グリーンファーム募集馬の近況フォロー(3回目)

グリーンファーム17年度募集馬の近況にフォローの3回目です。(前回はこちら。)引き続き、前回以降の公式サイト情報を縦横に評価して、最新の育成状況を把握して行きたいと思います。募集馬に拠って情報の更新回数に違いがありますが、ここでは前回以降の情報を網羅して考えるものとします。

注:各項目の印の意味は次の通りです。
  ◎:最高評価、○:高評価、△:プラス評価、-:評価なし、×:マイナス評価

1601.クィーンスプマンテの16(満口)

・社台Fで育成中。(-)
・周回コースキャンタ1200M+直線コース1本×週3回(16-18秒、ラスト15秒)。(△)
・やや力みがある。筋力増強が出来れば変わってきそう。(×)
・ヤンチャなところは見られるが改善傾向。(△)
・馬体重420Kg、11月末回から-5Kg(×)

社台Fで調整中。調整メニューからトレッドミルが消えて、本格的に直線コースでの調教が開始されました。確実に乗り込みが進んでいて、それもあってか、増加を続けていた馬体重が僅かにマイナスに転じました。調整が進む中で体重が絞れるのは止む無いところですが、正直なところ、まだまだ体重は増えて行って欲しい所です。「筋力増強が出来れば変わってきそう」のコメントを裏返せば、現状では筋力不足と理解できます。
一方で、気性面のコメントに改善が見らるのは評価できる所です。前回までは「臆病・敏感」と言ったコメントでしたが、それよりは今回の「ヤンチャ」の方が競走馬としては好ましいと言えます。

1602.アースリヴィングの16(残50口未満)

・チェストナットFにて育成中。(-)
・キャンター2000M(25~27秒)+トレッドミル。(×)
・軽目なので馬体を膨らませながら調整中。(×)
・体重ほど見た目は細くない。喰いも細くなく、成長を待つ。(-)
・馬体重418Kg、前回から+12Kg(△)

チェストナットファームにて育成中。ツルマルオトメの16と比べて、軽い調整メニューに留まっており、これは記載の通り馬体の成長を優先していると考えられます。「体重ほど見た目は細くない」のフォローコメントはあるものの、乗り込みを進めらえていない以上、明らかにマイナス評価です。
一方で、前回の更新で減ってしまった馬体重は若干戻って412Kg。回復傾向にありますが、更に体重が増えて行かないと、調教を重ねられないのもまた事実でしょう。

1603.アースサウンドの16(満口)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週3回×2本(16秒)のペースで坂路入り。(◎)
・至って順調。このまま乗り込んで年末年始に休養を入れる。(△)
・馬体重452Kg、前回から-8Kg(-)

ノーザンFにて、坂路調整を続けています。前回から週3回のペースは変らず、タイムが16秒ペースに1秒上がっています。確実に育成が進んでおり、引き続きノーザンFで最も育成が進んでいるグループに居ると考えて良いでしょう。「このまま乗り込んで、年末年始に休養を入れる」のも標準の流れであり順調です。
一方、乗り込みが進んでいることもあり、馬体重は更に-8Kg減って452Kgになっています。確実に絞れてきた印象であり、これはこれで悪くありませんが、出来ればこれ以上は減らないで欲しいと思います。

1604.マルカアイチャンの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・周回コースキャンタ1200M+直線コース1本×週3回(16-18秒、ラスト15秒)。(△)
・性格が良くて動きも上々。(△)
・仕上がりの早いタイプ。早期始動を視野。(○)
・従順で大人しく、調整が進めやすい。(○)
・左後肢に擦り傷を負うも問題なし。調教も変わらず。(-)
・馬体重480Kg、前回から+3Kg(○)

・週3回×1本のペースで直線入りを開始。ラスト1Hを15秒まで伸ばしており、順調に乗り込みが進んでいると考えられます。繰り返しのコメントにある様に、気性面の問題がみられないのがこの仔の長所と見て良いでしょう。馬格もあり、乗り込みも順調に進められていると言うことで、早期始動も視野に入っていると読み取れます。乗り込みながら馬体重が480Kg近辺をキープ出来ているのも好評価できます。
総じて好評価の更新情報と言えますが、気になるのはスピード能力が何処まであるかだと思います。

