予定ですのでこれには手をつけないとして、残る個別銘柄は、次の9種類。
・任天堂
PBR・PER面では厳しいが配当性向は高い。
Wii・DSの他に、マリオ・ポケモンと言ったキャラクターも市場優位性を有す。
ハードウェアの伸びが停まっても、ソフトウェアは後からついてくる。
・東芝
PBR・PER面で厳しく、配当利回りも高いとは言えない。
反面、フラッシュメモリ・原子力と言った長期材料を有する。
小型燃料電池の実用化にも期待。
・三井不動産
PBR・PER面で厳しく、配当利回りも低い。
資産インフレが期待されるが、予想ほど進んでいない。
今回の信用収縮で、不動産投資資金自体が縮小する恐れ。
利上げの進行が止まるなら追い風。
・JR東日本
PBR・PER面で厳しく、配当利回りも高いとは言えない。
資産インフレが期待されるが、予想ほど進んでいない。
絶対的な市場優位性を持ち、安定収益が期待できる。
・ジャストシステム
依然として赤字。無配当。
全てはxfy次第。xfyが成功すれば圧倒的市場優位性が得られる。
・雪印乳業
企業再生途上。優先株の償却に目処。復配。
セクター別の比較でPERは低い。
なんだかんだ言って、ブランド性は堅持している。
長期で復活の可能性高い。
・ミューチュアル
低PBR&低PER。配当利回り高い。
利益計画に不透明さも。景気の失速による設備投資の低下が怖い。
・東京カソード
低PBR&低PER。配当利回り高い。
利益計画に不透明さが残る。
・ADM
低PBR&低PER。配当利回り高い。
Wiiの販売が好調なことから、利益計画に不安なし。
円高はプラスに寄与。
景気の失速は心配だか、デジタル化が進む中でのセンサの有用性は
揺るがない。中期計画も強気。
・セガミメディクス
低PBR&低PER。配当利回りはまあまあ良し。優待を含めると利回りアップ。
市場シェア争いが厳しい。業界再編の可能性。
セイジョーとの合併が決まっており、自動的に東証一部銘柄に。
以上より、塩漬けのジャストシステムを除けば、最も保有根拠の薄弱な銘柄は三井不動産となりました。特に、不動産投資マネーの縮小が懸念されます。次点は東京カソード・ミューチュアル辺りですが、バリュエーション的には処分するに、ちょっと後ろ髪が引かれます。
取り合えず、明日はCMEが大幅反発して終えていますから、GUでスタートします。只、反発が何時まで続くか判らないのが難点。16500円辺りを反発の目処としたい所ですが、私のように戻り売りを視野に入れている投資家が多数居ることは想像に難くなく、上値は重くなりそうです。
そこで、三井不動産の処分を考えたとき、明日の寄り付きで処分してしまうか悩ましいところ(多分売ります)。一方で、東京カソード、ミューチュアルについては、相場のリバウンド具合をみながら順次売却したいと思います。