「2019年グリーンファーム募集馬の近況フォロー」の7回目です。(前回はこちら。)
遅くなりましたが、今回は4/3~4/15の公式サイト情報を基にして、縦横の比較による近況フォローを行いたいと思います。なお、グリーンファームの2歳馬にも移動の情報が散見されて来たことから、2019年度の本シリーズは今回で最終回となります。
注:各項目の印の意味は次の通りです。
◎:最高評価、○:高評価、△:プラス評価、-:評価なし、×:マイナス評価
1801.モンキャドー(満口)
・社台Fにて育成中。(-)
・週3回の坂路。内2回2本。15.9-15.6を計時。(△)
・落ち着きが出て来た。折り合いが良化。(-)
・まだ背腰に緩さがある。(-)
・馬体重488Kg。前回から+10Kg。(○)
社台Fにて育成を継続中です。坂路を週3回(内2回)でコンスタントに乗り込まれています。「折り合いが良化した」と言う点はプラス材料ですが、「まだ背腰に緩さが残る」のコメントから見ると、早期移動の線は薄い感じです。
乗り込みながら体重が2桁増加したのは好評価です。募集時の体重から見れば、順調に大きくなってくれたと思います。駐立写真を見ると「背腰に緩さが残る」と言う割には半腱半膜様筋の筋も見えますので、ここから絞れれば更に良くなってくると想像できます。
1802.リリーブライト(満口)
・社台Fにて育成中。(-)
・週2回の坂路。内2回は2本。1Fを15.6を計時。(△)
・気が逸りがち。折り合い重視で取り組む。(×)
・体の使い方は上達してきた。(-)
・馬体重484Kg。前回から+8Kg。(△)
社台Fにて育成を継続中です。坂路を週3回(内2回)で順調に乗り込まれています。只、気に掛かるのが「気が逸りがち」のコメントです。この気性に関するコメントは4回連続で記載されており、流石に看過できない気配が出てきたころから、今回の評価は厳し目に(×)としました。血統的に中距離をこなしたい所ですから、気性面に苦労する状況は何としても避けたいところです。
一方で、乗り込みながら馬体重が増加している所は好評価で、駐立写真からは筋肉の筋が見て取れます。また、坂路を登る姿は、首を上手く使って走れている印象です。
1803.ジャンドゥーヤ(満口)
・チャンピオンズF淡路にて調整中。(-)
・坂路1本を17-18秒ペースのメニュー。(-)
・徐々に力も付き、フォームもしっかりしてきた。(-)
・幼さが残る馬体。(-)
・馬体重に関する情報なし。(-)
チャンピオンズF淡路にて調整中。坂路のペースが若干アップしましたが、本数は1日1本のペースに留まっています。只、この辺りは「淡路の坂路はキツイ」こととの兼ね合いもありそうです。馬体重に関する情報はありません。
駐立写真を見ると若干ですが胴がゆったりとして来た様に思います。一方で、腰の筋肉の張りについては未だ緩そうな印象を受けます。
1804.パソロブレス(募集中)
・ノーザンF空港に在厩。(-)
・左前橈側手根骨遠位端部に骨折を発症(×)
・4/2、骨片除去手術を実施。(×)
坂路で順調の乗り込まれてきた本仔ですが、左前膝に腫れが出たことから検査を実施した結果、左前橈側手根骨遠位端部に骨折を発症したことが明らかになってしまいました。4/2、社台ホースクリニックにて骨片除去手術を実施しています。手術は無事に終了していますが、当面は安静にして患部の回復を待たなければなりません。
2019年度募集馬の中では進捗が順調だった本仔でしたが、全治までの見込み期間も明らかにされておらず、厳しい状況に陥てしまいました。
1805.モントレージャック(募集中)
・チェスナットFにて育成中。(-)
・坂路を週2回、17-15秒ペース(-)
・筋肉が盛って見栄えが良くなった。(-)
・トモの緩さが抜けず前勝ちなフォーム。(-)
・馬体重486Kg。前回から+6Kg。(-)
チェスナットFにて育成中。前回から変わらず、週2回×1本の坂路入りのメニューには物足りないものがありますが、ペースは17-15までアップして来ました。筋肉の盛り上がりが見える一方で、トモの緩さに言及されており、もう少し乗り込み量を増やして行きたいところです。やはりこれは、現状では体力不足と言う判断であると思われます。
