毎年恒例のグリーンFから募集して欲しい仔馬をピックアップするシリーズです。全3回の予定で、募集確度を考慮して採り上げて行きたいと思います。第1回は「募集確度が高く、かつ募集された暁には高い人気の予想される仔馬」です。主に那須野牧場の生産馬になります。
No1:ナスノシベリウスの2022
父 :レイデオロ
母父 :Unbridled’s Song
性別 :牝馬
毛色 :芦毛
誕生日:2022年5月14日
母年齢:13歳(7番仔)
生産 :ハシモト
ハーツコンチェルトの活躍により、グリーンFの筆頭牝系となったナスノシベリウスの7番仔です。アレグロモデラート、ハーツコンチェルト、ソウルアンドジャズが3年連続で募集されており、本仔が募集されれば4年連続になります。極めて仔出しの良い母で、兄姉は総じて2勝以上を上げる活躍をしており、グリーンFに所縁の牝系としては突出した繁殖レベルでしょう。直近2年は募集額が高止まりしていますが、本仔は牝馬でもあり、多少は価格が下がるかもしれません。募集される蓋然性は高いと思われますが、激しい争奪戦は必至でしょう。
なお、本仔から見て甥にあたるナスノシンフォニーの2022(父レイデオロ・牡馬)もクラブから募集される可能性を残しています。初仔ながら牡馬ですし、「出来が相当良い」と言う噂もあることから、ダブルで募集されればグリーンFの看板になることは疑いありません。
No2:アンデスクィーンの2022
父 :ナダル
母父 :タートルボウル
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2022年2月17日
母年齢:8歳(2番仔)
生産 :ノーザンF
エンプレス杯(Jpn2)を制した、クラブ有数の活躍馬の2番仔です。半姉アンデスビエントもグリーンFから募集されており、本仔が募集されれば2年連続になります。ノーザンF生産馬の場合、縁故馬であってもグリーンFに卸されるとは限らないのですが、本仔はセレクトセールにも上市されておらず、牝馬で父が新種牡馬である点も考慮すると、グリーンFから募集される蓋然性は高そうです。
半姉アンデスビエントは父ドレフォンで初仔の牝馬でしたが、明らかな出来の良さから4000万円の高額募集となりました。本仔は父が新種牡馬ナダルに変わりますが、「ナダル産駒は総じて出来が良い」の噂も有り、募集されたとしても高額設定は必至でしょう。
No3:シングシングシングの2022
父 :アドマイヤマーズ
母父 :ヨハネスブルグ
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
誕生日:2022年3月20日
母年齢:13歳(初仔)
生産 :那須野
シンギングセンセーションから連なる、グリーンFではお馴染の牝系です。シンギングセンセーションは今年で19歳になっており、今後はシングシングシングに代替わりすることが予想されます。母シングシングシングはクラブ所属の2勝馬ですが、生涯19戦して2着を6回記録しており、一口馬主の出資馬としては安定して賞金を稼いでくれるありがたい存在でした。
父は新種牡馬のアドマイヤマーズ。戦績こそ少ないですがG1を3勝したマイラーです。スピード能力に優れることから、同じくマイラーのシングシングシングとの相性は良いと思います。初仔ですが牡馬ですので、それなりの馬格のあることを期待しています。
No4:シネマソングスの2022
父 :モズアスコット
母父 :ハーツクライ
性別 :牡馬
毛色 :黒鹿毛
誕生日:2022年3月24日
母年齢:7歳(初仔)
生産 :那須野
祖母アースリヴィングから連なる、グリーンFとの関係が強固な牝系です。アースリヴィングは今年で17歳となり、そろそろ代替わりの頃合いでしょう。アースリヴィング、シネマソングスの2頭は、グリーンFでは突出した成績を残しており、必然的に3代目への期待も大きくなります。本仔は初仔になりますが、シネマソングスもアースリヴィングの初仔でしたので、寧ろゲンが良いかもしれません。
新種牡馬である父モズアスコットは、安田記念とフェブラリーSの芝/ダートのG1を制した二刀流の快速馬です。それだけでも惹かれる所は大きいのですが、それ以上に、あのFrankelの直系である点が魅力的です。
