..と言う訳で、ある日「そうだ!アートを買おう」と思い立った訳ですが、さてアートなんて如何したら買うことが出来るのか、当時は皆目分かりませんでした。そもそも、「自分はどんなアートが好きなのか?」「それが本当に購入できるものなのか」、そんなレベルから整理して行く必要が出て来ます。そこで、先ずはネット上で情報収集を始めてみると、現代アートを通販しているサイトが存在することを知りました。そして、そこで多数の作品を見て行く内に、自分が好きな作品とそうでない作品がなんとなく判ってきます。そして、「これは好きだ!」と思える作品をついに見つけたのですが、残念ながらその作家の作品は全て販売済みになっていました。
ここで普通は諦めてしまう人が多いと思うのですが、自分の場合はボードゲームのコレクションで鍛えた経験があったことと、アートの世界の常識を知らない怖いもの知らずも加味して、ずうずうしくも取扱い画廊を調べ上げて、メールでコンタクトをとりました。今となっては素人感満載で恥ずかしい話なのですが、とにかくその作家さんを気に入ったことを強く訴え、作品を購入したいこと、購入するには如何すれば良いのか?、何か特別な資格が居るのか?(注:実際は資格なんて要りません)、そもそも幾らで買えるのか?、購入可能な作品があるのか?…etc 色々な疑問点を質問しまくりました。それが、今は活動を休止してしまっている「アンシール・コンテンポラリー」と言う画廊だったのですが、そのオーナさんは非常に良い方で、「とにかく一度画廊に来てもらって話をしましょう」と誘ってくれて、何も知らない自分に、現代アートの世界の仕組みを1から教えてくれました。そして、自分がネットで見て気に入った作家さんが、指田菜穂子さんと言う方で、一般に無名の作家さんであり、美大ではない早稲田の政経学部の学生さんであることを知りました。