本ブログも開始して早1年を経過した所で、昨年使ったネタを使い回すことが出来る様になりました。そこで、今回は昨年多数のPVを頂きましたた「グリーンファーム募集馬の予想」の今年度版を実施してみたいと思います。但し、昨年と同じでは芸がありませんので、今回は少しやり方を変えて見ることにします。「グリーンファーム所縁の仔馬の中から去就の明らかになっていない仔馬をリストアップして、そこから募集可能性の高い馬を予想する」と言うアプローチについては今回も同じですが、昨年は自分の直感だけで予想したのに対し、今年はシステマティックな予想を行ってみたいと思います。
そこで、どの様に予想するかですが、グリーンファームから募集されやすい仔馬のスペックを過去の傾向からリストアップして、それを荷重評価する方法を採ることとします。つぎに、どの様なスペックの仔馬がグリーンファームから募集される可能性が高いかを考えます。まず過去の会報でクラブ所縁の血統は募集馬の選定に重視する旨の記載がありましたので、縁故関係が強固であるほど募集可能性は高いと考えます。特に母親がグリーンファームに所属して活躍した場合は募集可能性が高くなります。
そしてもう一つの観点として、「市場で高値が付け難い馬はグリーンファームから募集され易い」と言う傾向が確実にあります。具体的には新種牡馬の産駒、初仔、遅生まれの仔などがこれに該当すると考えられます。
以下、今回の予想に用いた評価項目をリスト表示します。
1.母馬がグリーンファーム所属馬であった場合、+4ポイント加算します。
2.母馬がクラブ所属馬であったことに加えて、活躍した場合に加点します。
具体的には交流重賞を含むオープン競争に母馬が出走している場合に+4ポイント加算します。
3.兄姉がグリーンファーム所属馬である場合、1頭につき+1ポイントを加算します。
4.牝馬はセリで高値を付け難いと言う事実から、牝馬の場合に+2ポイントを加算します。
5.初仔は小さく出易く、兄姉の実績も無いことから、初仔の場合は+4ポイントを加算します。
6.新種牡馬産駒の場合はその実績が未知数であることから、+2ポイントを加算します。
7.社台系生産馬で非社台系種牡馬(種牡馬を放出した場合を含む)を配合している場合、社台グループとしてはブランド価値を守る必要がないため、安価に売却できる要素となり、該当馬は+3ポイント加算します。
8.那須野牧場生産馬は毎年一定数が募集されることから、+2ポイント加算します。
9.遅生まれの仔はセール時点で馬格が小さい可能性が比較して高く、高額で取引し難い傾向からグリーンファームから募集され易いと考えられ、該当馬は+2ポイント加算します。
10.高齢出産の仔馬は成績で劣ることが統計的に明らかであり、良血であっても高く売ることが難しく、クラブから募集される可能性が高まります。ここで高齢出産とは出産時母年齢が18歳以上とし、該当馬は+4ポイント加算します。
11.その他、セールで高値で売り難い仔馬を加点評価します。具体的に、母馬が既に繁殖馬セールで売約済みの仔馬、母馬が死去している仔馬、過去のセールで主取りとなった仔馬、事故で募集中止になった仔馬の下、繁殖牝馬の死去と売却、については+4ポイント加算します。
そして、これら11項目について評価した結果の合計ポイントが高い順に、募集候補馬をリスト表示した結果を以下に示します。
順位 | 馬名 | 父馬 | 評価点 |
1 | ミューラルクラウンの2017 | タートルボウル | 20 |
2 | モンシュシュの2017 | カジノドライヴ | 18 |
3 | リボントリコロールの2017 | ルーラーシップ | 18 |
4 | サヴァーレの2017 | スゥエプトオーバーポート | 17 |
5 | ジュエルオブナイルの2017 | タートルボウル | 16 |
6 | マウントフジの2017 | ケイムホーム | 16 |
7 | デフィニットの2017 | キズナ | 13 |
8 | アースリヴィングの2017 | オルフェーヴル | 12 |
9 | ソロリサイタルの2017 | ネオユニバース | 12 |
10 | バルドウィナの2017 | ヴィクトワールピサ | 11 |
11 | ファビュラスセンスの2017 | ストロングリターン | 11 |
12 | マルカフローリアンの2017 | タートルボウル | 11 |
13 | アースサウンドの2017 | オルフェーヴル | 10 |
14 | トゥルヴァーユの2017 | エスケンデレヤ | 10 |
15 | トゥルーストーリーの2017 | エイシンフラッシュ | 10 |
