毎年の恒例ネタとして続けていた「グリーンファームから募集して欲しい仔馬」のシリーズですが、今年は如何にも筆が重くてスタートが切れません。原因は明確で、ここで示した通り、「今年は主要な牝馬の産駒の就職先が総じて決まってしまったこと」にあります。ぶっちゃけ、「絶対に募集して欲しい！」と訴えたくなる様な所縁馬が殆ど見つからない状況なのですが、今月末には募集馬の発表も迫るなかで、少ない中から気になる産駒を採り上げて行きたいと思います。
Ｎｏ１：ウィンドハックの2020
１．基本情報（netkeiba.com参照）
父 ：イスラボニータ
母父 ：プラティニ
性別 ：牡馬
毛色 ：鹿毛
ＦＮ ：９号族
誕生日：2020年5月11日
生産 ：社台ファーム
２．牝系
半兄にグリーンファーム所属のブランドベルグ（父ネオユニヴァース）のいる牝系です。ブランドベルグは去勢手術を受けることになりましたが、４勝を上げて準オープンでも４着に入る優れた成績を残しました。
母ウィンドハックは輸入繁殖牝馬であり、イタリア1000ギニー（ＧⅡ、芝1600）を制した実績があります。
さらに、母父プラティニは93年のジャパンカップにドイツからの招待馬として出走しており、４着の成績を残しています。日本競馬界に直系の産駒は存在せず、母父に名前を残すのみですが、孫世代の成績は優秀で、勝ち上がり率は50%を越えています。
なお、本仔は母ウィンドハックの１１番仔にあたり、ブランドベルグから数えて８歳下の弟になりますが、今のところブランドベルグを超える産駒は出ていません。
３．父系
父は今年産駒のデビューするイスラボニータに変わりました。ウィンドハックとの配合は初めてになりますが、３勝を上げた本仔の半姉バーミープリーズは父がキンシャサノキセキであり、フジキセキ系との配合としては実績があることになります。
４．血統分析
本仔は５代目までにクロスを持たないアウトブリードの配合です。高齢出産から産駒が虚弱に出るリスクを考えるとアウトブリードはプラス評価出来ると思います。
更に、本仔は自分流テシオ理論で評価したときに、非常に妙味のある産駒となります。
優先祖先：イスラボニータ（８）
基礎体力：７５％
最大のポイントは父と母の何れもMAX活性の年回り当たると言う点です。ブランドベルグは母の最初のMAX活性時の産駒であり、そこから１サイクルを経た産駒が本仔となります。母がMAX活性であることから、基礎体力値は７５％と、極めて高い値を示しています。
更に父イスラボニータの活性値もMAXの８になります。母系のAvatarも活性値８で並びますが、自分流テシオ理論では若い世代を優位と判定しますので、優先祖先はイスラボニータとなります。その結果、「父馬が優先祖先＆MAX活性」のパターンとなり、個人的に最も高い評価条件に該当します。
また、連産サイクルをみると、ウィンドハックは明らかに偶数年の産駒が活躍する母馬であり、本仔はそのパターンに合致しています。
５．予想価格（予想モデルは本稿を参照）
予想価格：1800万円（基本価格：1000万円、本馬補正：200万円、父系補正：150万円、母馬補正：300万円、兄姉補正；100万円、端数調整：50万円）
予想価格は1800万円と算出されました。高齢出産の産駒としては微妙に高目の印象も受けますが、１つ上の半兄がセレクトセールにて3600万円で落札されたことを鑑みれば、むしろこの金額で募集されれば格安と考えるべきでしょう。
６．まとめ
ブランドベルグ以降、本牝系の産駒がグリーンファームから募集された実績はなく、本仔が募集される蓋然性も低いのですが、母が高齢になってグリーンから募集されるパターンもありますので、今年はワンチャン期待してみたいと思っています。
テシオ理論的には、ブランドベルグから数えて１サイクルを経たウィンドハックのMAX活性産駒であり、個人的募集期待馬のＮｏ１として、もし募集してくれるならば狂喜します。