10/28、東京4R・新馬(芝1400牝)にて愛馬スマイルコレクターが競争馬デビューを果たしました。自分の過去の出資馬の中でもこれほど気性に危うさを感じた仔馬はいませんでしたが、関係スタッフのご尽力のお陰で、競争馬として恥ずかしくないデビューを飾ることが出来ました。
まず、本走の馬体重は452kgでした。山元TCのスタッフさんの過去コメントで「450kg台で競馬をさせたい」旨の発言が有りましたが、これを無事にクリアすることが出来ました。
最も心配していたパドックでは、初めての環境に動じる気配も見せず、手綱を短く持たれる程度で1人引きで周回が出来ていました。戸崎Jが騎乗しても嫌がるところは見せず、馬場入りも特に問題なし。返し馬に軽快に入って行きました。育成過程で見せた本仔の姿を思うと、正直、別馬の様なお行儀の良さでした。
先入れのゲートでも煩い感じは見られず、スタートも五分に出ることが出来ました。1人気のジークルーネを先に行かせ、その後ろの5番手のポジションで折り合います。このとき、本馬の外を4人気のシアターが並走して内に押し込まれる形になったのですが、結果的にこれが勝負の綾でした。
本馬のバックストレートの走りは追い切りで見せた様な首を高く上げたものではなく、「気持ち高目かな?」と感じる程度でした。恐らく戸崎Jは意図的に馬群に入れる競馬をしたと思うのですが、前に壁を作ったことで折り合いを教えることが出来たと思います。
ラップタイムは1000Mの通過が60.3秒で、新馬戦特有の超スローペースにはならず、普通のスローペースから先行有利の展開になりました。本馬は5番手並走のまま3角~4角を回りますが、ここでもシアターが隣をキープしていて、外に持ち出すことが出来ません。一度は無理に出ようと試みましたが、馬体をぶつけ気味に押さえ込まれてしまい、止む無く内に進路を求めます。
しかし、前にはルメールJ騎乗のジークルーネが頑張っていて、進路を確保することが出来ません。只、これについては「ルメールJが巧みにブロックした」と言うよりは、単に「ジークルーネがフラフラ走っていて、危なくて中を割ることが出来なかった」様に自分には見えました。結局、最後までフリーに走れる進路は得られず、先行馬を1頭交わして4着と言う結果に終わっています。
SNSの書き込みを見ると、戸崎Jの騎乗に対する不満の声が散見されましたが、自分的には必ずしも悪い騎乗では無かったと思っています。まず、馬群の中で競馬をさせたことは、本馬の気性面の危うさを考えれば間違いなく正解です。安易に先行させて暴走させると、折り合いの出来ない限定的な条件でしか走れない馬になるリスクがありました。本馬には芝のマイルまで走ることを期待していますので、最初で我慢を教えたことは後々に意味を持つと思います。
また、直線で進路が確保出来なかったことについては、シアターの粘りを評価した方が良いと思います。新馬戦で相手の力量が不明な中では、シアターがどの程度の馬なのか、戸崎Jにも判る筈がありません。もし、シアターにここまで粘る走力が無ければ、東京の長い直線の中で、外に進路を確保するチャンスはあった筈です。結果的に前が詰まる競馬になってしまいましたが、素直に「運が無かった」と割り切った方が良いと思います。
レース後の斎藤師からは「少し窮屈な競馬になってしまいましたが、デビュー戦としてはよく頑張ってくれたのではないかと思います。使って良くなりそうなので、もう1戦できればと思っています。」のコメントが出されています。
新馬戦は惜しい競馬になってしまいましたが、育成時の本仔の気性を考えれば、ここまで我慢する競馬の出来たことを何よりも褒めて上げたいですし、今後に繋がる収穫の多いデビュー戦になったと思います。戸崎Jからも「この感じなら1600mでも大丈夫です。」とコメントがあった様に、短距離しか走れない馬にならなかったことは、本当に大きいと思います。