16 | ネーラペルレの2017 | ダノンシャンティ | 10 |
17 | クローズホールドの2017 | ゴールドアリュール | 9 |
18 | シンギングセンセーションの2017 | ヴィクトワールピサ | 9 |
19 | バウンシーチューンの2017 | ルーラーシップ | 9 |
20 | ラヴアズギフトの2017 | スゥエプトオーバーポート | 9 |
21 | リボンアートの2017 | ノヴェリスト | 9 |
22 | ヴァニラシャンティの2017 | フリオーソ | 7 |
23 | オッティマルーチェの2017 | キズナ | 7 |
24 | オルトリンデの2017 | ハービンジャー | 7 |
25 | サイレントクロップの2017 | クロフネ | 6 |
26 | ネヴァーフェイドの2017 | スクリーンヒーロー | 5 |
27 | ポンテペルレの2017 | アドマイヤムーン | 5 |
28 | ジャドールの2017 | クロフネ | 4 |
29 | カクテルの2017 | エピファネイア | 3 |
30 | チャイナドールの2017 | ハービンジャー | 1 |
本結果から評価点が10点を超えた上位16頭を2018年度の募集予想馬とするものとして、そのプロフィールを以下に記します。
No1.ミューラルクラウンの2017
父 :タートルボウル
母父 :ホワイトマズル
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :23号族
誕生日:2017/04/07
生産 :社台ファーム
母ミューラルクラウンは芝のマイル~中距離を主戦場とし、忘れな草(OP)への出走も果たし8着の結果を残しましたが、その後の500万条件では2桁着順を繰り返すことになり、生涯成績は1-1-0-13に留まりました。引退後は繁殖に上がり、タートルボウルとの間に産み落とした初仔がミューラルクラウンの2017です。しかし残念なことに、母ミューラルクラウンは本仔の出産と同日に他界しており、本仔は正に忘れ形見となってしまいました。母馬に出資された方にとっては、是非とも出資したい一頭ではないかと思います。父親が不人気のタートルボウルなので、価格的には安価に抑えられると思いますが、タートルボウルと相性の良い血であるNijinskyもノーザンテーストも母方にはなく、配合的な妙味を感じられないところが残念です。
No2.モンシュシュの2017
父 :カジノドライヴ
母父 :スペシャルウィーク
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
FN :23号族
誕生日:2017/04/18
生産 :社台ファーム
グリーンファームの所属馬だった母モンシュシュは関東オークス(Jpn2)への出走を果たし、3着の良績を収めました。500万条件に降級後はコンスタントに上位入着を続け、最終的に2-4-5-18(地方交流戦を含む)の成績を残しています。1000万円の募集価格に対し獲得賞金は6000万円を超えており、コストパフォーマンスの高い馬主孝行の馬でした。本仔は初仔で父親は不人気なカジノドライヴですので、募集価格は安価に抑えられると思いますが、母親同様の高パフォーマンスを期待したいところです。主戦場はダートと考えて間違いないでしょう。血統的にはトップラインとボトムラインにA.P.Indyの3×3クロスを有するのが特徴で、この強いクロスが爆発すればかなりの活躍が期待できるかもしれません。
No3.リボントリコロールの2017
父 :ルーラシップ
母父 :チチカステナンゴ
性別 :牝馬
毛色 :黒鹿毛
FN :4号族
誕生日:2017/01/25
生産 :社台ファーム
グリーンファーム所属のリボントリコロールはクラッシック戦線から頭角を現し、紫苑S(OP)2着,秋華賞(GI)5着と掲示板を確保する活躍を示しました。500万条件に降級した後は善戦するも勝ち星を上げることは出来ず、生涯成績2-4-1-14を残して引退しています。引退後は繁殖に入り、父ルーラシップとの間に設けた初仔が本リボントリコロールの2017です。本仔の下にも同じくルーラシップが種付けられましたが、残念ながら9月に他界されてしまいました。この結果、本仔がリボントリコロールの最初で最後の産駒となります。血統的には父系がエア一族、母系がスカーレット一族ですので、由緒正しき家系同士の組み合わせになります。また、母馬がノーザンテーストの血を持つサンデー系牝馬と言う点では、リリーノーブルと同じ構成になります。なお、初仔は小さく出る傾向がありますが、1月生まれの早生まれがこれを補ってくれるかもしれません。