駐立写真を見ても筋肉質の体は見て取れますが、一方で体の硬さが気にならないでもありません。また、ダート馬の想定にしては、繋ぎが多少長目に見えます。
1806.マンハッタンガデス(募集中)
・社台Fにて育成中。(-)
・週2回×1本の坂路入り。ペース不明。(-)
・4月からは1日2本を予定。(-)
・4/1、1Fから15.6を計時。(-)
・まだ体力が付き切っていない面がある。(×)
・馬に合わせてジワジワとペースを上げる。(-)
・不安定な喰いは改善傾向。(-)
・馬体重446Kg。前回から+2Kg。(-)
社台Fにて育成中。体力が付き切っていないことから、運動メニューは引き続き週2回×1本に留められています。15秒ペースも開始された模様ですが、進捗状況としてはまだまだな印象です。体力不足の状況に対して、喰いの不安定さを示すコメントもネガティブです。
駐立写真をみると体のバランスは良く見えるのですが、やはり全体的に筋肉の張り出しが確認できず、緩さを感じさせる馬体だと思います。坂路の動画からは、併せたローラーコースターと比べて、もう少し首を上手く使って欲しい印象を受けました。
1807.ワイドアウェイク(募集中)
・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1本×週3回。(-)
・3Fから坂路15秒ペース。(△)
・大きな跳びで動けており、背腰に疲労感なし。(-)
・馬体重520Kg。前回から+6Kg。(×)
社台Fにて育成中。引き続き球節の状態は安定しているとのこと。坂路の本数は1日1本止まりですが、15秒台で乗られて疲労が出ていない点は評価出来ます。馬体重はさらに増加して520Kg台に達しました。牝馬としては最大クラスに達しており、流石に不安を感じずにはいられません。
駐立写真をみるとまだ筋肉の隆起が目立たず、実が入るにはまだ時間を要しそうな気がします。坂路の動画は躍動感を感じますが、首の位置の高い所が気になります。
1808.ミラコロヴェルデ(募集中)
・ノーザンFしがらきに移動。(○)
・移動前は週2回×2本の坂路を16-15秒ペース。(△)
・馬体重414Kg。前回から-4Kg。(×)
ノーザンF空港からノーザンFしがらきへの移動を完了しています。順調に育成が進んでいることの証左であり、これは高く評価できるところですが、如何しても馬格の小ささは気になります。現時点で414Kgとなると、デビュー時の体重は400Kgを割る可能性もありそうです。只、この状態で運動を休まずに乗り込まれて来た点を考えれば、体質的な心配は杞憂であるかもしれません。
駐立写真は半膜半腱様筋の筋が見えており、前後共に筋肉の発達が目立ちます。短くて太い首は短距離適性を思わせますが、これまでに気性面を不安視するコメントの無かった所は安心材料になるでしょう。繋ぎは寝気味で、芝で走れそうな気がします。
1809.レモンマートル(募集中)
・吉澤ステーブルにて育成中。(-)
・4/14、調教後に右前肢に腫れ。右前種子骨骨折。(×)
・発症直後で予後の見通しが立たない。(×)
前回の更新で前進の見えて来た本仔でしたが、大変残念なことに右前種子骨に骨折が発生してしまいました。現時点で予後の見通しが立たないとのことで、場合によっては募集中止と言う可能性までありそうです。
1810.ローズボウル(募集中)
・社台Fにて育成中。(-)
・週3回の坂路。(内2回は2本、15-14秒)(△)
・体調も安定し強目のメニューを消化している。(-)
・1本目は力みがちだが、2本目は勢いが続かない。(-)
・前向きさはある。燃費効率を良くしたい。(-)
・馬体重502Kg。前回から-3Kg。(-)
社台Fにて育成を継続中です。ようやく、スクミに関するコメントも消えて、順調に強目が乗り込めるところまで進んできました。取り敢えずスクミの不安が消えたことは良かったと思います。坂路2本の2本目は勢いが続かないとのことで、効率的なフォームを身に付ける必要がありそうです。
駐立写真を見ると、着実にトモの筋肉が付いてきた印象です。まだまだ緩いとは思いますが、良い方向には変わって来た印象です。坂路を上がる動画を見ると、低い姿勢から首を上下に振ってリズミカルに走れており、個人的には好印象です。
1811.フラワードラム(満口)
