やはり海外出張に出てしまうと、精神的にもなかなか相場をフォローすることが出来ない状況となってしまいます。この一週間、東京市場は結構な動きのある相場でしたが、如何しても見ているだけとなってしまい、積極的な参加はすることが出来ませんでした。
そもそもの始まりは先週のG7会合で、相場の方向に影響を与えるであろう、日本円に対する利上げ要が、結果的になかったこと。これを受けて、日銀の利上げが遠のいたとの観測から、主要株への買戻しが入ったことで、日経平均を大きく押し上げる結果になったと思われます。但し、日経平均が上がる一方で、小型株の値動きはさほど芳しいものでは無かったようです。なんとなく去年中盤に見られた、「日経は上がれども自分のポートフォリオは下げ続ける」と言う嫌な思い出が蘇ります。
尤も、終値ベースで昨年の4月高値を越えたことで、長期的な上昇トレンドは維持されたと判断することが出来ますので、これ自体は大変喜ばしいことです。
しかし一方で、GDPの伸び率で強い値が出てきたことから、再度、日銀の利上げ観測が浮上します。日銀としては2月が利上げの当面のラストチャンスなので、多少理論破綻しても、件のフォワードルッキング理論と金融正常化理論で利上げする可能性は高いように思います。さらに株価の推移もこれ以上に無く良いですので、利上強行は十分ありでしょう。今度は政府も強行な反対はしないでしょう。
..と言う私の予想の元に、2月に利上げがあるとすれば、そこで一端、株価は調整に向かうと予想します。これだけ調子よく日経が上がると、ブルーチップに参加したくなる所ですが、既に騰がっている銘柄については新規投資は控え、キャッシュポジションを一定量残して調整を待ちたいと思います。調整入りの目安は18000円を付けることか、騰落レシオが120を大きく超えてくること(130台辺り)と判断したいと思います。
市場同様、保有銘柄の先週の動きには結構激しいものがありました。出張に出る都合から、多数の銘柄に下げたら売るように逆指値設定をしておいたのですが、これに多数の銘柄が掛かり、予想以上に処分されてしまいました。
まず、大きかったのが「共英製鋼」。3Qで下方修正が発表され、翌日の寄り付きが大きく値を下げました。これに、低めに設定していた逆指値が引っ掛かり、予想以上に安い値段で売られてしまいまいた。orz そもそも、3Qでよい数値が出ないことは判っていたのだから、一端逃げておいて、買い戻す手もありました。結局半分売られて、半分が残り。
次いで、「応用地質」も逆指値で利益確定されました。こちらは決算前日に株価の急落が発生して逆指値に掛かっています。その後出た決算はそこそこ良かったため、翌日に急騰。そしてその翌日に急落。なにやら激しい動きになってます。只、ここで下げてくれたことで、買い戻しのチャンスを与えてもらったと見ることも出来ます。財務的に見て、現在の株価はかなり安いと言えます。様子を見て買戻しを考えます。
もう1つ、「AOCHD」もWTIの急落を受けて株価が下げたところを、逆指値にかかり、こちらは損切。どうもWTIの上昇には連動性が弱く、WTIの下落には素直以上に反応すると言う、なかなかたちの悪い銘柄です。(様子見ですが、一応、買戻しはしない方針。)
一方で、キャッシュポジションが上がりすぎたことから、ここまで騰がっていない銘柄を中心に少しずつ打診買いを入れてます。
1つ目は「はるやま商事」。下方修正を嫌気して急落していましたが、赤字ではありませんし、PBRから見れば超割安。今週から13週線が上向くことから打診買いを実施。結果的にすぐ株価に反応があり、上昇しました。
2つ目は「雪印乳業」。既に上昇トレンドでしたが、10年チャートで見ればまだまだ安い。再建過程であることは承知の上で、長期的には過去の株価を回復する力は十分にあると予想し、長期保有銘柄として買付を計画。直近のボックス圏の上値をブレイクした所で、逆指値買いを入れておいた所、約定。結果的にボックスを上離れしてくれてます。
3つ目が「日本甜菜製糖」。ソフトコモディティ産業である一方で、バイオエタノールからみのエネルギー銘柄としても見ることが出来ます。PBRが1倍割れの一方で、今期の3Qの新緑率は高く、上方修正も見込まれます。こちらを「AOCHD」に代わって長期保有銘柄に据えます。
最後が「ヨンキュウ」。魚類の養殖業者。昨年、話題性もあり急騰したものの、決算などを嫌気して急落。しかし、現状ではPBRは0.7倍台と割安で、財務体質も良好。実質無借金で、かなりのキャッシュリッチ企業です。13週線も上向きに転じたことから打診買い実施。水産業はソフトコモディティ産業として今年の投資テーマに沿っています。最近は中国人が海水魚を食す様になっており(従来は揚子江でとれる大型の河魚のみ食べてました)、今後、水産資源の高騰は予想されます。
その他、代表的な値動きは、任天堂が再び大きく下げました。すこし、ポジションを減らそうかと考えていた所で急落してしまい、もはや手が出せませぬ...。
一方で騰がったのが、UEXとペガサスミシン。何れもマスコミが提灯を付けた様で、S高となりました。これで、UEXは再び昨年来高値を更新。「高値更新銘柄を売ってはいけない」の理論に則ると、まだ売れないことになりますが、一方では売り所を探したい気もします。ターゲットプライスは3800円に仮置きしたいと思います。
最後にREITですが、金融庁から突然の爆弾がダビンチに落ちて、REIT全体が緊急調整入り。元々、REIT全体が騰がりすぎの状況でしたので、何かのキッカケがあれば、即、急激な下落に繋がる状況でした。感じ的には、昨年5月のオリックスショック並みの調整はありそう。そもそも、2月に利上げが発表されて、不動産株とREITが下がると予想していたのですが、前倒しで調整に入っています。(直、唯一持っている個別銘柄のビライフは逆行高。ファンダメンタルに疑念の無い銘柄は総じて強さを保っている様です。)