グリーンファーム愛馬会・17年度募集価格の予想

高額落札が連発したセレクトセールも終了したところで、今日は17年度のグリーンファーム愛馬会の募集馬について、募集価格の予想をしてみたいと思います。実はこの作業、個人的に毎年実施しているのですが、今回はこれを公開することにしました。

先ず始めに、募集価格はどのようにして決まるのでしょうか？グリーンファームの募集馬は外国産馬を除いて、全て庭先取引で集められている訳ですが、その購入価格は牧場の言い値なのでしょうか？そうだとすると、牧場側はどのようにして言い値を決めているのでしょうか？沢山の生産馬の価格を決めるためには機械的に決定するための何らかの計算式があって然るべきと考えました。

そこで今回は、募集価格は次式によって決定されるものと仮定します。

募集価格＝(1)基本価格＋(2)本馬補正＋(3)父系補正＋(4)母系補正

ここで各項目の意味は以下の通りです。

(1) 基本価格
これはサラブレット１頭の平均価値と考えます。この価格はインフレ率などの市況要素で変動すると考えられますが、今回はこれを1000万円と設定します。ここで、全ての募集馬の基本価格は同一です。

(2) 本馬補正
これは募集馬自身の持つ特徴によって変動する価値と考えます。ここで、この本馬補正は次式の様に分解可能なものとします。
本馬補正＝馬体補正＋牡牝補正
まず、馬体補正は相馬眼で見るところの馬の出来によって上下する価格と考えます。しかし、馬の姿が見られない現段階ではこの値を決めることは出来ないため、これを０万円として数式から除外します。
次に牡牝補正ですが、これは基本的に牡馬ならば+200万円とし、牝馬は0万円と規定します。但し、種牡馬によって牝馬の価値が牡馬よりも著しく低い（キンカメ、ステイゴールド、ネオユニバースなど）場合には、この値をマイナス方向に補正します。逆に牝馬の方が価値が高い種牡馬（ワークフォースなど）の場合には、この値をプラス方向に補正します。

(3) 父系補正
これは種牡馬によって変動する価値を表すものとし、次式に分解できるものとします。
父系補正＝種付け料＋人気補正
ここで種牡馬の価値は基本的に種付け年度の種付け料に全て包含されていると考えます。但し、種付け年度から現在までの間で、成績不振などの理由で種牡馬の人気が著しく低下した場合は、人気補正で種付け料を割り引きます。なお、種付け年度から現在までの間で、種牡馬の価値がアップした場合については、特にプラス方向の補正は行ないません。

(4) 母系補正
これは母馬および兄姉馬の競争成績によって変動する価値を表すものとし、次式に分解出来るものとします。
母系補正＝母馬補正＋兄姉補正
ここで母馬補正は母馬が現役時に残した成績で値を決めます。重賞勝ちクラスの場合で+300万円、準オープンクラスで+200万円、500万条件または輸入牝馬で±0とし、逆に未勝利の場合-200万円の様に値決めします。また、母高齢の場合は-50万円値引きします。
次に兄姉補正は、兄姉馬の競争成績で値を決めます。GⅠ馬産出で+600万円、オープン馬で+200万円、500万条件止まりで±０、逆に勝ち上がり馬が居ない場合は-200万円の様に値決めします。なお上が全て未出走の場合はｰ100万円にします。

以上のルールを基にして算出した、17年度募集馬の募集価格を下記表に示します。

どうでしょう？如何にもそれっぽい価格が求まっている様に見えませんか？

ちなみに自分の場合、この予想価格と実際の募集価格を比較して、募集価格の方が高ければ、「仔馬の出来が良い」ものと判断し、逆に安い場合には、「何らかの問題点が仔馬にある」と考えることにしています。