・チェスナットFにて育成中。(-)
・坂路×週2回(本数不明)15秒ペース。(-)
・スクミは解消。一過性なもの。(-)
・気持ちだけが先走る面がある。(-)
・馬体重490Kg。前回から±0Kg。(-)
チェスナットFにて育成を継続中。前回の更新でスクミの発生が報告されましたが、季節的な一過性のもので、現在は解消しているとのこと。只、坂路の本数が不明であり、抑えたメニューなのかもしれません。現在の馬体重は増減無しの490Kgです。
駐立写真を見ると、半腱半膜様筋が目立つ様になり、順調に進んでいる様子が伺えます。一方で、坂路を上がる動画を見ると、もう少し首を上手く使った走りが出来れば良い様に感じます。
1812.ブリエヴェール(募集中)
・社台Fにて育成中。(-)
・週3回×2本の坂路。時計不明。(-)
・左前にソエを発症。治療に専念し10日で収まる。(×)
・馬体重468Kg。前回から-2Kg。(-)
社台Fにて育成を継続中。坂路入りの本数が増えた点は良かったのですが、左前にソエを発症してしまいました。10日程度で治まったとのことですが、運動再開が出来るレベルであって、暫くは付き合って行く必要があることは間違いありません。必然的に強目の調教も控えられるものと予想します。
駐立写真を見ると全体的に筋肉量が増えた印象です。坂路を上がる動画を見ると、やや首の位置が高いながらも真っ直ぐに登って来ているところが好印象だったのですが、この後にソエが発症してしまった模様です。
1813.ハリウッドルビー(募集中)
・社台Fにて育成中。(-)
・右後肢飛節の腫れは収まった。(-)
・坂路×週2回(内1回は2本)15秒ペース。(△)
・パワーが物足りないが、前進気勢は旺盛。(-)
・馬体重472Kg。前回から+2Kg。(-)
社台Fにて育成中。前回の更新で発症した右後肢飛節の腫れは回復しています。運動メニューも然したる遅れなく挽回して来て入り、然したる懸念には及ばなかったかもしれません。今後の運動メニューの推移を見守りたいと思います。
駐立写真をみると筋肉のメリハリが未だ目立たず、この辺りがパワー不足が指摘されるところかもしれません。坂路を上がる動画を見ると、僚馬が気になるのか横を向いて集中して走れていない気配が伺えます。以前から前進気勢のある点が強調される本仔ですが、気性面の危うさに繋がらなければ良いと思います。
1814.ビスターシュドール(募集中)
・チェスナットFにて育成中。(-)
・坂路を週2回(本数不明)。17-15ペース。(-)
・大分力が付いてフォームが良化。(-)
・行きっぷりが良く14秒台で上がることも。(△)
・小柄でも動けている。ずいぶん良くなった印象。(△)
・馬体重438Kg。前回から±0Kg。(-)
チェスナットFにて育成中です。進捗に遅れのあった本仔ですが、ここに来て挽回してきた印象です。坂路入りの本数が不明ですが、BTCの緩い坂路ながら14秒台が出せる様になりました。素直に評価して良いと思います。
馬体重は438Kgで成長が進んで来ませんが、駐立写真をみると全体のバランスの良さが目に付きます。トモは緩い印象ですが、半膜半腱様筋の線は見えるので、ここから鍛えて行けばまだまだ良くなりそうな気がします。坂路を上がる動画を見ると、低い姿勢からリズミカルに走れている印象を受けました。
1815.ローラーコースター(募集中)
・社台Fにて育成中。(-)
・週2回×1本の坂路。15秒ペース。(×)
・体力強化を念頭に進めてきた。(-)
・追い込みすぎず余裕を持たせるイメージ。(×)
・馬体重488Kg。前回から-2Kg。(-)
社台Fにて育成中です。前回の更新と比較して坂路入りの回数が3回から2回にダウンしています。本数も1本に留まっており、進捗の遅れが顕著になって来ています。この原因は「追い込みすぎず」の記載にあることは間違いなく、気性的にかなり危うい面があると考えて良いでしょう。引き続き注視が必要な状況です。
駐立写真をみると筋肉のメリハリが目立たず、この辺りが乗り込みの不足を表しているかもしれません。一方で、坂路を上がる動画を見ると、首を上手に使って集中して走れている雰囲気が見て取れ、好印象を受けます。
1816.ヴェイルオブナイト(募集中)
・社台Fにて育成中。(-)