1605.シルヴァーカップの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・周回コースキャンタ1200M+直線コース1本×週2回?(16-18秒、ラスト15秒)。(△)
・併せ馬で優勢。よく動けている。性能は高そう。(◎)
・馬体が減少傾向。(×)
・馬体重418Kg、前回から-22Kg(×)

週2回(若しくは3回?)×1本のペースで直線入りを開始。ラスト1Hを15秒に延ばしており、順調に乗り込みが進んでいます。コメントから動きの面で優れていることは間違いなく、能力面ではトップクラスの評価をして良さそうです。
一方で、乗り込みが進んで体重が大幅減してしまったところが残念です。今回、急減してしまったので、揺れ戻す可能性もあると思いますが、デビュー時の体重が400Kg+α程度になることも覚悟する必要がありそうです。

1606.カドリーユの16(受付中)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週3回×1~2回(16~18秒)のペースで坂路入り。(△)
・体力に合わせてペースアップする。年末年始に休養を入れる。(-)
・馬体重426Kg、前回から+4Kg(-)

ノーザンF空港にて育成中。順調に販路入りを続けており、16秒台までペースアップしています。「体力に合わせてペースアップ」のコメントの通り、トップグループからは遅れていますが、この仔なりの育成状況と捉えて良さそうです。乗り込みながらも着実に体重が増えて来ているのも好評価できるのですが、明らかにダート馬であることを考えると、体重増加の幅がもっと欲しい所ではあります。馬格があれば高評価できるのですが、惜しい感じです。

1607.ラクリモーサの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・周回コースキャンタ1200M+直線コース1本×週2回?(15-18秒)。(○)
・体調は至って順調。飼葉喰いも良好。(-)
・夏デビューも視野。(△)
・短距離が得意そうな雰囲気。(○)
・馬体重436Kg、前回から-9Kg(-)

乗り込みを続けており、直線で15秒ペースも開始。「夏デビューも視野」と言う点からも、至って順調に育成が進んでいる状況が伺えます。乗り込みが進む中で体重が落ちているのは止む無いところでしょう。前回の近況フォローで記載しました様に、体型的に短距離向きと見ていましたが、今回の公式コメントでも短距離向きとされたことは、気性と体型がバランスとれていると考えられて好印象です。マルカアイチャンの16と同じく、早期始動を視野に入れていますが、この仔の方がスピード面での不安が無さそうに見える分だけ、安心感がある様に思います。この仔の場合、気になるのは芝馬とダート馬の何れなのかです。

1608.プランタンビジューの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・周回コースキャンタ1200M+直線コース1本×週2回(15-18秒)。(○)
・前向きな走り。短距離タイプか?ギュンギュン走ってゆく。(△)
・動けていて調子が良い。(○)
・大型なので脚元に注意している。(-)
・大型なので体重の増加に注意。(-)
・馬体重500Kg、前回から+8Kg(-)

週2回直線コース入りして、15秒までタイムを伸ばしていて順調です。大型馬故の仕上がりの遅さが予想できるところですが、コメントからはスピード能力も伺えるので、懸念される様な鈍重さは無いのかもしれません。但し、乗り込みながらも毎回体重が増えて行っている所は引き続き要警戒です。この馬格でスピードがあるなら、ダートの短距離に適性がありそうですが、つなぎの形から、個人的にこの仔は芝馬ではないかと思っています。ワークフォース産駒はスピード不足が懸念されますが、スピード能力が確かならば、案外とお買い得な仔になるかもしれません。しかし、「ギュンギュン走ってゆく」と言う表現は、どの様に解釈すべきか悩みます..。😅

1609.ジュエルオブナイルの16(満口)

・社台Fにて育成中。(-)
・右前膝に骨端炎を発症。治療を優先。(×)
・ウォーキングマシン1H。騎乗再開は年明け以降。(×)
・馬体重478Kg、前回から+13Kg(-)

