GF:シネマソングスの2023に出資

様子見の筆頭候補としてウォッチを続けてきたシネマソングスの23(ウォータースパウト)ですが、残口警報(残30口)が出たことと半兄グレイテストソングの勝ち上がりを契機に、このタイミングで出資を決断することにしました。以下、備忘録として本仔についての検討内容を整理します。


■種牡馬
父ルヴァンスレーヴは2024年に産駒がデビューした新種牡馬。本仔への様子見を続ける中でルヴァンスレーヴ産駒の成績についても注視をしてきましたが、早期デビュー産駒の成績が振るわず、夏競馬までの成績は不安の残る状況でした。しかし、ダート競争の増加する秋競馬に入ると明らかに成績が好転。本ブログの執筆時点(2025/4/8)で、収得賞金ベースの新種牡馬リーディングはタワーオブロンドンと5~6位を争っており、7位以下は大きく引き離しています。ちなみに、地方競馬の成績のみで見るとゴールドドリームに続く2位に位置していることから、今後は中央でもダートを主戦場に成績を伸ばして行くものと思います。

■牝系
祖母アースリヴィングから連なる牝系。アースリヴィングを始めとして、全ての産駒がグリーンFから募集されているお馴染みの牝系です。祖母アースリヴィングは兵庫JRグランプリ2着を含めた3勝馬、母シネマソングスは4勝馬ですから、メアーラインに活躍馬の出る牝系として本仔の期待も大きくなります。

さらに、半兄グレイテストソング(父モズアスコット)が未勝利戦を勝ち上がったことも大きな加点材料になりました。また、母父ハーツクライの成績が安定しているところもプラス評価したポイントです。

■測尺(参考
募集開始時点(2024/8/2)の測尺情報は以下の通り。

体高:154.0 胸囲:176.0 管囲:20.0 体重:440kg

胸囲と管囲が自分の基準ラインをクリアしていて好評価。また、一口馬主DBの馬体重成長シミュレーションによれば3歳春の予測体重が472kgと推定され、牝馬としては十分な馬格が期待できます。特に、母シネマソングスと半兄グレイテストソングは420kg~430kg台で競馬をしていますから、これと比較しても十分なサイズ感と言えます。ちなみに、2025/3/14時点の馬体重は480kgであり、想定された成長曲線に乗っています。

■駐立写真(参考

やや胴長で背中が短く胸幅とトモ幅があります。肩が寝気味で脚長があり、シルエットからは1800前後まで見込めそう。中殿筋も確認出来ますが。全体的に筋肉のメリハリは今一歩に見えるので、緩さが抜けるには時間が掛かるかもしれません。

一見して半兄グレイテストソングと良く似たシルエットをしていますが、筋肉の量は同時期の兄の方が目立って見えました。

■歩様動画(参考
元々が直飛傾向なので、後肢を蹴るときの飛節は伸びきっていますが、可動域は普通レベルです。逆に後肢の踏み込みも直飛のため深くはありません。前肢についても歩幅は普通ですが動きは柔らかく見えます。歩様のイメージからは中距離よりも短いマイル辺りが合いそうに思えます。

前後から見た動画では、特に気になる外向/内向はありません。筋肉の質感は柔らかすぎず個人的に好みなプルプル感が出ています。歩速は速めで、安定したリズムで動けています。

■誕生日と母年齢(参考1参考2参考3
本仔の出産時の母年齢は8歳で、参考1に示す通り理想的な母年齢です。また、祖母の出産年齢も9歳でこれも理想値。さらに、母との平均年齢は8.5歳となり、参考2に示す通り理想的と言える年齢構成です。

一方で、本仔の誕生日は3/23であり、参考3に示す通り誕生日としては平均的です。

■生産と育成(参考
本仔の生産は那須野牧場。育成はチェスナットファームに依託されました。母シネマソングスはノーザンFに育成が預託されていましたが、現在はグリーンFからノーザンFへ委託できる枠そのものが絞られており、本仔がチェスナットファームに預けられたことは止むを得ないところでしょう。ちなみに、半兄グレイテストソングもチェスナットファームの育成でした。

また、デビュー後に使用される外厩も重要ですが、グレイテストソングがNEWERAを利用していることから、本馬もこれに倣うものと予想されます。関東所属の非社台系の馬は他馬と比較して外厩の環境にビハインドがありましたが、施設の優れたNEWERAが完成したことでその偏差は縮まるかもしれません。

■厩舎(参考
預託先厩舎は美穂の小笠厩舎。これが最後まで本仔への出資を迷った要因です。祖母アースリヴィングから始まり、その産駒以下の8頭は全て小笠厩舎に預託されていますので、本仔が小笠厩舎に預託されることは完全に想定の範囲です。しかし、小笠厩舎の成績はリーディング100位以下に低迷しています。また、個人的に重視する指標である「クラブ馬勝ち上がり率=41%、クラブ馬回収率=124%」は平均レベルです。

■価格(参考①, 参考②
募集価格は1600万円。牝馬でもあり、グリーンファームの募集馬としては平均レベルの募集価格です。ちなみに、半兄グレイテストソングは牡馬で2000万円の募集価格でした。

一方で、個人的に算出してるプレミアム値で評価すると、グレイテストソングが「59」に対し、本仔は「196」でしたので、本仔の方が高いプレミアムが付いていることになります。何れにしても、ノーマルクラス以上の非社台系生産馬は出資候補に該当します。

■テシオ理論(参考
父ルヴァンスレーヴの活性値は7。母父ハーツクライの活性値は5。母母父Yonaguskaが7。母母母父タバスコキャットは7。活性値7が3頭いますが、「活性値が同じ場合は世代の若い方を優位とする」の自分流解釈を用いて、優先祖先は父ルヴァンスレーヴ(活性値7)になります。これは「優先祖先が世代の若い高活性値の牡馬」の条件に該当しますので、本仔の評価は高くなります。

■余談
兎にも角にも、出資判断を迷ったのは預託先厩舎でした。個人的に小笠厩舎はNG厩舎に仕分けして来ましたが、それを曲げてでも「本仔には出資しておきたい」と思わせるものがありました。特に、シネマソングスにとって初仔にあたるグレイテストソングが未勝利戦を快勝し、1勝クラスでも戦えるところを示したことで、シネマソングス自身が優良繁殖牝馬である可能性を高めたことは出資判断に大きく影響したところです。

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