グリーンファーム募集馬の近況フォロー(4回目)

グリーンファーム17年度募集馬の近況フォローの4回目です。(前回はこちら。)引き続き、前回以降の公式サイト情報を縦横に評価して、各馬の現在の状況を把握して行きたいと思います。募集馬に拠って情報の更新回数に違いがありますが、ここでは前回以降の情報は網羅して考えるものとします。

注:各項目の印の意味は次の通りです。
  ◎:最高評価、○:高評価、△:プラス評価、-:評価なし、×:マイナス評価

1601.クィーンスプマンテの16(満口)

・社台Fで育成中。(-)
・左前にソエの症状。歩様には影響なし。(×)
・直線コース1本(?)×週2回(-)
・これからは脚元を確認しながら慎重に判断する。(×)
・馬体重440Kg、12月末回から+20Kg(△)

社台Fで調整中。年明けから乗り込みを再開していたが、ここにきてソエの症状を発症。週2回の直線入りは続けているものの、ここからのペースアップは見合されており、トータルでは停滞してしまった状況と判断されます。一方、メニューが軽くなったこともあってか、体重は20Kg増えています。情報更新の度に体重が増えていることは、馬格に不安のある本仔にとって大変良いニュースなのですが、調教を抑えている点を考慮して、評価は割引としました。

1602.アースリヴィングの16(残50口未満)

・チェストナットFにて育成中。(-)
・キャンター2000M(20~25秒)。(△)
・数字ほど小さくは見えないが、肉付は良くしたい。(-)
・距離やペースはこのままにして乗り込みを進める。(-)
・馬体重414Kg、前回から-4Kg(×)

チェストナットファームにて育成中。キャンター2000Mのメニューは変更ありませんが、ラップタイムは上がっています。一方で、体重が増えてこないことが本仔の最大の問題点です。「数字ほど細くは見えない」のフォローこそありますが、11月末から体重が増えていないのは事実として重いでしょう。1つ上のシネマソングスも体重が増えて来ずに、調教が積めない問題を抱えていますので、本仔についてもメニューの制限が続く様であると、心配になってきます。

1603.アースサウンドの16(満口)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・年末年始はウォーキングマシンで休養。
・週3回×2本(16秒)のペースで坂路入りを再開。(○)
・2月から15秒ペースに移行予定。(-)
・馬体重457Kg、前回から+5Kg(○)

ノーザンFにて育成中。年末年始を休養にあてて、現在はメニューを戻して坂路入りを継続しています。15秒ペースへのアップは未だですが、これは牝馬だからであって、進んでいるグループに居ることは変らないと思います。乗り込みを継続しながらも体重が戻っているのも好印象で、入厩まではこれくらいの体重がキープ出来そうな感触です。至って順調な育成状況と判断して良さそうです。

1604.マルカアイチャンの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・年末年始を休養して、直線入りを再開。(15秒ペース)
・操縦性が良い。折り合いが付き意のままに動ける。(◎)
・調教では相手なりに動く面がある。(-)
・早期始動を目指して、馬に合わせて進める。(○)
・馬体重486Kg、前回から+6Kg(◎)

社台Fにて育成中。年末年始を休んだ後、直線入りを再開し、元のメニューに戻っています。これまでのレポートからも操縦性の高さがコメントされており、これは素直に評価して良いと思います。一方で、「相手なりに動く面がある」のコメントは、即マイナス評価とはしませんが、精神的の穏やかな気質も含めて、ズブイ側面が潜んでいる可能性があり、今後の注意が必要です。乗り込みながら体重が丁度良い感じに増えているのは好印象。恐らくダート馬になると思いますので、体重が増えるのはウエルカムです。
総じて良好な育成状況と言えますが、スピード面を評価するコメントが過去にない点が気になるところです。本仔の場合、注意するのは絶対的なスピード不足ではないかと思います。

1605.シルヴァーカップの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・体重が増えてこないため、調整放牧を行う。(×)
・馬体重408Kg、前回から-10Kg(×)

一時は週2回×1本で直線入りを行い、15秒のペースまで進められていましたが、馬体の細化が進むため、直線入り回数を減らしてトレッドミルの併用に変え、それでも体重の減少が止まりませんでした。結局、半端は止めて完全休養に切り替えて成長を待つことにした模様です。これまでのレポートから、能力的にはかなりポテンシャルが高そうな印象だったのですが、調教が積めないのは相当な減点材料と判断せざるを得ません。

1606.カドリーユの16(受付中)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・年末年始は休養に充て、現在は元のメニューに戻した。(-)
・週3回×2本(16秒)のペースで坂路入り。15秒も開始。(○)
・牡馬の順調な組。ここから強目も織り交ぜる。(△)
・馬体重439Kg、前回から+13Kg(○)

ノーザンF空港にて育成中。順調に販路入りを続けており、15秒台にペースアップしてきました。牡馬の順調な組で進められているとのことで、状態には文句無さそうです。
一方で、この仔の最大の課題であった体重の方も確実に増え続けています。最も順調なグループの中で進めつつも、馬体重が増えているのは評価して良いと思います。ただ、それでも現在の439Kgでは充分と言えず、これからまだまだ増えて貰わないと困ります。言い換えれば、このまま体重が460Kg位まで増えてくる様ならば、評価を大幅に上げて良いと思います。

