「2021年グリーンファームから募集して欲しい仔馬」の5回目です。今回チョイスしたオレンジティアラの2020は、先週末の新馬戦における半姉の激走を見て、希望ランクを引き上げました。
No5.オレンジティアラの2020
1.基本情報(netkeiba.com参照)
父 :サトノダイヤモンド
母父 :サクラバクシンオー
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :3号族
誕生日:2020年3月31日
生産 :社台ファーム
2.牝系
母オレンジティアラはグリーンファーム所属馬として4勝を上げ、準オープンクラスまで進んだ活躍馬です。2歳時にはフェニックス賞(OP)と小倉2歳S(GⅢ)にて、何れも3着の好成績も残しました。また、オレンジティアラの半妹にあたる、オレンジブーケとアランチャの2頭もグリーンファームから募集されていますが、こちらは中央で勝ち上がることが出来ませんでした。
本仔はオレンジティアラの5番仔で、母年齢13歳時の産駒になります。オレンジティアラの産駒は死産が2回、さらに1頭は競争馬になれませんでした。結果、本仔の兄姉で競走馬となれたのは3頭しかおらず、グリーンファームから産駒が募集された実績はありません。また、産駒が少ないこともあってか、これまでは活躍馬の出ない状況でしたが、1つ上の半姉ポメランチェ(父キングカメハメハ)が先週の新馬戦でデビューして、見事なレコードで新馬勝ちを収めました。ようやく活躍馬を出したと考えて間違いは無さそうです。
なお、オレンジティアラの産駒で牡馬に出たのは本仔が初めてになります。
3.父系
父は新種牡馬のサトノダイヤモンドです。サトノダイヤモンドは凱旋門賞にも出走した言わずと知れた名馬です。脚質は芝の中距離適正であり、芝短距離適性の本仔の母系と組み合わせて、産駒がどの様に出るのかは興味深いところです。
4.血統分析
サンデーサイレンス系の父に母父サクラバクシンオーを組み合わせる配合は、キタサンブラックを代表に多数の活躍馬が存在しています。さらに、父をディープインパクト系に限定してもビアンフェ、アデイインザライフ、エントシャイデンと言った活躍馬が見つかります。但し、全体の勝ち上がり率を見ると僅か27%でしかなく、むしろ低調と言うことが出来ます。当たり外れの大きい組合せと見るべきかもしれません。
次に、自分流テシオ理論で評価したときの本仔の評価は以下の通りです。
優先祖先:オレンジブロッサム(8)
基礎体力:69%
優先祖先は母母オレンジブロッサムになります。活性値がMAXの8である点は好評価できますが、オレンジブロッサム自身の競争成績が1000万条件止まりである点は、割り引かなければなりません。なお、本仔が母系似の産駒に出るとすればその脚質は芝短距離適性となることを示します。これについては本馬の駐立写真をみて確認をしたいところです。
一方で、オレンジティアラの牝系は優れた基礎体力値を有しており、本仔についてもオレンジティアラの活性値は4止まりですが、トータルの基礎体力値は69%の極めて高い値を示しています。
これに対し、懸念材料としては1つ上のポメランチェが相当な活躍馬となる片鱗を示したことで、「活躍馬の隔年性を考慮すると本仔は走らない年回りと考えられる」ことが挙げられます。只、本仔の牝系はベースとして高い基礎体力値を有していることから、続けて活躍馬を出す可能性も秘めていると考えます。
5.予想価格(予想モデルは本稿を参照)
予想価格:1700万円(基本価格:1000万円、本馬補正:200万円、父系補正:300万円、母馬補正:200万円、兄姉補正;0万円、端数調整:0万円)
予想価格は1700万円と算出されました。半姉ポメランチェが本家にて2400万円で募集されたことと比較すると、1700万円は安価な印象も与えますが、ポメランチェの種付料(キングカメハメハ)が1200万円であったことを考慮すれば値差が900万円ありますから、本価格は適正価格と見ることが出来ます。
6.まとめ
前回のウィングドウィールの2020と同じく、本仔もグリーンファームで活躍した母馬の産駒でありながら、過去にクラブから募集されていない仔馬になります。ポメラメンチェ以前の産駒から活躍馬が出ていないこともあって、そろそろ本仔がグリーンファームに回ってくる可能性は十分にありそうな気がしています。そして、このタイミングで1つ上が能力を示したことで、本仔の評価も大きくあがることになりますから、期待通り募集をされれば注目を集めることは間違いないと思います。
只、個人的には連産サイクルの隔年性が気になるところであり、1つ上が活躍したから飛び付くのではなく、馬体の見極めを十分に行う必要があると考えています。