2022年度:様子見対象馬のフォロー①

2022年度募集については、既に予算が底を尽きかけてはいますが、一応、現時点での様子見対象馬についてフォローをして行きたいと思います。

様子見対象馬があるのはグリーンFとYGGの募集馬で、DMMからの様子見対象はありません。正直、今年のDMMの募集馬は価格と馬質がバランスしていない印象で、キャッシュバックが無ければ追加出資は難しい印象です。

以下、クラブ毎に個人評価の高い順に各4頭を記載します。

GF:エルメスグリーンの21、ロータスクイーンの21、シンギングセンセーションの21、パイレートクイーンの21
YGG:ビジュートウショウの21、サンドアドバイスの21、リボルトレイダーの21、プレインズウーマンの21


【グリーンF】

今年のグリーンファーム募集馬は現時点で満口馬が2頭しかおらず、ある意味で「選り取り見取り」と言うか、様子見派にとっては理想的な状況にあります。それだけ、様子見候補馬を手広く見ることが可能になりますが、ここでは個人評価上位に絞って記載します。(注:プランタンビジューの21も高評価していますが、明らかな予算オーバーのため、ここでの順位は落としています。)

1.エルメスグリーンの21(残50口弱)

・更新日 :2022/12/03
・馬体重 :450Kg
・メニュー:坂路2回/週(20~25秒)

ファンタストクラブ木村Sにて育成中。週2回坂路入りを行い、20秒までペースアップ。年内に18秒まで予定。関節の可動域が広く、トモの面積も広い。中殿筋の発達状態が好評価。やや胴が短めだが、脚長があるので、マイルは十分に対応出来そう。

厩舎レベルも高く、特段の懸念材料が見当たらない。強いて言えば踏み込みが少し浅い気がするが、緩さが抜ければ改善すると思われる。また、馬体重が450Kgで停滞しているが、乗り込みながらキープは出来ていると解釈したい。ファンタストクラブ育成への不安を指摘する声も聞こえるが、個人的にはチェスナットF育成より上の評価。

2.ロータスクイーンの21(残100口弱)

・更新日 :2022/12/03
・馬体重 :499Kg
・メニュー:坂路3回/週(17秒)

森本Sにて育成中。乗り込みながらも馬体重が499Kgまで増加している。運動メニューはBTCの坂路コースを週3回17秒ペースまで進んでおり順調。年内には16秒ペースまで進める予定。

恐らく、今年度のグリーンF募集馬の中で、最も馬体の成長の著しいのが本仔。適度な胴伸びがあり、脚も長目で、中距離まで対応が可能と予想。トモの容量があり、中殿筋も目立つ。前肢は柔らかく前から出ているが、後肢の踏み込みが少し浅い。緩さが改善すれば、踏み込みの力強さも増すと思われる。大型馬で緩さの解消に時間を要する可能性の高い点が気掛かり。出資判断にはデビュー時期の見極めが重要。

個人的に、ヴィクトワールピサ産駒には既に1頭出資している点で悩ましいが、バランスの良い馬体には魅力が大きい。

3.シンギングセンセーションの21(残100口弱)

・更新日 :2022/12/03
・馬体重 :457Kg(10/14)
・メニュー:坂路1回/週(18秒)

チェストナットFにて育成中。馬体の順調な成長が目立つ1頭。BTCの坂路を18秒ペースで登坂しているが、本数が不明。また、最新の馬体重も公表されておらず、評価は保留。情報量の少ない点も、チェスナットF育成のネック。関節の可動域が広く、トモの面積も大きい。中殿筋の発達が目立つ。胴伸びがあって脚も長く、中距離まで期待したいが、クラブ会報に掲載された加用師の見立てはマイルまでの判断。

順調な成長具合は本年募集馬の中でもトップクラス。緩さを感じる馬体で、トレーニング負荷の推移をウォッチしたい。十分な乗り込み量のあることが重要だが、特に登坂本数が消化出来ているかに注意したい。個人的にチェスナットF育成馬は評価を一段下げている。

なお、加用師は本仔の3歳2月時点で定年となることから、何れは転厩が発生する。馬体の魅力に対して、環境的なマイナス要素をどの様に評価するかが本仔の問題。

4.パイレートクイーンの21(残100口弱)

・更新日 :2022/12/03
・馬体重 :424Kg
・メニュー:坂路2~3回/週(18秒)

社台Fにて育成中。5月生まれで、また馬体が細い。体重は増加傾向にあるが、期待レベルには届いていない。その分だけ運動メニューを抑えることになるが、それでも週3回坂路入りして18秒ペースまで進んでいる。小柄だがバランスの良い馬体が魅力。トモ幅があり、中殿筋の面積も広い。馬体重の割には胸囲もある。スクェアな馬体はこれから胴が伸びて丁度良くなると予想。脚が長く、中距離をこなせるはず。

本仔の魅力はバランスの良い馬体と血統。グリーンFでキタサンブラック産駒に出資出来るチャンスは貴重。サンデーサイレンスをクロスする配合も成功パターンに合致している。一方で、旋回癖のある点は大きな懸念材料。馬体重が期待通り増えてこないのは、旋回癖による消耗の可能性も否定できない。出資判断の際には旋回癖の程度を確認する必要がある。厩舎力も少し不安。