1607.ラクリモーサの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・年末年始で楽をさせて、現在は元のメニューに戻した。(-)
・直線コース1本×週2回?(15秒)。(○)
・いくらでも動くタイプ。行き過ぎに注意。(△)
・素軽く、スピード能力高い。(○)
・深いダートでもしっかり動け、体重以上に馬力がある。(◎)
・オーバーワークに注意。(-)
・馬体重428Kg、前回から-8g(×)

年末年始を休んで、再び直線15秒ペースを再開しています。調教を進めているためなのか、体重が減ってきているところが気になりますが、一方で、スピードもあって見かけよりも馬力があると言うコメントは高く評価して良いと思います。
本仔はタートルボウル産駒ですので、適性はダートだと思います。その点で、馬力があるのコメントは血統と方向性が一致してしており、好ましい印象です。そうなると、やはり欲しいのは馬体重であり、「オーバーワークに注意」のコメントは気になるところです。

1608.プランタンビジューの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・年末年始を休すみ、現在は直線入りを再開。(-)
・直線コース1本×週1回(15-15の強め)。(〇)
・単走でもハミを取って走る。活発な馬。(◎)
・スピード能力あり。(〇)
・大型だが仕上がり早い。早期デビューも視野。(△)
・オーバーワークに注意。(-)
・馬体重512Kg、前回から+12Kg(-)

直線入りの回数を週1回に減らしましがた、代わりに15-15のコンスタントなペースの乗り込みに進んでいます。積極性があってスピードもあると言うことは、好評価すべき内容です。更に、本仔の最大の心配事は「強大化による仕上がりの遅れ」だった訳ですが、逆に「仕上がりが早い」と言うコメントは、予想を良い方向に大きく裏切ってくれました。調整状況全般にネガティブな要素がなく、現時点でトップクラスの高評価馬になって来たと思います。

1609.ジュエルオブナイルの16(満口)

・社台Fにて育成中。(-)
・右前膝に骨端炎を発症。痛みは落ち着いた。(-)
・トレッドミルで駆け足調教。乗り込みは再開できない。(×)
・馬体重480Kg、前回から+2Kg(-)

骨端炎の痛みは引いてきている模様です。乗り込みが再開出来ていないので良評価は出来ませんが、メニューがウォーキングマシンからトレッドミルの駆け足に移行できたことは、悪い中での安心材料になりそうです。取り合えず、今のところは症状が快方に向かうのを待つよりないでしょう。

1610.デフィニットの16(残100口未満)

・ノーザンF空港で育成中。(-)
・右トモの歩様を気にしており、トレッドミル調整。(×)
・歩様には問題が見られなくなった。(△)
・馬体重442Kg、前回から-10Kg(-)

年末に寝違えて右トモの歩様を気にする様になっており、未だ騎乗が再開出来ていません。一方で、状態は快方に向かっている模様であり、調整メニューがウォーキングマシンからトレッドミルに移行しています。そろそろ騎乗再開出来る見込みとのこと。
これまでの所、イマイチ良いニュースの無い仔ですが、そろそろ挽回して行って欲しいところです。

1611.ハートビートワルツの16(残100口未満)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・年末年始を休養した後、坂路入りを再開。(-)
・週3回×1~2回(17秒)に本数を増やした。(〇)
・馬体重454Kg、前回から+12Kg(△)

一時的に成長を促すための休養が入りましたが、その甲斐あってか体重が再び増えて来たのは好印象です。坂路入りの回数も週2回→週3回に増加しており、ペースも速くなっています。様子を見て15秒ペースに移行するとのことで、そうなるとアースサウンドの16の進捗に並んできますので、ノーザンFの牝馬としては、至って順調な進捗状況と判断して良さそうです。

1612.ツルマルオトメの16(受付中)

・チャンピオンズF淡路にて育成中。(-)
・長い輸送も問題はなかった。(-)
・坂路2本18-17秒ペースの調整。(○)
・体力面がしっかりしている。(△)
・歩様が柔らかく、フットワーク軽い。(△)
・力強く、前へと延びる走り。(△)
・早期デビューのため、栗東でゲート試験を受けるかも。(△)
・馬体重不明。(×)

チェストナットFからチャンピオンズF淡路への移送を問題なく完了しています。冬場にも坂路で乗り込めるのは育成上のアドバンテージになりそうです。全体的に好ましいコメントが多いのですが、如何せん他馬との横の比較が出来ないために、どこまで文字通りに受け取ってよいのか判断に悩みます。何れにしても、悪い状態ではなさそうです。
一方で、本仔には巨大化のリスクがありますので、馬体重が報告されていないことは減点材料です。

1613.サクラサクⅡの16(満口)

・社台Fにて育成中。(-)
・年末年始を軽い運動で休ませた。(-)
・体重が増えてこない。キャンターにメニューを落とす。(×)
・走りにブレるところあるが、スピードの乗りは良い。(△)
・馬体重426Kg、前回から+6Kg(△)