前回の更新でも今一つ調教メニューが遅れ気味な印象を受けていたのですが、ここにきて骨端炎の診断が出てしまいました。多少、懸念材料があって調教を抑え気味にしていたのかもしれません。何れにしても、発症してしまったことで、先ずは治療が最優先となります。残念ですが、ここはじっくりと進めるしか無い様に思われます。なお、体重が前回より増えていますが、運動を休んでいる反動と考えられるため、特に評価は出来ません。。

1610.デフィニットの16(残100口未満)

・ノーザンF空港で育成中。(-)
・寝違えて右トモの歩様を気にしたため、ウォーキングマシン調整。(×)
・現在は歩様は回復してトレッドミル。騎乗再開は未定。(×)
・馬体重452Kg、前回から+29Kg(-)

ノーザンF空港への移動が遅れたことで、調教も遅れたいた所に、今度は寝違えてしまい更に育成が滞ってしまいました。正直、順調さを欠いた印象であり、流れが悪くなっています。一方、体重が大幅に増えてきたことは、本来喜ばしいことなのですが、ジュエルオブナイルの16と同様、運動を休んでの結果とも考えられるため、プラス評価は見送ります。

1611.ハートビートワルツの16(残100口未満)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週2回×1~2回(17~18秒)のペースで坂路入り。(-)
・馬体成長を促すために、ウォーキングマシン調整を挟む。(-)
・このまま乗り込んで年末年始を休養する。(-)
・馬体重442Kg、前回から-2Kg(×)

週当たりの坂路入りの回数が他のノーザンF育成馬よりも少なく、育成状況としてはやや遅れ気味と判断できます。前回コメントからも、成長を促すことを優先している気配であり、ここは早期始動は焦らずに、牧場スタッフの判断に任せるのが良策と思います。
但し、成長を促すことに配慮している割には、体重が落ちてしまっている点は、評価としてはマイナスになります。

1612.ツルマルオトメの16(受付中)

・チェストナットFにて育成中。(-)
・キャンター3000Mを22~25秒の調整。(○)
・体力に合わせて運動量を増やしている。(△)
・年明けから淡路チャンピオンFに移動して調整する。(△)
・気の強い所はあるが、騎乗者の指示には従順。(△)
・馬体重498Kg、前回から±0Kg(△)

チェストナットファームで調整中。キャンターの距離が伸びて、ペースも速くなっていますので、育成状況としては順調な感触です。前回コメントにあった風邪の影響は特に無かった模様です。年明けには淡路のチャンピオンズFに早々に移動して育成をするとのことで、グリーンファームの所属馬としては珍しいスキームになります。BTCでの育成では冬の間は屋外が使えませんので、暖かい所に早々に移動してしまうと言うのは悪くないような気もします。個人的に、新たな工夫をトライして行くことは評価したいと思います。
気性面のコメントは今回が初めてですが、この程度の表現であれば、競走馬の資質として評価できる程度に思われます。また、体重が500Kg手前でキープされているのも好印象です。(只、如何してもこの仔については動画の歩き方が気になります..。)

1613.サクラサクⅡの16(満口)

・社台Fにて育成中。(-)
・周回コースキャンタ1200M+直線コース1本×週3回(15-18秒)(-)。
・一本調子な感じ。もう少しパワーが欲しい。(×)
・気性は前向きで体のこなしも上々。(△)
・馬体重420Kg、前回から-24Kg(×)

他の仔馬よりも若干遅れ気味ながら、週3回の直線コース入りを開始しました。只、成長を促すことにも配慮するメニューとのことで、トップグループからは遅れていると判断されます。体重は調教が進んだこともありますが、前回から-24Kgはちょっと細化しすぎた印象です。小柄な馬であることは確実ながらも、出来るだけ体重は欲しい所です。

1614.アドマイヤヒラリーの16(満口)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週2回×1~2回(17~18秒)のペースで坂路入り。(△)
・順調な組のメニューで乗り込んでいる。(△)
・このまま乗り進めて、年末年始で休養を入れる。(-)
・馬体重500Kg、前回から+9Kg(△)

