一般的に見て自分は多趣味な方だと思いますが、その中にあって方向性が少し外れているのが芸術鑑賞です。頭の中は理系的な論理思考の塊ですが、その反作用なのか、理屈では割り切れない感性が全ての芸術鑑賞も好きだったりします。元々は「ルーブル美術館展」とか「法隆寺展」などの様に、話題のイベントがあると美術館や博物館に足を運んでおり、これはこれで今でも変わっていないのですが、ある時から「アートを所有する」と言う趣味が加わる様になりました。それまでは、アートは足を運んで鑑賞しに行くものであって、自分で購入する物とは微塵も思っていませんでした。しかし資産運用の一環として新たな投資対象を模索していたなかで、「アートを所有する」と言う選択肢があることを知りました。
ここで、アートを買うと言っても、何処かのお金持ちが名作絵画をオークションで競り落とす様な話ではありません。自分が行っているのは、「まだ世に知られていない若い作家さんの作品の中から自分の趣味に合った作品を見つけて、それを購入する」と言うものです。特にコンテンポラリアート(現代アート)と呼ばれる分野は若い作家が多く居ますので、気に入った作品を見つけて購入することは、作品を手元に置いて愉しむことができると同時に、若い作家さんの支援にもなります。そして容易なことではありませんが、その作家さんが世に認められることが出来れば、購入した作品の価値は一気に跳ね上がります。現実的に考えると、アートの購入は純投資として成り立つものではありませんが、「見て愉しめて、作家さんを支援できて、運が良ければ(見る目があれば)資産も増える」と言う、一粒で二度も三度も美味しい趣味と言うことが出来ます。
なお、アートを買うことは資産を買うことであって、単純な消費ではありません。「一見して高い買い物に見えても、それが資産価値の認めれる作品であれば、必ずしも高い買い物ではない」と言うのも、アート収集のポイントになります。(これは、競走馬への出資もこれに通じる所があります。)