・坂路を週2回(内1回は2本)。(15-14秒ペース)(△)
・スクミに注意して進めている。(-)
・2ハロンから14秒台を計時。(△)
・馬体重474Kg。前回から-6Kg。(-)
社台Fにて育成を継続中。引き続きスクミをケアしながら進められていますが、週2回の坂路入りながら1日2本の日も設けられています。時計は14秒台が出ていますので、スクミの不安が払拭されれば、楽しみになりそうです。
駐立写真をみると筋肉の張りがもう一つですが、相変わらず大きなトモは目立っています。坂路を上がる動画を見ると、隣で煩いアイアムルビーに動じず、集中して走れている様子が伺えます。
1817.シエルドゥレーヴ(募集中)
・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・坂路を週2回×2本。17-15秒ペース。(-)
・同様のメニューで成長を促しながら進める。(-)
・馬体重479Kg。前回から+7Kg。(△)
ノーザンF空港にて育成中。坂路の時計が若干ペースダウンしており、この辺りがコメントにある「成長を促しながら進める」を示しているのかもしれません。そう言う点では馬体重の増加はポジティブに評価したいと思います。
駐立写真を見ると脚の長さが目立ち、トモの容積も大きいのでが、筋肉のメリハリはこれからの印象です。
1818.フェアリーテイル(募集中)
・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・坂路を週2回×2本。17-15秒ペース。(△)
・3月末にリフレッシュを挟んだ。(-)
・馬体がシェイプアップして良化。(-)
・想定より移動時期が早まるかもしれない。(△)
・馬体重421Kg。前回から-8Kg。(-)
ノーザンF空港にて育成中。運動メニューは前回とほぼ同じで、3月末にリフレッシュ休養が行われています。移動時期が前倒しされる可能性についてはポジティブな評価となりますが、出来れば馬体重がもう少し増えて欲しい所です。
駐立写真を見るとトモの筋肉にメリハリが出て来ており、確かにシェイプアップして良化が伺えます。坂路を上がる動画を見ても、躍動感のある走りで上がって来ており、こちらも好印象を受けました。
1819.ルーチェビアンカ(締切)
・チェスナットFにて育成中。(-)
・坂路を週2回。17-15秒ペース。(-)
・力が付いて走りに余裕が出た。(-)
・入厩に向けて栗東近郊へ移動予定。(△)
・馬体重465Kg。前回から+7Kg。(△)
チェスナットFにて育成中。着実にペースアップが図られており、入厩に向けて栗東TC近郊への移動が計画されています。早期の移動は間違いなくポジティブな評価ですが、前回の更新にあった「気性にカリカリしたところがあり、急がずに乗り込む」旨のコメントからすると、方針転換された印象を受けます。
駐立写真を見ると大分絞れて来た印象ですが、筋肉のメリハリはまだ足りていない様にも思えます。
おわりに
ここに来て頓挫とも言える状況が散見されており、グリーンFはちょっとお祓いが必要かもしれません。パソロブレス、レモンマートルは明らかに厳しい状況ですし、プリエヴェール、ローラーコースターの状況も冴えません。一方で、ミラコロヴェルデ、フェアリーテイル、ルーチェビアンカに移動の話が出て来たのは明るい話題です。また、ここまで遅れていたビスターシュドールが挽回して来た点も見逃せません。
以上を含めて、現在の自分自身の出資に向けての評価順位を記します。
○ :ローズボウル
△ :ミラコロヴェルデ:ローラーコースター(出資済み)
今年は3頭への出資を予定していたのですが、気が付けば出資候補馬がいなくなってしまいました。ローズボウルに関してはスクミの不安も軽減され、前回よりも評価が改善したことから、このまま進めば本仔に出資を決めるものと思います。一方で3頭目の候補が見つからず、唯一残った候補が西村師の腕を信じてのミラコロヴェルデなのですが、小さい馬格が悩ましい所です。
あと、ここに来て考えてしまうのが「何時競馬が中断されるか判らない」と言う現在の状況です。「不透明な状況で出資を増やすよりも資金は翌年に回すべき」と考える方が現実的な気がします。もっとも、真に危ういのは現3歳の未勝利馬(ナショナルアンセム)の方なのですが..。