ノーザンF空港にて育成中。メニューは前回から大きくは変わらず、順調に乗り込まれている模様です。体重500Kgは必ずしも悪くありませんが、体を緩くすることなく乗り込んで行って、この位の体重をキープして欲しいと思います。

1615.ファビュラスセンスの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・周回コースキャンタ1200M+直線コース1本×週2回?(15-18秒)(-)。
・直線コースでは良い動き。(△)
・気が入り過ぎる面があるため、2週間楽をさせた。(×)
・馬体重458Kg、前回から-7Kg(-)

トレッドミルは止めて、コース調教中心になった点は良いのですが、今回も「気が入り易い」のコメントが出ているのが気になります。どうも、進めたくても調教をやり切れない状況が感じられるのは、あまり好ましい感触ではありません。なお、体重が-7Kgと減ったことは、育成を進めている結果なので、特に問題は無いと見ます。

1616.ラヴアズギフトの16(受付中)

・坂東牧場にて育成中。(-)
・キャンター3500Mを中心に調整。(△)
・年内はこのまま進めて、年始に休養する。(-)
・反応し易いところがある。(×)
・馬体重426Kg、前回から-13Kg(-)

唯一の坂東牧場調整馬なので、状態の判断が難しいのですが、キャンターの距離が確実に伸びていますので、育成は順調と見て良さそうです。なお、体重が減ったことは、調教を進めた結果なので、止む無しとします。
本馬は募集当初の情報で「気が弱い」との噂があったのですが、今回コメントの「反応し易いところがある」は、これに通じるものがあり、今後の注意が必要です。

おわりに

今回の更新では、ジュエルオブナイルの16や、デフィニットの16など、順調さを欠く馬が出てしまっていることが残念です。一方で、最も育成が進んでいる感触なのがアースサウンドの16で、次いでアドマイヤヒラリーの16と言った状況に見えます。

その他の仔で好印象なのが、マルカアイチャンの16,シルヴァーカップの16,ラクリモーサの16,ツルマルオトメの16,などになります。
特に、個人的にはシルヴァーカップの16のコメントが良く見えます。馬格が無いのが難点ですが、必ずしも体が小さいことが競走馬として即NGではありませんし、コメントからは馬格の無さを補うだけの運動神経がある様な予感がします。只、そうは思いつつも、1月会報の写真を見るとトモの寂しさが如何にも目立ちますので、今後はこの辺りが改善されて行くことに期待したいと思います。シルヴァーカップの16については、追加出資の第1候補として、引き続き育成状況を注視して行きたいと思います。

ついでに、追加出資の第2候補も上げるとすると、プランタンビジューの16が気になっています。巨大化の懸念と、ワークフォース産駒のスピード不足の懸念が、ここに来て回避されそうに思えることが評価のポイントです。格安の募集馬ですが、原因は父ワークフォースの不人気にあると考えられ、一方で、牝系はカレンチャンが居る優良牝系です。このワークフォースのスピード不足を短距離に秀でた牝系で補うことが出来れば、一発が期待が出来るかもしれません。(ゴールドケープのパターンです。)今年もワークフォース産駒のグヴィアズダが期待感のあるデビューをした様に、グリーンファームとワークフォースの相性は特異的に良好と言うこともあり、入厩ギリギリまで様子見して出資を見極めたいと思います。

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コメント

  1. 立山 より:

    Macky様
    お久し振りです。
    昨年から始めた一口馬主ですが、1年目は未勝利となり改めて難しさを知りました。来年はグリーンファームの2歳勝ち上がりで一緒に喜びを分かちあえる年になるといいなと思っております。
    また来年もブログ更新を楽しみにしております!

    • macKy より:

      立山さま、コメントありがとうございました。

      自分も今年の成績は、前半戦こそ2勝を上げましたが、後半は掲示板内に5回入ったものの、勝ち星を上げることは出来ませんでした。本当に、一口馬主を始めると、勝ち上がることの厳しさが骨身に沁みますね。まぁ、その分だけ勝った時の喜びと興奮も大きくなるわけですので、是非とも来年はそれらを一緒に分かち合うことが出来るよう、初詣で祈念して来たいと思います。

      来年も引き続き、宜しくお願いを致します。