「2021年グリーンファームから募集して欲しい仔馬」の6回目です。今回を以て、今年の本シリーズは終わりにしたいと思います。
早ければ今週末にはグリーンファームから正式な募集馬発表がされる見込みですが、これまでにピックアップした6頭の中から、少なくとも半分が募集されることを願っています。
No6:エレンシアの2020
1.基本情報(netkeiba.com参照)
父 :サトノアラジン
母父 :ワークフォース
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :9号族
誕生日:2020年3月11日
生産 :那須野牧場
2.牝系
現2歳馬のエレダールはグリーンファームから募集され、その恵体から先行申し込み期間で満口になりましたが、本仔はその1つ下の半弟になります。父はゼンノロブロイからサトノアラジンに変わりました。また、本仔の母エレンシアもグリーンファーム所属馬でしたが、エレンシアは馬格が小さく体質的にも虚弱で、僅か2走で引退することとなり、繁殖入りをしています。
一方で、本仔の牝系は4代母デプグリーフから連なる一大牝系になります。祖母エリモシックがエリザベス女王杯を制した他、近親に多数の重賞勝ち馬が存在しています。
なお、本仔はエレンシアの3番仔(初仔は生後直死)で、母年齢7歳時の産駒になります。
3.父系
父は今年から産駒のデビューするサトノアラジンであり、その種牡馬能力は未知数です。ディープインパクトの厳しい後継種牡馬の座を争う1頭になりますが、ディープインパクト産駒としては比較的珍しいマイラーであることから、そのスピードをどこまで産駒に伝えることが出来るのかが、種牡馬としての評価を左右すると予想します。
4.血統分析
母父にワークフォースの血を有する産駒はまだ数が少なく、その傾向性を把握することが出来ません。一方で、「サンデー系×キングマンボ系」と言う括りで見れば、多数の活躍馬を輩出した優れた配合パターンと言えます。
クロスに関してはMr.Prospector, Lypahrd, Northan Dancerの父母間クロスを有しますが、何れも4世代以降のクロスであり、過度の懸念材料にはならないと考えます。
次に、自分流テシオ理論で評価したときの本仔の評価は以下の通りです。
優先祖先:サンデーサイレンス(7)
基礎体力:56%
母の活性値は6で基礎体力地は56%となり、無難に平均値をクリアしています。
一方で、優先祖先を探ると、父サトノアラジンの活性値がMAXの8で、母系の最大活性がワークフォースの5であることから、優先祖先は父系の3代目のサンデーサイレンスになります。サンデーサイレンスを優先祖先に持った産駒は優れた成績を残すケースが多いと考えており、特に本仔のサンデーサイレンスの活性値は7と高く、評価がさらにアップします。
5.予想価格(予想モデルは本稿を参照)
予想価格:800万円(基本価格:1000万円、本馬補正:0万円、父系補正:100万円、母馬補正:-200万円、兄姉補正;-100万円、端数調整:0万円)
予想価格は800万円と算出されました。牝馬の上に母と兄姉の実績もないことから、カタログスペック上は高い値付けは難しい様に思われます。但し、兄エレダールが1400万円で募集されたことを考慮しつつ、牝馬に代わった価格差を200万円と値踏みすれば、1200万円が蓋然性の高い募集価格となりそうです。
6.まとめ
カタログスペック的には華の感じられない産駒ですが、兄エレダールの恵体を考えると、本仔の出来にも期待しない訳には行きません。牝馬に変わった点は残念ですが、配合的にはエレダールよりも妙味を感じますので、優れた牝系を背景に兄と同様の恵体であれば本仔も人気化すると思います。