一方で、不安材料はシネマソングスの馬格が小さかったこと。その初仔となると、サイズ感が心配です。言い換えれば、標準的な馬体重で募集されれば、期待値は大きく跳ねあがります。
※ 本仔については「何処の厩舎に預託されるのか?」が最大の注目ポイントかもしれません..。
No5:サムシングジャストの2022
父 :リアルスティール
母父 :ヴィクトワールピサ
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2022年5月3日
母年齢:6歳(初仔)
生産 :那須野
ツルマルオトメから連なる牝系で、グリーンFからは過去に3頭が募集されています。中でも母サムシングジャストの成績が優秀で、オープン入りを果たした後、府中牝馬S(G3)にて3着の成績を残しており、エリザベス女王杯への出走も果たしました。
一方、本仔の父リアルスティールは昨年から産駒がデビューをしていますが、ここまでの成績は期待レベルに達していません。但し、オールパルフェがデイリー杯2歳Sを制したことからも、種牡馬としての評価を下すには早計でしょう。特にサンデーサイレンスをクロスした産駒は成績が1段上がる傾向があり、本仔もこれに該当しています。
サムシングジャストは大柄な牝馬でしたので、初仔の牝馬ですが、本仔も大きく出てくれれば期待値はアップすると思います。
No6:ガーデンコンサートの2022
父 :フィエールマン
母父 :ロードカナロア
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2022年3月20日
母年齢:6歳(初仔)
生産 :那須野
祖母アースサウンドから連なる牝系で、実に7頭がグリーンFから募集されています。そのアースサウンドも今年で16歳になり、後継の座を期待されるのが本仔の母ガーデンコンサートです。アースサウンドとガーデンコンサートの何れも短距離ダートで成績を残していることから、スピード能力に秀でた牝系と言えます。
一方、本仔の父で新種牡馬のフィエールマンはディープインパクト系の長距離馬です。芝1800でデビューしましたが、3つのG1勝利は何れも3000M超であり、ステイヤーと考えるのが常識的でしょう。
ここで本仔の不安材料は、「短距離の母系と長距離の父系」と言うアンバランスな配合と考えています。両者の良い所を取って、「短距離馬のスピードと、長距離馬のスタミナを併せ持った馬」と出れば、それはスーパーホース確定ですが、遺伝の世界はそんなに甘くはありません。「短距離馬の様にスタミナが足りず、長距離馬の様にスピードの無い馬」に出てしまうリスクは、同時に考慮しておく必要があります。
コメント
現2歳世代から会員です。
とても興味深く参考になりました。
レーヌジャルダン、マキシマムドパリは出資したい2頭です。(美浦希望)
アンデスクィーン、ナスノシベリウス、ナスノシンフォニーに人気が集中してほしいところ。
来年のコントレイル産駒のために実績が必要です。
54万では特別提供馬も無理ですかね。
レーヌジャルダンは出来に問題のない限りは、募集されると思います。厩舎は母と変えて欲しいですが。
マキシマムドパリはブリモル推しとしては魅力的ですが値段が怖い。
ナスノシベリウスには黙って出資したいですし、お金が幾らあっても足りなそう。
あと、実績50万円なら、特別提供馬は貰えると思います。第3回で取り上げますが、密かに期待している提供馬が来てくれたら、何が何でも取りに行くことになると思います。
こんにちは。
2023年の募集予定馬が発表されましたね。
アンデスクイーンの文字がなく大変残念。
前評判が高い(?)らしいナダル産駒もかんけいでしょうか。
ただ中々に面白そうなラインナップかなとおもいました。
特に行先の情報がありませんでしたし、アンデスが募集されなかったのは正直に意外でした。その代わりなのか、レッドソンブレロはノーザン生産馬としては珍しくハイスペックな繁殖が来たと思います。この馬の取捨が今年のポイントになる様な気がします。
印象が薄れない内に、今日にでも第一印象を纏めてアップしようと思います。