No4.サヴァーレの2017
父 :スウェプトオーバーボード
母父:ローエングリン
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :3号族
誕生日:2017/01/26
生産 :社台ファーム
グリーンファームに所属した母サヴァーレはデビュー2走目で勝ち上がり、3走目でファンタジーS(G3)に挑戦。ここで4着と掲示板を確保する好成績を残し、その後の活躍が期待されましたが、脚元の故障と鼻出血を発症し僅か4戦で引退となってしまいました。引退後は繁殖に上がり、その初仔であるヴァベーネ(父:サウスヴィグラス)もグリーンファームから募集されました。しかしヴァベーネはソエに悩まされたこともあり、未勝利のまま岩手競馬へと転出しています。その後も兄姉に活躍馬は出ておらず、母サヴァーレ自身も昨年の繁殖馬セールに上市されてしまいました。その時点でジャスタウェイの仔を宿していましたが、そこでも買い手が付くことはなく、結局、現時点で社台ファームに引き続き所属している状況です。つまり、一度は社台グループとして戦力外通告を行った牝系であり、社台としても本仔に高い値付けは出来ないと考えられ、逆説的にグリーンファームから募集される可能性は高まることになります。
さらに、父スウェプトオーバーボードは非社台系種牡馬であり、社台ファームとしてブランド維持の要求はないことから、安価な売却が可能と考えられます。母・姉ともに脚元に不安を抱えていたことから出資にはリスクが伴いますが、その分だけ募集価格は安価になると想定されます。父スウェプトオーバーボードは昨年死去してしまいましたが、昨年は産駒レッドファルクスが高松宮記念(G1)を勝った様に、短距離系種牡馬としての能力は疑いなく、牡馬にも関わらず安価に募集されるのであれば、一考の余地はあるかもしれません。
No5.ジュエルオブナイルの2017
父 :タートルボウル
母父 :デュランダル
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :1号族
誕生日:2017/03/09
生産 :社台ファーム
母ジュエルオブナイルはグリーンファームに所属し、小倉2歳S(G3)に見事優勝した活躍馬です。また、その初仔であるゴールドケープ(父:ワークフォース)もグリーンファームから募集され、クラッシック戦線から活躍し、重賞出走を果たしました。さらにその半弟スターオブザナイル(父:ノヴェリスト)も昨年グリーンファームから募集され、デビューを待つ状況です。
ジュエルオブナイルの仔はこれまで全てグリーンファームから募集をされており、本仔が募集される可能性も高いものと想像できます。一方で、ジュエルオブナイルの配合相手としては、これまで輸入種牡馬が充てられており、本仔の父も不人気なタートルボウルです。輸入種牡馬は日本の芝に対応するためのスピードに欠ける傾向がありますが、ジュエルオブナイルのもつ母系のスピードがこれを補ってくれることが期待されます。さらに、ジュエルオブナイルのもつノーザンテーストの血と、タートルボウルのもつNightshiftの血は相似であり、3×4のニアリークロスを形成することも配合上の妙味となります。
No6.マウントフジの2017
父 :ケイムホーム
母父 :Orientate
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :21号族
誕生日:2017/02/14
生産 :那須野牧場
母マウントフジはグリーンファーム所属馬で、短距離ダートを主戦場に2-6-3-32の戦績を残しました。500万条件を中心に全43レースに出走して入着を繰り返したことは、正に「無事これ名馬」の言葉通りの、馬主孝行な馬だったと言うことが出来ます。引退後は繁殖に入り、父グランプリボスとの間に初仔を出産しました。この仔は2017年度のグリーンファーム募集馬としてカタログにも掲載されるところまで行きましたが、募集開始前に故障を発生してしまい、募集そのものが中止になってしまいました。2番仔となるマウントフジの2017は父がケイムホームに変わりましたが、半兄の分も含めてグリーンファームで頑張ってくれることに期待したいと思います。
配合的には今時では珍しいサンデーサイレンスフリーの血統構成です。父が米国系で、母が米国とドイツの混合ですので、素軽さとは無縁のバリバリのダート馬であると想像できます。正直なところ、地方競馬の方が似合う気もしますので、最初から地方交流戦狙いと言うのもありでしょうか?
