グリーンファーム愛馬会の17年度募集馬のパンフレットがようやく手元に届きました。併せて、厩舎情報と側尺情報も発表されましたので、これで本格的に検討が可能になります。ただし、会員の先行申込みは11日の月曜日必着。それほど時間的猶予はありません。
…と言う訳で、取り合えず各募集馬について考えたところをメモに残します。まずは関東入厩予定馬から。
【注意】
・あくまでも個人的な見解です。
・簡単に考えを変えることがあります。
・相馬眼はありません。特に歩様の良し悪しは分かりません。
・馬に優しく厩舎には厳しいです。
1.クィーンスプマンテの16
この仔の最大の魅力はオルフェーヴルとクィーンスプマンテの子供であると言うことに尽きます。オルフェーヴルの配合ポイントは未だに見えて来ませんが、当たり外れの大きな種牡馬であることは確かそうなので、一発の魅力があります。
シルエットも比較的好みで、歩き方もキビキビしている様に見えますが、後ろ姿が薄く見えるのが気になります。遅生まれとは言え現時点で馬体重が385Kgと言うのは不安ですし、管囲の19mmも正直細い。但し、一口馬主DBの馬体重成長シミュレーションで調べると、デビュー時の予想体重は456Kgと出るので、実はそれほど心配ないのかもしれません。馬格からすると、成長具合を見極めてから出資を決定したいのですが、先行申し込み期間で満口になる可能性もありそうで、悩ましいところ。
なお、厩舎が新人調教師と言うのも不安材料です。美浦の調教師不足もあって、調教助手の期間を経ずに即開業になった様ですが。やはり経験不足は否めないでしょう。期待はしてあげたいですが、積極的に推す材料にはなりません。出資に当たっては浪漫よりも実利を取りたいです。
2.アースリヴィングの16
この仔の魅力もオルフェーヴルの牡馬であることですが、血統配合の妙味はクィーンスプマンテの16の方に感じます。
気になるのは同様に馬格が小さいこと。現時点で392Kgですが、同じく馬体重成長シミュレーションで調べると、デビュー時の予想体重は462Kgと出ましたので、意外と丁度よいくらいかもしれません。シルエットは腰高でまだ大きくなりそうですし背中も短め。体型的にはクィーンスプマンテの16よりもこちらの方が好みかもしれません。何れにしても、出資するなら成長を見極めたいところ。
一方で問題は厩舎。個人的にはマネージメント面でNG判定です。グリーンファーム所属馬が多数預託されていますが、馬房を回すことが主眼になっている様に思え、レース選択や帰厩のタイミングに疑問が残ります。山元TCをあまり活用しないのも不満。基本的には見送りの方向です。
3.アースサウンドの16
現状で、最も出資決定に近い馬です。魅力は何よりロードカナロア産駒であること。柱立写真を見ると、前駆もトモも立派で如何にもスピードがありそうです。一方で、脚はそれほど短く見えないので、マイルくらいまでは対応できるかもしれません。また、厩舎もランキング上位の尾形厩舎で文句なしです。
一方で最も気になる点が、育成環境。半兄のアースオブフェイムはノーザンファームで育成されましたが、この仔はどうも違いそうで、新設のナスノファーム&BTCで馴致される様に思えます。(今度、電話で聞いて見ます。)BTCの施設自体は立派だと思いますが、ノーザンファーム育成ならば、デビュー後も外厩として天栄が使えるのが大きなメリットになります。
あと気になるのは母系的にダート馬の可能性があること。つなぎが立ち気味で短く見えるのですが如何でしょう?相馬眼のある方に、ここは是非聞いてみたいところです。牝馬でダートの短距離馬となると、活躍の場が限られてしまうので、価格と釣り合わない気もしてきます。あと、左前が微妙に弓脚気味?に見えるのも気になるところです。
4.マルカアイチャンの16
胸前にもトモにも既に筋肉がついていて立派な馬格が魅力です。如何にもダートの中距離以上に適性がありそう。そして何より、馬格のある牡馬と言うのが大きいです。
