2024年度:グリーンF様子見馬のフォロー①

2024年度グリーンF募集馬の中で様子見中の馬について進捗をフォローして行きたいと思います。2025年度の募集で戦うための実績値を確保するために、2024年度募集から更に2頭追加出資することを考えており、それにはここからの様子見と見極めが極めて肝要になります。

以下、本稿の検討は2/12~2/14に更新された情報をベースに行いました。一応、個人的な評価上位から6頭を記載します。

※ あくまでも自分用の様子見メモであり、既に出資を確定したファストアズエバーの23・メールデゾレの23・フリスコベイの23・アースグリーンの23に加え、満口のアンデスクイーンの23・ストロボフラッシュの23・サムシングジャストの23はここでのフォロー対象になりません。


1.ジュリエットベールの23

父  :マインドユアビスケッツ
母父 :ヴィクトワールピサ
性別 :牝馬
誕生日:2023/5/8
生産 :社台F

現在の個人的な筆頭評価はジュリエットベールの23です。社台Fで育成中で、進捗は2~3番手グループと思われますが、現時点で1日に坂路2本を乗ってF16秒ペースならば、早期デビューは難しくても秋頃のデビューは狙えると思います。本馬は5月生まれでもあり、秋にデビューできれば十分過ぎると思います。

本馬をトップ評価したポイントは馬体の成長。最新の馬体重は496kgで、牝馬としては相当な大型馬です。乗り込みを開始しても体重は増え続けましたので、入厩して大きく減ることは無いと思います。480kg超でデビュー出来れば牝馬として最高評価です。11月撮影の駐立写真を見ると、前後の筋肉量が増えた印象で特にここに惹かれました。

次に評価しているのは兄姉の成績。上3頭の内の2頭が勝ち上がっています。1番仔ロミオボスは2勝クラスで入着の実績がありますし、2番仔アトリウムチャペルも1勝クラスは突破出来そう。3番仔は苦戦気配ですが、馬格が400kgを切っており参考外で良いと思います。
脚質は母と2番仔が芝、1番仔はダートで勝鞍がありますが、本仔に関しては個人的に芝馬と予想しています。

一方で、本仔の懸念材料はテンションの高いところですが、これは前進気勢の裏返しでもあり、ある程度までは許容するよりありません。

武藤厩舎に関してはリーディングに波があるのですが、昨年もG1出走馬を出しており、1400万円募集の本馬の預託先としては無難なところと言えるでしょう。只、騎手に関しては雅Jの騎乗を前提とする覚悟が必要です。もっとも、「自厩舎の馬に乗った時の雅Jの勝率は他厩舎馬の2倍以上高い」というデータには留意しておきたいところです。

トータルで見て1400万円募集馬ならばお買い得な馬に思えます。

2.シネマソングスの23

父  :ルヴァンスレーブ
母父 :ハーツクライ
性別 :牝馬
誕生日:2023/3/23
生産 :ナスノファーム

様子見の2番手はメチャメチャ迷ってシネマソングスの23にします。正直、2番手以降は横一線の評価なので、今後の進捗状況で大きく順位は入れ替わると思います。

本仔を評価したい最大のポイントは牝系の力です。本仔の祖母アースリヴィングは兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)の2着から海外遠征を敢行し、UAE1000ギニーとUAEオークスで何れも2着の好成績の残しました。また、母シネマソングスは中央4勝を上げてオープン入りし、交流を中心に重賞を4戦しています。牝系のボトムラインから活躍馬が出続けていることから、牝馬に出た本仔も活躍の期待値が上がります。

加えて評価したいのが半兄グレイテストソングの出来。本仔は2番仔で兄姉の実績評価が出来なかったのですが、先日デビューしたグレイテストソングは新馬戦2着の結果を残し、勝ち上がりは固いと思える内容でした。特に、ラスト38.5の末脚のキレには目を見張るものがありました。

最後にもう1つ牝系で評価したいのが母父ハーツクライの存在。ハーツクライは母父に入っても好成績を残している点が高評価です。

反対に父ルヴァンスレーブについては新種牡馬でもあり評価の定まらない状況です。ここまでの初年度産駒は序盤で勝鞍が伸びず、繁殖能力に不安感も生じていましたが、秋競馬以降は尻上がりに成績を伸ばしており、繁殖牝馬の質を考慮すれば及第点の成績は付けることが出来そうです。

