今年グリーンFから募集して欲しい仔馬 ⑥

今年グリーンファームから募集されることを切に願う、クラブ所縁の仔馬をリストアップするシリーズの6回目です。(一覧はこちら
異なる種牡馬で予定10回のシリーズも、今回から後半戦に入ります。これまでにリストアップした仔馬は、募集に掛かれば普通に人気になると思いますが、そろそろメジャーどころの種牡馬が尽きてきたこともあり、徐々に選者の嗜好が表に出た選定になって来そうです。
ちなみに、これまでのリストアップ馬は図らずも全て社台系牧場の仔馬となっていましたが、今回は非社台系牧場の生産馬になります。


No6.ポンテペルレの2017

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :アドマイヤムーン
母父 :Green Desert
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :4号族
誕生日:2017/02/24
生産 :ハシモトファーム

母ポンテペルレはグリーンファームから募集され、生涯2.5.2.15の戦績を残しました。正直言って目立つ程の成績ではありませんが、コンスタントに入着を繰り返した、地味ながら安定した成績と言えます。主に短距離を中心に出走し、芝とダートで各1勝を上げたことは、産駒にユーティリティ性のあることを期待させてくれます。

一方、兄姉からはヴェルデルーチェ(父シンボリクリスエス)とネーラペルレ(父キングカメハメハ)の2頭がグリーンファームから募集されています。しかし、ヴェルデールーチェは中央未勝利のまま地方へ転出、ネーラペルレは未勝利こそ脱出しましたが500万条件では通用せずに引退をしており、こちらも今一歩な成績に終わっています。

父アドマイヤムーンはジャパンカップを含むGⅠを3勝した他にも、重賞を5勝した活躍馬で、2007年にはJRAの年度代表馬にも選出されています。しかしながら、種牡馬入りした後はハクサンムーンなどの重賞勝馬を生み出したものの、サイアーランキングでは10位以下が定位置と化してしまい、このままフェードアウトして行くかに思われました。しかし昨年あたりからこの状況に変化の兆しが表れています。

アドマイヤムーン自身は中距離以上で活躍をしたことから、当初の配合も中距離を指向したものとなっていたと考えられますが、ここにきて短距離指向に配合が見直されたのか、芝の短距離で活躍する馬が多数産出されています。昨年はセイウンコウセイが高松宮杯で優勝したのを筆頭に、スプリンターズSではワンスインナムーンが3着に入り、今年に入ってもブラックムーンが金杯に勝利しています。さらに、今年のシルクロードSに至っては、ファインニードルが優勝した他、アドマイヤムーン産駒が1~3着を独占してしまいました。ここにきて芝の短距離戦では要注目の種牡馬となっています。

2.牝系情報

前述の通り、母ポンテペルレとこれまでの産駒は、残念ながら目立った成績を残せていません。しかし、ポンテペルレの半弟には全日本2歳優駿など、地方GⅠを6勝したフリオーソを始めとして、地方OPを3勝したトーセンルーチェがいますので、牝系として優れていることは間違いありません。

更に、ポンテペルレの半妹で父アドマイヤムーンのルナフォンターナはオープン馬として芝の短距離で活躍し、鞍馬S(OP)にも優勝しています。このことから、本牝系とアドマイヤムーンの相性が良いことは、実証済みと考えることが出来ます。

ちなみにファミリーナンバーは、1号族と並んで活躍馬の多い4号族です。

3.血統配合

まず、牝系情報の項で記載した通り、本牝系とアドマイヤムーンの相性が良いことはルナフォンターナの存在から明らかです。その上で、最近のアドマイヤムーン産駒の成功例を見ると、総じてMr.Prospectorの父母間クロスを持っていることが配合上のポイントになっています。おそらく、Mr.Prospectorをクロスすることで、短距離指向の産駒を多数輩出したことが、ここ数年のアドマイヤムーン産駒の躍進につながっていると考えています。
その一方で、サンデーサイレンス系牝馬とアドマイヤムーンの相性はあまり良くありません。これはサンデーサイレンスをクロスすることで適正距離が伸びてしまい、アドマイヤムーンの本来の良さを打ち消してしまうのではないかと考えています。

以上の観点から本仔の配合を見ると、Mr.Prospectorの3×4と言う奇跡の血量となるクロスを形成していることが、真っ先に目を惹くところです。さらに母方にサンデーサイレンスの血がありませんので、2つ目の条件も満たしています。牝系が短距離で成績を出していることも併せて、配合的には隙の無い組み合わせと考えて良いと思います。

4.予想価格(予測モデルは本稿を参照

1500万円(基本:1000万,牡牝補正:+200万,父補正:+200万,母補正:+100万,兄姉補正:±0万)

5.おわりに

兄姉に活躍馬が皆無なことと、アドマイヤムーンの種牡馬としての人気も然して高くないことを考えると、予想価格の1500万円は微妙に高いプライシングの印象を受けます。これを逆に考えると、もし1500万円レベルで募集されるならば、強気な価格設定と読み取れるので、実馬の出来が相当に良いと判断できると思います。
血統的には大いに魅力のある仔馬ですが、恐らく募集に掛かったとしても、直ぐに満口にはならず、じっくりと様子見が出来るタイプだと思います。その意味からも、グリーンファームらしい募集馬となる様に思います。

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