京都牝馬S:補正タイム分析

今週末開催予定の京都牝馬Sの特別登録が発表されました。最終的な登録馬は13頭となり、愛馬サザナミの出走が無事に確定しています。次走でラストランになる可能性が高いことから、最も適性の高いと思われる目標レースに出走できることは何よりの朗報でした。

そこで本レースの展望ですが、愛馬サザナミちゃんの巷の評価はイマイチ芳しくありません。netkeiba.comに至っては現時点で10人気の単勝56.4倍の予想が出ていますが、いったい何処をどう見るとこう言う予想になるのか、問い詰めてやりたい気分です。
出資者の欲目は除外して、今回のサザナミは人気のミスパンテールやワンスインナムーンと互角に戦える条件が揃っていると考えているのですが、今回はその辺りについて、Targetの補正タイムをベースに検討してみることにします。

Targetの補正タイムについては、この記事で簡単に説明した様に、要は100に近い値が出ていれば、そのレースで勝ち負けできるレベルと考えられるスピード指数の一種です。ここでまず、今回の出走13頭の直近2走の補正タイムは次の通りになります。(注:ワンスインナムーンの前走は海外レースに付き補正タイムが無いため、2走前と3走前のデータを使用しました。)

出走馬 前走 前々走
アットザシーサイド 87 94
アリンナ 86 84
エスティタート 94 87
エンジェルフェイス 94 94
オーヴィレール 90 88
サザナミ 96 96
ソルヴェイグ 93 96
タマモブリリアン 93 91
デアレガーロ 96 93
ミスエルテ 95 92
ミスパンテール 100 95
ワンスインナムーン 99 96
ヴゼットジョリー 86 96

これだけを見るとミスパンテールのみ補正タイムが100に達しており、GⅢ勝ちの水準時計が出ていることになりますので、普通はこれを見てミスパンテールを有力と判断することになります。しかし、この補正タイムで注意することは斤量の要素が考慮されていない点にあります。ミスパンテールの前走の補正タイムは確かに100出ていますが、これは前走と同斤量で走った場合に限られます。前走の斤量は53Kgだったのに対し、今走は55Kgと斤量が2kg増えますので、補正タイムはこの分だけ割り引くのが妥当です。そこで、幾つ割り引くのが適正かと言うと、一般に1Kgの斤量増は短距離レースで0.2秒の差と言われており、この0.2秒は補正タイムの”2”に相当します。つまり、前走のミスパンテールの補正タイム100は、斤量2Kg増となる今走に換算すると4減らして96と考えるべきと言うことになります。

そこで、以上の理屈を基にして、過去2走の補正タイムを斤量54Kgで一律に補正し、更に2走分の平均値を求めた結果が下表になります。

出走馬 前走 前々走 2走平均
アットザシーサイド 85 92 88.5
アリンナ 78 84 81.0
エスティタート 96 89 92.5
エンジェルフェイス 96 92 94.0
オーヴィレール 92 90 91.0
サザナミ 96 96 96.0
ソルヴェイグ 93 98 95.5
タマモブリリアン 89 91 90.0
デアレガーロ 96 91 93.5
ミスエルテ 95 88 91.5
ミスパンテール 98 89 93.5
ワンスインナムーン 101 96 98.5
ヴゼットジョリー 88 92 90.0

そして更に、この平均値を今回の斤量で再度補正し直すと、下表の結果が得られます。

出走馬 今回斤量 最終補正タイム
アットザシーサイド 54 88.5
アリンナ 54 81.0
エスティタート 53 94.5
エンジェルフェイス 54 94.0
オーヴィレール 53 93.0
サザナミ 54 96.0
ソルヴェイグ 55 93.5
タマモブリリアン 54 90.0
デアレガーロ 54 93.5
ミスエルテ 54 91.5
ミスパンテール 55 91.5
ワンスインナムーン 55 96.5
ヴゼットジョリー 54 90.0

以上より、斤量を考慮した補正タイムでは基準値100に達する馬は存在せず、95を超える馬もワンスインナムーンとサザナミの2頭のみになってしまいます。この結果を信じるならば、本レースは本命不在の混戦であり、サザナミも上位の一角を占めることになります。また一方で、1人気が予想されるミスパンテールには「軽ハンデに恵まれて勝って来ただけの、危険な人気馬」の疑いも浮上して来ます。

最終的な馬券の予想は補正タイムに加えて、臨戦過程・展開・騎手の能力を考慮して行うことになりますが、先ずは補正タイムからの判断では、この様な結果が得られることになります。

【補足】
上記検討では直近2走の補正タイムを平均しましたが、上り馬を高く評価するのであれば、直近1走のみで評価する方が妥当と考えることも出来ます。その場合、ミスパンテールの最終補正タイムは96となり、抜けた1人気は疑問ですが上位の1頭には加わることになります。
また、直近1走のみを評価した場合、エスティタートの補正タイムが98となり最上位にまで浮上します。格上挑戦になりますが、昨年の4着から高いコース適性は疑いなく、穴馬として秘かに注目しています。

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