馬格はダート馬としてはあと一歩ですが、460kg台で競馬をすることは出来そうです。現状で馬体は緩い模様ですが、坂路15-15の強めが開始されても充分消化できているとのこと。「兄よりも仕上がりは早そう」の牧場コメントは特に好印象。

一方で個人的に最大のネガティブ要素は厩舎。原則的に当該厩舎には出資しないことにしているのですが、今回はその縛りを外したい位に魅力を感じています。

3.ファビュラスギフトの23

父  :マインドユアビスケッツ
母父 :エイシンフラッシュ
性別 :牡馬
誕生日:2023/2/7
生産 :社台F

シネマソングスの23と2番手のポジションを最後まで迷ったのがファビュラスギフトの23です。その優位点はシネマソングスの23と反対に仕上がりの早そうな絞まった馬体です。11月に公開された駐立写真をみると筋肉質の馬体に目を惹かれました。募集時から可動域の広さと筋肉の質感を高評価していましたので、そこに筋肉量が増えてきたことは不安の隙間が埋まって来た印象を受けます。もちろん、牡馬であること自体が圧倒的にポジティブな要素です。

次に、預託先厩舎が高く評価できます。武英智厩舎は安定してリーディング20位前後をキープしており、2026年に入ってからはTOP10に位置しています。当該年度のグリーンFの預託先厩舎の中でトップクラスであることに間違いありませんし、母ファビュラスギフトの管理厩舎であったことも評価材料です。

それでは、何を懸念して評価を下げたかと言うと、第一は牡馬にしては馬格が足りないこと。本仔は高確率でダート適正と考えていますが、恐らく競馬に行っての馬体重は460kg台と予想しており、牡馬の中で戦うにはもう少し馬格が欲しいところです。

2つ目の割引要素は初仔であること。兄姉のいないことで母の繁殖としての能力が全くの未知数になります。更に、母父エイシンフラッシュの成績が壊滅的である点が極めてネガティブです。現3歳以上で母父エイシンフラッシュの産駒は全33頭ですが、その勝ち上がり率は僅か9%でしかありません。牡馬に限定しても2/18の11%であり相当危ういレベルです。これがシネマソングスの23の母父ハーツクライと比較して決定的な差になりました。

また、これはファビュラスギフトの23自身の問題ではないのですが、様子見の筆頭候補がマインドユアビスケッツ産駒であり、同じマインドユアビスケッツとして比較するとジュリエットベールの23を上に採りたくなります。

最後に、最新の更新情報でソエを発症して休養を挟んだ点も割り引きました。早期デビューが期待出来れば評価を上げたいところでしたが、育成段階でソエを発症となると競馬に行っても2歳の間は安定して使えないリスクが生じました。

動画も駐立写真も厩舎も申し分のない本仔ですが、懸念材料も散見され、如何しても評価を割り引かざるを得ない状況です。只、進捗状況が好転すれば、一気に上位評価に繰り上がるだけのポテンシャルは確実にあります。

4.キスミーワンスの23

父  :ブリックスアンドモルタル
母父 :ネオユニヴァース
性別 :牝馬
誕生日:2023/2/15
生産 :社台F

本仔で最も評価しているのは牡馬と間違う程の雄大な馬格です。最新の馬体重は516kgで、育成が進んでも、体重は増加傾向にあります。この感触であればデビュー時の馬体重が500kg台に乗ることも充分期待できます。個人的に480kgを超える牝馬は牡馬と遜色なく評価することにしており、本仔の評価も自ずと高くなります。

実際、11月下旬の駐立写真をみると筋肉の凹凸は目立ちませんが、前後の筋肉量には相当なものを感じます。大型馬故の仕上がりの遅さには覚悟が必要ですが、先々の期待感は非常に高いと思います。特に「ブリックスアンドモルタル産駒は馬格のある馬が走る」と言う説があり、その点でも大型の本仔はマッチします。

また、血統的には牝系が極めて豪華。バルドウィナから連なる一大牝系で、本仔の祖母ワンカラットと伯母ワントゥワンは何れも重賞で着内に来ています。牝系全体で見たときに牝馬>牡馬で活躍馬が出ている点も見逃せません。