他の仔馬よりも若干遅れ気味ながら、週3回の直線コース入りを開始したのですが、成長を促すことを優先して、再びメニューをキャンターに戻しています。その効果あってか、体重が僅かながらプラスになったのは良かったと言えます。スピードはありそうと言うことなので、まずは体力をつけて行って欲しいと思います。

1614.アドマイヤヒラリーの16(満口)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・年末年始はウォーキングマシンで休養。
・現在、週3回×1~2本(15秒)のペースで坂路入り。(◎)
・牡馬の順調な組のメニューで乗り込んでいる。(△)
・馬体重504Kg、前回から+4Kg(-)

ノーザンF空港にて育成中。年末年始を休養に充てて、現在は坂路入りを再開しています。週3回×2本を15秒のペースは、他馬と比べても最も進んでいる内容です。馬体重も500Kg+αで落ち着きそうであり、これも丁度良い感じです。あとはスピード能力のあることが確認できれば安心できると思います。

1615.ファビュラスセンスの16(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・周回コースキャンター(15秒)距離は不明。(-)。
・周回コースで手前に関係なく外に張ってしまう。(×)
・バランスが良くなるまで、トレッドミル併用する。(×)
・一生懸命すぎる所があり、セーブする。(×)
・馬体重450Kg、前回から-8Kg(-)

社台Fにて調整中。気が入り易い性格もあり、年末は軽い運動に留めて直線入りを再開していますが、如何にもコメントの歯切れが良くありません。恐らく、気性面の問題から調教メニューを上げて行けないものと想像できます。また、今一つ負荷が上がっていない所に対して、体重が減少傾向なのも気になります。

1616.ラヴアズギフトの16(受付中)

・坂東牧場にて育成中。(-)
・年末年始は運動のみ実施。(-)
・キャンター3400Mを20秒ペース。(-)
・体力的にも問題無さそう。17~18秒に上げて行く。(△)
・キビキビした動き。現メニューは楽にこなす。(△)
・体高が低く重心が低い走りが出来ている。(△)
・2月から坂路入りを予定。(-)
・馬体重434Kg、前回から+8Kg(△)

唯一の坂東牧場調整馬で、状態の判断が難しいのですが、時計は早くなっており、育成が進んでいることは間違いなさそうです。現メニューを楽にこなしていると言うことからも停滞はしていないでしょう。ただ、「坂路入りは2月から」と言うのが、育成方針に拠るものなのか、牧場の施設的な制約に拠るものなのか、判断が出来ません。血統的に短距離馬だと思いますので、体高が低いことと重心の低い走りが出来ていることは、方向性が一致しており好評価できます。体重が少し戻ったのも良かったと思います。

おわりに

先月末からこれまでの更新に掛けて、順調に育成が進んでいる仔と、そうでない仔の差が広がってきている印象を受けます。なかでも、アースサウンドの16、ツルマルオトメの16、マルカアイチャンの16、アドマイヤヒラリーの16は、前回から引き続き順調に育成が進んでいる印象です。また、カドリーユの16、ラクリモーサの16、プランタンビジューの16、ハートビートワルツの16、ラヴアズギフトの16などは、今回の更新で育成が追いついてきたと言うか、上り調子の印象を受けました。
一方で、アースリヴィングの16、シルヴァーカップの16、ジュエルオブナイルの16、デフィニットの16、ファビュラスセンスの16辺りは、順調さを欠いてしまっている印象があり、やや心配な状況です。

個人的にはシルヴァーカップの16に注目しているのですが、調教メニューを落とすことになったのは、かなり残念です。これまでの情報から見かけ以上に運動能力が高いことは確実だろうと睨んでいたのですが、ここまで体重が減り続けてしまうのは流石に心配です。只、「小柄ながら運動能力が高い」と言うのは、愛馬サザナミと被るところがあり、この時期のサザナミの体重はと言うと400Kg前後しかありませんでした。そう言う意味では、今のシルヴァーカップの16の体重であっても、見限る必要はないのかもしれません。

一方で、回を追うごとに自分の中での評価が上がっているのがプランタンビジューの16です。800万円の格安募集であり、そのプライシングの理由は、父ワークフォースの不人気と、巨大化によるリスクにあったと考えられます。しかし、ここまでの育成状況を見ると、馬体重は上限ギリギリでキープされそうですし、意外にも「仕上がりが早そう」とのコメントから、後半のリスクは既に回避されたと考えられます。また「スピード能力もありそう」のコメントもあり、ワークフォース産駒特有のスピード不足も回避されつつあります。ワークフォース産駒は短距離馬の方が成績が良く、本仔の牝系はカレンチャンが出た短距離スピード血統ですので、相性的に丁度良い様にも思えます。全く根拠はありませんが、グリーンファームらしい本年の大穴馬はこの仔の様な予感がしてなりません。

何れにしても、シルヴァーカップの16とプランタンビジューの16の2頭ともに、満口になる可能性は極めて低いと思いますので、グリーンファームの特権を生かして、ギリギリまで様子見を続けたいと思います。

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