問題は厩舎が個人的にNGなこと。過去、愛馬のボーンレガシーが所属していましたが、ショウナンカップ産駒にダートの2100を走らせるなど、謎のレース選択の連続で心が萎えました。色々な可能性を模索しない頑迷とも思えるマネージメントは自分には合いません。この仔には魅かれるものがありますが、残念ながら見送り決定です。
5.シルヴァーカップの16
全姉シルヴァーグレイスを始め、兄姉の成績が良いことが何よりも魅力。人気下降気味とはいえ、ハーツクライ産駒で1600万円と言うのは破格でしょう。厩舎も新進気鋭の奥村武厩舎で文句なし。特に、牝馬の扱いに長けているイメージがあります。
一方で、気になるのは馬格。トモの幅が狭く見えますし、後ろから見ても薄いと言うか、筋肉の張りがイマイチに見えます。但し、これは遅生まれなのが原因かもしれません。会報の記載は367Kgに対し、最新の測尺では428Kgなので、ここにきて急速に体重が増えています。成長期に入ったかもしれません。ちなみに、この仔も馬体重成長シミュレーションで調べてみると、デビュー時予想体重は466Kgとでました。これならば丁度良い位です。シルエットは脚が長めで、つなぎも寝気味と、如何にも芝の中距離で走れそうな良いバランスに見えます。先行期間に満口にはならないと思うので、積極的に様子見をしてみたい一頭です。
6.カドリーユの16
血統背景も兄姉の成績もパッとするところがありません。しかも母親は韓国に売却されており、ノーザンファームに見限られたと言っても仕方ない不憫な仔です。父スマートファルコンですのでダート馬で間違いないですし、繋ぎも立ち気味です。ここで気になるのは馬体重で、現時点の417Kgはダート馬としては心配になります。しかしこの仔も遅生まれなので、馬体重成長シミュレーションで調べてみると、デビュー時予想は490Kgの結果になりました。これくらい成長してくれるなら問題は無しでしょう。腰回りは立派で良いのですが、斜尻気味に見えるのが少し気になります。
価格の1400万円はかなり高く感じるので、プロから見た馬の出来は相当良いのかもしれませんが、個人的には血統背景と兄姉の成績から薬指が動きません。
7.ラクリモーサの16
可もなく不可もないのですが、正直言ってピンとくるところがありません。父タートルボウルにも然したる魅力は感じませんし、母方にノーザンテーストの血があれば配合的に面白いのですが、それもありません。初仔と言うのも不安材料。さらに、母馬はすでに繁殖馬セールで売却され、社台グループから出されてしまいました。一方、厩舎については知見が無いので詳細は判断できませんが、成績的には標準でしょうか。何れにしてもストロングポイントが見いだせず、出資候補にはならない見込みです。
8.プランタンビジューの16
ファーストインプレッションは牝馬なのにデカい。一体何処まで大きくなるのでしょう?牛にならなければ良いのですが…。
但し、これが500Kg前後で止まる様ならば、この仔は当たりかもしれません。一口馬主DBのコラムにあるのですが、馬体重510Kgの牝馬は平均勝ち上がり率が最も高くて40%にも達します。但し、これを超えると、急激に成績が落ちてしまうので、510Kgで止まるか否かが分水嶺になります。ちなみに、馬体成長シミュレーションではデビュー時の予想馬体重が528Kgと出ました..。これでは重すぎでダメです。シルエットも背中が長く見えてイマイチです。
一方、種牡馬は既に本国に送還されたワークフォースですが、グリーンファームとの相性は良いですし、母方にノーザンテーストの血があるのもプラス材料と見ます。なにより、牡馬よりも牝馬の方が走る種牡馬です。
厩舎は新規開業の林厩舎。矢野厩舎で調教助手を務めていた方なので、新人ですが経験は積んでいると思います。師匠の支援ももらえるでしょう。東大卒と言うのは如何でも良い話かと。まぁ、募集価格は格安ですし、大穴狙いには良いかもしれません。11月頃にはデビュー時の体重の予想精度が上がるので、馬体重が増えないことを祈りながら様子見するのが吉と見ます。
(関西編に続く)