本仔の預託先は開業3年目に入った西園翔太厩舎。まだリーディングは100位前後ですが、何れは上がってくる厩舎だと考えています。ちなみに、昨年開催されたグリーンFパーティの席で、西園師は本仔に高い期待をされていました。

一方で最大の懸念材料は激しい気性。過去のレポートを読むと気性の煩さに関する記述が数多く存在し、「普通にテンションの高い馬」よりは一段上の危うさを感じます。これは個人的な話ではあるのですが、DMMで出資していたスマイルコレクター(ブリックスアンドモルタル産駒の牝馬)はその激しい気性により満足な調教を積むことが出来ず、本来の能力を生かすことなく引退に至ってしまいました。キスミーワンスの23が同様である根拠はありませんが、ブリックスアンドモルタル産駒の気性の煩さは音に聞こえるレベルでもあり、注意は必要と考えています。

但し、年明け以降のレポートを見ると、徐々に走りに対する集中力は出てきている様にも思われ、このまま懸念が解消できれば一気に有力な出資候補に格上げできると思います。なお、自分の見立てでは本仔は芝馬と考えています。

5.ナスノフォルテの23

父  :ベンバトル
母父 :ジャスタウェイ
性別 :牝馬
誕生日:2023/2/21
生産 :ナスノファーム

本仔の最大の評価ポイントはその牝系です。本仔から見ての祖母ナスノシベリウスの繁殖成績は極めて高く、Xファクタ理論で言うところの優れたX染色体を2本有するダブルコピー牝馬と考えられます。そして、これが真であるとすれば、ナスノシベリウスとジャスタウェイの間に生まれ、両親からX染色体を1本ずつ受け継いだナスノフォルテもまたダプルコピー牝馬である蓋然性が高いと言えます。

本仔はナスノフォルテの初仔のため、兄姉の成績から母の繁殖能力を推察することが出来ませんが、ナスノフォルテをダブルコピー牝馬であると信じるならば、本仔も優れたX染色体を受け継いで、高い能力を有するものと賭けることが出来ます。

一方で不安材料は馬格です。初仔であることが影響して小さく出たのか本牝系の産駒としては今一つ馬体重が増えてきません。最新の馬体重は467kgなので、デビュー時の馬体重が440kg台になる可能性もありそうです。これで本馬が芝適正であれば良いのですが、自分の見立てでは「本仔はダート馬」と考えており、ダート適正の牡馬で460kg未満となると少なからずハンデを負うことになりそうです。父ベンバトルの産駒傾向が不明ですが、欧州の中距離芝適正なのでスピード特化の産駒は少ないと予想します。

只、ナスノシベリウスの産駒は短期間に急激に成長する傾向があるため、本仔もここから急成長する可能性も充分あると思います。そう言う意味で、本仔の様子見のポイントは馬体重の増加を観察することが第一と考えます。

6.ピンクレガシーの23

父  :ロゴタイプ
母父 :ヴィクトワールピサ
性別 :牝馬
誕生日:2023/4/22
生産 :社台F

本仔の最大の魅力は豪華な牝系。祖母バルドウィナから連なる一大牝系は先に述べたキスミーワンスと同じ系統になります。特に本仔から見て伯母に桜花賞馬ジュエラーの居る点は見逃せません。

一方で懸念材料は馬格。母ピンクレガシーはグリーンF所属馬でしたが、馬格が極めて小さく満足にレースに使うことが出来ませんでした。本仔はその小さかったピンクレガシーの初仔ですから、自ずと大きさが懸念材料になります。実際、この牝系にロゴタイプを配合する辺りに、社台Fとして大きな期待度は必ずしも高くない気配を感じさせます。

しかし、蓋を開けてみると馬格は極端に小さくはありませんでした。募集時が434kgで最新が437kg。一時は450kg台にも乗っていましたが、負荷を強めて減ってしまったところには今後も注意が必要でしょう。只、動きに関するコメントは比較的良好で、決して悲観する印象ではありません。一方で、気性面で気弱なところは大きな不安要素です。

正直、募集開始時から本仔には然したる注目を払って来なかったのですが、それでもここで様子見候補に取り上げたのは、昨年のグリーンFパーティでの牧場の評判が良かったこと。牧場スタッフに密かに評価をしている気配を感じましたので、引き続きウォッチを継続して行きたいと思います。

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