2020年度グリーンFから募集して欲しい仔馬の6回目です。(一覧はこちら)
例年通りであれば、今週末から来週にかけてグリーンファームの今年の募集馬が発表されるかと思います。出来れば次回まで行って本シリーズを閉じたいと思っているのですが、場合によっては今回が今年の最終となるかもしれません。
6回目の今回は穴っぽいところを狙っていますが、グリーンファーム募集馬としては十分にありそうな気がする一頭です。
No6.リボンアートの2019
1.基本情報(netkeiba.com参照)
父 :ローエングリン
母父 :サンデーサイレンス
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :4号族
誕生日:2019年2月9日
生産 :社台ファーム
2.牝系情報
スカーレットインクから連なる一大牝系です。ダイワメジャー、ダイワスカーレットを始めとする多数の重賞勝ち馬を輩出した華麗なる一族ですが、一方で近年は目立った活躍馬を出せてない状況でもあります。
グリーンファームとの縁故関係としては本仔の半姉リボントリコロールがクラブ所属馬であり、秋華賞5着の成績を残しています。さらに、その下のロゼットブルー・ジョリーリュバン・リボントリコロールの産駒のルヴェルソーもグリーンファームから募集されており、クラブとの結びつきは比較的強固な牝系と言うことが出来ます。
3.種牡馬
父ローエングリンはGⅠにこそ手が届きませんでしたが、GⅡでは4勝を上げる成績を残したことで種牡馬入りを果たしました。種牡馬としては必ずしも多いとは言えない初年度産駒の中から皐月賞を制したロゴタイプを産出したことで、その後の躍進に期待が掛かりましたが、そこまでの成績は伸びていません。もっとも、ロゴタイプの活躍で種付け数が増加した2014年~2015年の産駒からは、カラクレナイ・ヴゼットジョリー・トーセンスーリヤ・ハッピーグリンと言った活躍馬が出ていますので、決して能力の低い種牡馬ではありません。もう少し繁殖の質に恵まれていれば、更なる結果は残せたものと考えています。
現在はロゴタイプが種牡馬入りを果たしており、今後の血を繋ぐ仕事はロゴタイプに引き継がれます。幸い、ロゴタイプは社台スタリオンにスタッドインすることが出来ましたので、父を超える種牡馬としての成績を残してくれることが期待されます。
4.血統配合
ローエングリン産駒と言う必ずしも華が有るとは言えない産駒をピックアップした理由はその配合にあります。「父ローエングリン-母父サンデーサイレンスの配合」はロゴタイプ、ヴゼットジョリーの2頭の重賞勝馬と同じであり、間違いなくNIXと考えて良い配合です。ちなみに、グリーンファームから格安募集されながら2勝を上げる成績を残したフロリアヌスも、同じく「ローエングリン-サンデーサイレンスの配合」でした。
そして、もう一つ本仔に妙味を感じるのが「フェデリコテシオの理論」による分析の結果です。
優先祖先:Whishing Well
基礎体力:64%
種付け年度のローエングリンは劣勢期であり、優先祖先は母系でサンデーサイレンスの母Whishing Wellになります。そして、Whishing Wellは芝のマイル~2000Mに勝鞍のある活躍馬です。
ここでポイントは「Whishing Wellを優先祖先に持つ馬の中には活躍馬が多数存在する」ことであり、その最たる例がディープインパクトになります。即ち、「フェデリコテシオの理論」からすれば、「ディープインパクトの脚質はWishing Wellから引き継がれたもの」と考えられることになります。
一方で、基礎体力値も64%と十分に高い値を示しており、これはスカーレット一族の有する優れた基礎体力値に拠るものです。また、本仔の懸念材料として母の高齢(出産時17歳)が挙げられますが、これも前年が空胎であったことから、悪影響はある程度まで緩和できると考えられます。
5.予想価格(予想モデルは本稿を参照)
予想価格:1300万円(基本価格:1000万円、本馬補正:0万円、父系補正:50万円、母馬補正:150万円、兄姉補正:100万円)
優れた牝系ではありますが、母が高齢である点と父の人気が無いことから、予想価格は1300円に抑えられました。もっとも、感覚的にはもう一声安価でも良い様に思えますので、この辺りは価格から実馬の出来を推測する材料になるかと思います。
6.まとめ
グリーンファームとは縁故関係の強い牝系ですが、リボントリコロールの想定外の早世によって、将来的な関係に不安が生じてしまいました。リボンアートの年齢を考えるとこの先の産駒は限られることから、本仔が活躍して新たなクラブとの絆となることに期待したいと思います。