No7.デフィニットの2017
父 :キズナ
母父 :デヒア
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :4号族
誕生日:2017/04/29
生産 :那須野牧場
「今年グリーンファームから募集して欲しい仔馬」のシリーズで7番目にピックアップした仔馬です。高齢出産馬ですがボールライトニングの下で父が新種牡馬のキズナと言うだけでワクテカしてしまいます。詳細なプロフィールについてはこちらの記事を参照下さい。
No8.アースリヴィングの2017
父 :オルフェーヴル
母父 :Yonaguska
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
FN :13号族
誕生日:2017/05/15
生産 :吉田ファーム
2017年にグリーンファームから募集されたアースビルボードの全弟です。母アースリヴィングはグリーンファームから募集された外国産馬で、兵庫ジュニアグランプリ(G2)で2着に入った後、海外競馬に挑み、UAE1000ギニーとUAEオークスで何れも2着と健闘しました。帰国後も2勝を上げて準オープンまで進んだ活躍馬です。引退後は繁殖に上り、シネマソングス(父ハーツクライ),アースビルボード(父オルフェーヴル)の2頭の産駒は全てグリーンファームから募集されています。流れ的には本仔もグリーンファームから募集されるのが必然と言えるでしょう。
問題は「上の2頭共に馬格が小さく出ていること」であり、現3歳のシネマソングスもなかなか続けて使えない状況にあります。配合的には1つ上のアースビルボードと同じですので、本仔が募集に掛かった場合にもアースビルボードの育成状況をみながら、出資判断するのが賢明でしょう。配合的にはアースビルボードの検討記事に書いた通りで、オルフェーヴル産駒の成功パターンと言われるMr. Prospector+Bold Ruler+Princequilloの構成を母系に有しています。配合的には十分に妙味がありますので、成長具合を見守りたいところです。但し、オルフェーヴル産駒は晩成傾向な上に、本仔は5月生まれなので、先ずは1つ勝てるか否かが問題になるかもしれません。
No9.ソロリサイタルの2017
父 :ネオユニヴァース
母父 :Rahy
性別 :牝馬
毛色 :栗毛
FN :1号族
誕生日:2017/02/23
生産 :社台ファーム
半姉にグリーンファームに所属したバラードソング(父ハーツクライ)とルコンセール(父キンシャサのキセキ)のいる牝系です。更に、グリーンファームの地方競馬募集馬のシュダイカは本仔の姪にあたり、グリーンファームとの結びつきの強い牝系です。母ソロリサイタルは仔出しが良く、産駒の大半が中央で2~3勝を上げています。本仔の一つ上のルコンセールは気性面に課題があって今のところ未勝利に留まりますが、ダートの短距離馬で掲示板まであと一歩のところまで来ていますので、勝ち上がるチャンスは十分に残っています。
ここで、本仔の最大の問題点は、母19歳時の仔馬であることで、高齢出産に該当します。セールでは高値の付け難い条件になるため、クラブに回って来る可能性は高いと言えます。また、父ネオユニヴァースが社台スタリオンから放出されていることも、ブランド維持の必要がなくなるため、安価に募集される条件となります。なお、ネオユニヴァース産駒は牡馬優勢の傾向があるため、牝馬の評価は低くなります。
一方で、配合的にはHeloの3×4を有する他に、母系のHail to Reasonのクロスを父方が繋ぐ形になり、血統的にはシンプルで綺麗な構成だと思います。ルコンセールはクロスの本数が多く、これが気性難に繋がった可能性がありますので、これ位の軽い配合の方が合うのかもしれません。ちなみに全姉のダイワカリエンテはネオユニ牝馬ながら2勝を上げて、1000万条件まで進んでいます。
No10.バルドウィナの2017
父 :ヴィクトワールピサ
母父 :Pistolet Bleu
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :1号族
誕生日:2017/01/22
生産 :社台ファーム
