1/13五条坂特別:ミスティックロアは進路を失うも追い込んで2着

1/13、京都9R・五条坂特別(2勝クラス・ダート1900)に愛馬ミスティックロアが出走しました。前走で仕掛けの遅れから差し切ることの出来なかった本馬ですが、今回も同様の轍を踏んでしまい、猛然と追い込むも結果は2着に終わっています。

まず、中1週半で臨む今回の馬体重は-2kg減って518kg。テンションも考慮して中間は軽く済ませたこともあってか、馬体はキープすることが出来ていました。一方で、最大の懸念材料であった気性面については、特段の問題は見られませんでした。もっとも、「特段の問題は無かった」と言っても、普通に煩い馬よりもテンションは高く、パドックも2人引きでコントロールされていた状態です。

それでも、コントロール出来ていたことの意味は大きくて、過去に地下馬道で暴れたり、馬場入り直後に暴走して返し馬が出来なかったり、と言った問題行動は発生しませんでした。普通に返し馬は出来ていましたし、実際、鞍上の坂井Jは「返し馬の状態は良かった」旨のコメントを残しています。これらの状況から、今回のレースで最大の収穫は「2週間隔で続戦することが出来た」と言う点に尽きると思います。

3番枠からのスタートは過去一番の出であったと思いますが、鞍上にポジションを取りに行く意思は無く、先行馬を行かせて中段後方の離れた7番手に落ち着きます。恐らく、このレースのポイントの1つはここで、「先行集団の4頭は行かせた後ろの5番手を確保出来なかったのか」と言う点です。坂井Jとしては、押し出して引っ掛かるのが怖いのだと思いますが、それでももう少し前のポジションは取れた様に思います。

バックストレートに入っても7番手のポジションをキープしましたが、問題はここで逃げ馬がペースをスローに落としたこと。これを感じ取れていれば、早目に捲って出る選択が取れた筈です。ここで坂井Jが何を考えたのかは不明ですが、事前の想定で「捲り」の予想されたエンツォウーノを待っていたのかもしれません。捲って来るエンツォウーノの後ろに付いて上がって行く作戦に対し、エンツォウーノの行きっぷりが悪かったことで、ミスティックロアの仕掛けも遅れた可能性を感じます。

ミスティックロアにとって最悪だったのは、本当ならば前に行ってしまうエンツォウーノが行き切らず、トリプルループと2頭でミスティックロアをボックスする形になったこと。これにより、ミスティックロアは外に持ち出すタイミングを逸してしまいます。

結局、Arrogate産駒の競馬としては最低の馬群に揉まれる形になってしまい、4角を回ったところでは前に5頭の壁が聳え立つ状況。しかもペースはスローですから、常識的に競馬はここで終わっています。

しかし、ここから本馬の高い潜在能力が発揮されます。ラスト1Fからエンジンが掛かると、内をこじ開けて突き進み、4頭を一気に抜き去って勝馬に1馬身差まで詰め寄りました。「揉まれて砂を被りながらもファイティングスピリットを失わずに末脚が使えたこと」は、高く評価してあげるべきです。

結果的に2走続けて「仕掛けが遅れ、先行馬に楽をさせた」と言う点で、坂井Jの騎乗は褒められた内容とは言えません。普通の馬であれば、「もう少しペースが流れていれば勝てました」の言い訳も使えるのですが、ミスティックロアのレベルならば他馬任せでは無く、自らが動いて先行馬に楽をさせない工夫が必要だったと思います。

一方で、今回はミスティックロアにとって収穫の多いレースであったと思います。具体的に、連戦することが出来たこと、揉まれても競馬を止めなかったこと、は大きな進歩だと思います。今回は内枠を引いたことで、楽な展開に出来ませんでしたが、外枠を引ければ楽勝できると言う感触は変わりません。

レース後の矢作師からは「3コーナーから4コーナーにかけて、気難しさなのか促し方が悪いのか進みが悪く、どうしてもポジションが悪くなってしまいます。騎手も反省していました。」と、弟子を叱咤するコメントが出されています。

一方で、続けて使えたことは評価されており、レース後の問題が無ければ、再び中1週で続戦する方針が示されています。矢作師としては、「2勝クラスを突破してから放牧に出す」と言う考えの様で、これは自分的にもウエルカムです。

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