2019年グリーンFから募集して欲しい仔馬⑦

2019年度グリーンFから募集して欲しい仔馬の7回目です。(一覧はこちら

巷の噂によると、社台TC・サンデーTC・G1TCの社台系一口クラブの今年の募集予定馬が発表になった模様です。こうなると、本シリーズで推敲中のネタも没になりかねないと言うことで、少し焦りながら稿を進めたいと思います。

ちなみに、先の3クラブの今年の募集馬の中で、グリーンファーム所縁の仔馬を確認してみると以下の4頭が見つかりました。

・ウィンドハックの2018 牝馬(父キズナ)
・ジェルオブナイルの2018 牝馬(父キングカメハメハ)
・サイレントクロップの2018 牡馬(父スクリーンヒーロー)
・ラブリネスオブパリの2018 牝馬(父ロードカナロア)

ジュエルオブナイルの仔馬については口惜しい思いの会員さんが多く居そうですが、個人的には期待している仔馬が含まれていませんでしたので、取り敢えず安堵したところです。ちなみに、昨年本家に持っていかれてしまったクィーンスプマンテ,ウィングドウィールの産駒はリストにありませんでした。今年はグリーンファームから募集される可能性も十分にありそうです。

..と言う訳で今回の募集期待馬ですが、スペック的には鉄板ながらもリスクの伴う仔馬をピックアップします。出資を決断するにはやや博打感が伴うのですが、募集価格次第では一発勝負して見たくなる、魅力に溢れた仔馬です。


No7:シークレットジプシーの2018

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :ダイワメジャー
母父 :Sea of Secrets
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
FN :42号族
誕生日:2018/02/19
生産 :社台ファーム

2.牝系情報

母シークレットジプシーは米国でGⅡを3勝した活躍馬で、引退後に繁殖牝馬として社台ファームに輸入されてきました。しかし、母の実績に見合う程の活躍馬は産まれておらず、唯一中央で2勝を上げているのが、グリーンファームから募集されたトラベリング(父ゴールドアリュール)の一頭のみと言う状況です。本仔の2つ上には全姉レッドオリアナがいますが中央では勝ち上がることが出来ず、一旦地方に出たのち3連勝して中央に復帰しています。

ここで最大の懸念材料がトラベリングとレッドオリアナの直近2頭が何れも喉に疾患を抱えていると言う点にあります。因果関係は定かではありませんが、出資判断をする上では遺伝的要因の可能性を排除することは出来ません。これが冒頭で本仔を「博打感が強い」と評した点に他なりません。

なお、本牝系のファミリーナンバーはあまり見かけない42号族ですが、分類的にはバランス系に見なされています。

3.種牡馬

父ダイワメジャーは皐月賞を皮切りにGⅠを5勝した活躍馬です。マイルチャンピオンシップを連覇した様に、マイル~2000Mが適正距離であり、これより長くなると苦しくなって来る様です。筋肉質で500Kgを超える雄大な馬体から繰り出すスピードのある走りは産駒にも受け継がれる傾向にあり、父以上に短距離適性の産駒が多く出ています。2018年度の種牡馬ランキングでも6位をキープしており、クラッシック路線では2歳チャンピオンのアドマイヤマーズを生み出した様に、その種牡馬成績と人気に衰えは全く見られません。2019年の種付料は500万円で、これは本仔が種付けられた2017年から維持されています。

4.血統配合

ダイワメジャーの有名なニックスはBlushing Groomとの配合ですが、実際はその父であるRed Godの血を有することがポイントとなっている様です。実際に勝ち上がり率で調べてみると、ダイワメジャー産駒全体の勝ち上がり率が48.2%に対して、Blushing Groom持ちの産駒は勝ち上がり率が53.3%にアップします。一方で、Red God持ちの産駒の勝ち上がり率は55.2%あり、全く遜色がありません。

特にRedGod持ちのダイワメジャー牡馬の勝ち上がり率は58.9%であり、特筆すべき成績を残しています。そして、本仔はこの配合パターンに合致しています。加えて、半兄トラベリング(父ゴールドアリュール)が喉の疾患を発生する前に見せたスピード能力は1000万クラスでも抜けたものがありましたので、これがダイワメジャーとの組み合わせになれば、更にスピード能力の高い仔が出るであろうことに疑いの余地はありません。

5.予想価格(予測モデルは本稿を参照

価格:2100万円(基本価格:1000万円,本馬補正:+200万円,父系補正:+500万円,母馬補正:±300万円,兄姉補正:100万円)

カタログスペックとしてはピカピカですので、この価格で募集されても違和感は全くありません。むしろこの価格であればリーズナブルと見なすことすら出来るのですが、ポイントは兄姉が抱えた喉のリスクを如何に評価するかに掛かってきます。

6.まとめ

本仔はRed God持ちのダイワメジャー牡馬と言う時点で評価は非常に高くなる上に、スピードのある産駒を生み出す牝系との組み合わせであることから、その短距離適性に疑いはないと思います。問題は喉に疾患が出るリスクであり、これを何処まで許容できるかが出資にあたっての判断ポイントになるでしょう。そういう意味では、「格安と見たらリスク覚悟で出資する」と言うのが賢い出資判断ではないかと思います。一方で、悩ましいのは半端に割り引きがされているケースで、そうなると「喉にリスクがあるから安価なのではないか」と言う懸念が出てくると思います。もし、首尾よく募集に掛かったならば、まずは価格に注目したい仔馬です。

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