「今年グリーンファームから募集して欲しい仔馬」のシリーズで9番目にピックアップした仔馬です。無理筋と思いながらもピックアップした本仔ですが、もし募集にかかることになれば、高齢出産馬ですが今年の募集馬の目玉になること間違いなしでしょう。詳細なプロフィールについてはこちらの記事を参照下さい。
No11.ファビュラスセンスの2017
父 :ストロングリターン
母父 :グラスワンダー
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :22号族
誕生日:2017/02/10
生産 :社台ファーム
現2歳のグリーンファーム所属馬であるファビュラスギフトの1つ下です。母ファビュラスセンスもグリーンファーム所属馬であり、生涯1-3-2-9の成績を残しています。最終的に500万条件止まりでしたが、500万条件では大敗と馬券圏内を繰り返しており、出資者を楽しませてくれるタイプの馬であったことが判ります。
引退後は繁殖に入り、本仔が4番仔になりますが、これまでの4頭は全て牝馬であり、中央競馬で勝利を上げた産駒はまだ出ていません。先ずはファビュラスギフトに初勝利を期待したいところです。
本仔の父はストロングリターンに代わりましたが、母の脚質がマイル~中距離だったことを考えると、短距離傾向が強い産駒を出すストロングリターンとの組み合わせは微妙な感じがします。配合的にはRobertoの4×4を形成しますが、ストロングリターンと相性の良い、Mr. Prospectorの血もNijinskyの血も母系にはありませんので、血統的な妙味は感じません。
No12.マルカフローリアンの2017
父 :タートルボウル
母父 :サンデーサイレンス
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :4号族
誕生日:2017/04/20
生産 :社台ファーム
「今年グリーンファームから募集して欲しい仔馬」のシリーズで最後にピックアップした仔馬です。恒例の800万円シリーズを想定してピックアップした仔馬ですが、その血統構成には妙味があります。詳細なプロフィールについてはこちらの記事を参照下さい。
No13.アースサウンドの2017
父 :オルフェーヴル
母父 :Yes It’s True
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
FN :1号族
誕生日:2017/01/16
生産 :ハシモトファーム
母アースサウンドはグリーンファームから募集された外国産馬で、兵庫ジュニアグランプリ(G2)2着、全日本2歳優駿(G1)3着と交流重賞で優れた成績を残しました。また中央でもBSN賞(OP)でオープン勝ちも記録しています。引退後は繁殖に入り、産駒であるアースオブフェイムと現2歳のガーデンコンサートの何れもグリーンファームから募集されています。兄姉何れも募集早期で満口となる人気で、本仔がグリーンファームから募集されるのも必然的な流れの様に思われます。
父がオルフェーヴルに変わる本仔ですが、母系がダート馬である点との相性が気になります。オルフェーヴルの初年度産駒の成績をみると、ダートでも走る馬は出ていますので、ダメと言うわけではありませんが、血統的には芝で走れることに期待したいところです。また一方で、オルフェーヴル産駒はスピード不足に悩む仔が多いのに対し、短距離のスピードを誇ったアースサウンドとの相性は良い可能性があります。配合的にみると、オルフェーブルと相性が良いのはMr. Prospector+Bold Ruler+Princequilloの血と見られていますが、Bold RulerとPrincequilloの血は母方にクロスを有するほど充分に存在します。一方で、Mr. Prospectorの血は母方にありませんが、Raise a Nativeの血は持っていますので、血統構成的には類似と見なすことが出来ます。
最後に、本仔の最大のアドバンテージはかなりの早生まれである点にあると考えています。オルフェーヴル産駒は総じて晩成傾向にあり、2歳時の成績が優れませんでしたが、1月生まれであればこの弱点を補うことが期待できます。