兎にも角にも、本仔については今後の成長が重要。440Kg越で競馬が出来るかを見極めたい。成績好調な社台F育成である点は魅力。現時点で出資レベルには達していないが、懸念材料の解消状況を見守りたい。グリーンFらしい様子見向きの募集馬。


【YGG】

YGGも様子見のやり易い、ありがたいクラブですが、最近は成績の向上に連れて早期満口馬が増える傾向にあります。..とは言え、安価な地方馬の人気が先行する傾向でもあり、中央募集馬に限って見れば、募集12頭中の2頭が満口。残50%以下は4頭ですから、焦らずに様子見の可能な状況です。今回ピックアップした4頭には何れも長所と短所が存在し、一応の順位は付けていますが評価は殆ど横一線です。

1.ビジュートウショウの21(残50%以下)

・更新日 :2022/11/30
・馬体重 :454Kg(11/21)
・メニュー:坂路2回/週(17秒)

森本Sにて育成中。一見して小柄に見えるが、実際は馬格の有る好馬体。特に胸囲の179cmは立派。適度な胴伸びがあり、トモ幅が広く、脚長もある。馬体のパランスの良さが目立つ。現在の運動メニューは週2回坂路入りして17秒ペースをこなしており順調。年内に週3回、16秒ペースが視野に入る。

本仔の魅力は全体的なバランスの良さ。体型的なバランス以外にも、筋肉の発達・歩様・価格など、突出した長所は無いがトータルでのコストパフォーマンスに優れる印象。一方で懸念材料は気性。募集当初よりも落ち着いて来た気配ではあるが、まだまだ油断は出来ない。前脚が微妙に湾膝状である点もリスク。

2.サウンドアドバイスの21(残50%以下)

・更新日 :2022/11/30
・馬体重 :442Kg(11/23)
・メニュー:坂路2回/週?(15秒)

99.9(ナインティーナインポイントナイン)にて育成中。馬格があり、筋肉量も豊富な好馬体。現在の運動メニューはBTCの坂路で15-15を開始しており、2歳募集馬の進捗状況としてトップクラス。ただし具体的な登坂本数は不明。

純粋に馬体だけを見るならば、本仔が個人的なトップ評価。筋肉量があり、特に立派な中殿筋に惹かれる。関節の可動域が広く、後肢の踏み込みも十分。歩速があって、運動神経も良さそう。柔軟性を感じる筋肉の質感も良い。

一方で、懸念材料は気性。ビジュートウショウの21よりも不安要素が大きい。YGGの牧場見学会では「鎮静剤が投与されて登場した」と言う逸話まである。直近の育成状況では気性面の問題は現れておらず、むしろ前進気勢の出る良い方向に推移しているが、何処でスイッチが入るのか、予断は許さない。

その意味で更に心配な点が、育成牧場と厩舎。何れも新進の組織であるが、言い換えれば実績と経験が不足している。そこで気性に課題の有る本仔を適切に躾け、調教することが出来るのか、育成の推移を見守りたい。

3.リボルトレイダーの21(受付中)

・更新日 :2022/11/30
・馬体重 :462Kg(11/21)
・メニュー:坂路2回/週(17秒)

森本Sにて育成中。馬格があり、特にトモの面積が大きい。但し、芦毛の影響も含めて、筋肉の発達状況は確認が難しい。現在の運動メニューはBTC坂路を17秒ペースで週に2回登坂していて順調。追って週3回に増やす予定。

本仔の最大の特徴はラニ産駒でありながら、気性が安定していること。調教時のコントロール性も良く、優等生タイプとの評価。ラニの初年度産駒からは総じて気性の荒さが喧伝されており、本仔の気性の安定性は高評価したい。

一方で、マイナスポイントは動きの硬いところ。関節の稼働域がもう一つ狭く、後肢の踏み込みも甘い。これはトモの緩さから来ているのかもしれない。筋肉の質感も柔軟性に欠ける印象。胴伸びがあって脚が短目なことから、距離適性は短いものと予想される。短距離適性であれば、多少の可動域の狭さは、四肢の回転速度でカバーできるが、それには十分な筋量が欲しい。馬格に見合うだけの筋肉がついてくるかをウオッチしたい。

4.プレインズウーマンの21(受付中)

・更新日 :2022/11/30
・馬体重 :425Kg(11/21)
・メニュー:坂路2回/週(17秒)

森本Sにて育成中。すこし小柄ではあるが、筋肉のメリハリがあってバランスも良い。特に幅の有るトモが好印象。現在の運動メニューはBTCの坂路を週2回、17秒ペースで登坂しており順調。追って3回/週に増やす予定。

本仔の魅力はバランスの良い馬体。まだ馬体に厚みが無く、筋肉量が不足しているが、調教を積んで筋肉の発達が促されれば、好馬体になるはず。関節の可動域が広く、歩速もある。筋肉の質感も良好。

一方で気になる点は本仔の脚質。キンシャサノキセキ産駒であることから、短距離適性と見る向きが多そうだが、馬体と歩様をみるとマイル前後まで対応出来そうな印象を受ける。この辺り、頭から決めつけずに柔軟に適性を見極めて欲しいところに対し、実績のある寺島厩舎に預託されることは安心感があって高評価。

何れにしても現状では馬体の厚みが足りない。440Kgを超えて競馬が出来る程度まで膨らむかを見極めたい。前肢が弓脚傾向にある点にも注意が必要。半姉の募集価格に対し、本仔の1210万円はリーズナブル。

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