No14.トゥルヴァーユの2017
父 :エスケンデレヤ
母父 :ダイワメジャー
性別 :牝馬
毛色 :栗毛
FN :10号族
誕生日:2017/03/14
生産 :那須野牧場
母トゥルヴァーユは北海道セレクションセールで577万円で落札され、グリーンファームから募集されました。新馬戦で2着に入り、未勝利戦では常に上位に入りましたが、500万条件に上がった後は力が足りず、4歳7月で早々に引退しています。引退後は那須野牧場で繁殖に入り、本仔がその2番仔になります。ちなみに、1つ上で父ワークフォースの初仔は未だに登録がされていません。
本仔の父は新種牡馬のエスケンデレヤで父父がGiant’s Causewayと言う血統です。ウッドメモリアルS(G1)を含めて海外4勝した輸入種牡馬ですが、その種牡馬能力は全くの未知と言えます。米国に残した4世代からは然したる活躍馬は出ておらず、母系も実績未知数となると、募集価格は自ずと抑えられたものになると考えらえます。
No15.トゥルーストーリーの2017
父 :エイシンフラッシュ
母父 :キンシャサノキセキ
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :4号族
誕生日:2017/05/30
生産 :那須野牧場
母母がデフィニットなので、グリーンファームとは強い縁故のある血統です。母トゥルーストーリーは京王杯2歳S(G2)に優勝したボールライトニングと、現2歳馬のライクトゥシャインと兄姉の関係にありますので、本仔はその甥にあたることになります。
母トゥルーストーリーは気性的な問題もあって、新馬戦も終わった3月の未勝利戦でのデビューになりましたが、そこで相手関係に恵まれて、見事に優勝を果たすことが出来ました。しかし500万条件では明らかに力が足りず、2桁着順を繰り返した後、4歳5月で早々の引退となりました。故障もなくて生涯6走と言うのは正直寂しい成績と言えます。引退後は繁殖に入り、本仔がその初仔となります。父エイシンフラッシュで5代アウトブリードになるのは、母が気性難だったことを考えると、良い選択かもしれません。
No16.ネーラペルレの2017
父 :ダノンシャンティ
母父 :キングカメハメハ
性別 :牝馬
毛色 :栗毛
FN :4号族
誕生日:2017/05/03
生産 :那須野牧場
母ネーラペルレと母母ポンテペルレは何れもグリーンファームの所属馬でした。何れもかなりの良血と言える血統です。母ネーラペルレはキングカメハメハが配合され、期待値の高い仔でしたが、500万条件では力が及ばず、4歳5月で引退してしまいました。引退後は繁殖に入り、その2番仔が本仔になります。父ダノンシャンティは初年度産駒から重賞3勝したスマートオーディンを出しましたが、そのスマートオーディンも故障による長期離脱となってしまい、先細りの印象が否めません。母系も活躍馬が出ていないため正直言って人気になる要素は見られず、グリーンファームから募集が掛かった場合でも、価格は最安値の価格帯に値付けされると思われます。
以上、16頭を並べて見ますと、評価式の作りから当然そうなるのですが、グリーンファームらしいと言えばらしい、微妙な感じのラインナップとなりました。いかにも募集に掛かりそうなスペックの仔馬が並びましたが、流石にこれでは種牡馬に華が無いのも事実であり、多少のサプライズは施されるものと思います。
一方で生産牧場をみると、ハシモトファーム,吉田ファーム,前田ファームの小牧場枠が綺麗に3つ埋まっており、那須野牧場産も5頭いますので、全体的なバランスは良くなったと思います。
最後に、「今年グリーンFから募集して欲しい仔馬」で取り上げた仔馬のなかで、バウンシーチューンの2017,サイレントクロップの2017,ポンテペルレの2017については、評価点が低く募集馬の予想からは漏れてしまいました。これにネヴァーフェイドの2017を加えた4頭については、本予想が外れても全く構いませんので、是非とも募集に掛かってくれることを願っています。
【2018/6/18追記】
サイレントクロップの2017は東京サラブレッドクラブより募集されることになりました。